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名古屋城金鯱(きんしゃち)展、3月20日から開始(~4月2日まで)

※このイベントはすでに終了しています。

名古屋市広報課の丸澤です。
名古屋と言えば、名古屋城を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
市内や近郊の方なら「小学校の時、遠足で行ったなー」といった人もいるんではないでしょうか。

名古屋城、本丸御殿を始め見ていただきたい所がたくさんあります。
名古屋城のことをあまり知らないという人でも、「金鯱(きんしゃち)」のことを知っている人はいるんではないでしょうか。名古屋城は別名「金鯱城」とも呼ばれています。

現在、名古屋城の金鯱が、天守閣からいなくなっています!
令和3年3月8日(月)にヘリコプターに吊るされて、地上に降りてきています。
金鯱がいない名古屋城、記念に撮影してきました。

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詳しくはないですが、お城好きな人間の1人として、天守から鯱がいないのを寂しく思っています。金鯱が降りてきていることは初めて、、、ではない?実は何回か降りてきています。
今回は、「そもそも鯱って?」や意外と知られていない「雄や雌があるの?」といったあたりを書いてみたいと思います。

また、今回の記事を見られた方は、ぜひこちらのイベントにも!
「名古屋城金鯱展」令和3年3月20日(日)から4月2日(金)
が開催されますので、こちらへ是非お越しください。
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.kin-shachi-2021.jp/
※名古屋城金鯱展の案内は広報なごや3月号の16面にも記載があります。


【鯱?】

マカラ

麒麟・キリン、鯱・シャチのように実際いる生物と想像上の生き物とがあるので、文字って難しいですね、、、今回は想像上の生き物「鯱」で。
鯱は水を呼ぶと言われることから、火除けのまじないとされてきました。
火除けの守り神である金鯱、ルーツを探ると遥かユーラシア大陸、仏教やヒンドゥー教の神話の世界に描かれたマカラ(makara)に辿りつくそうです。
マカラはワニに似た口と魚のような尾を持つ伝説の海獣です。金鯱はこのマカラであり、中国や日本の寺院の屋根に置かれる鴟尾(しび)もマカラが変化したものとことです。
奈良のお寺とかにも行くので、よく似ているなと思っていたんですが、ルーツは一緒だったんですね。
マカラも国・地域、時代によって形が変わっています。
写真はインド中部のバールフト仏塔のマカラですが、ネパール、ラオス、ベトナム、それぞれで違いがあるため、詳しく見たい人は名古屋城金鯱展のShachi Worldへ是非!

【天守に鯱?そして雄と雌?】

火除けの守り神であることは分かりましたが、そもそも最初は誰が???
天守に初めて飾ったのは織田信長なんだそうです。
名古屋城の築城は徳川家康なので、名古屋の城に鯱は必然性を感じます。

タイトル金鯱


金鯱がある名古屋城の写真を掲載しましたが、皆さん金鯱に雄・雌があるってご存知でしたか?
北側が雄で、南側が雌です。想像上の生物に雌雄があるとは!?
写真は奥に名古屋駅周辺が見えますので、南側の雌と思われます。
昔の名古屋城で働く職員は「北島三郎、南沙織」で覚えたというような噂も(笑)
高さや重量、うろこの枚数に違いがあります。
創建時の金鯱(雄と雌)には、慶長大判を引き延ばした金の板が約320キログラム(慶長大判の枚数で言うと1940枚)も使われたといわれています。
再建された現在の金鯱の金は約88キログロム。いやー金の重さだけでこの重量、すごいです。
そして、その凄さを名古屋城金鯱展では味わえます。近くで一緒に写真が撮れます!
金鯱が天守に戻っても、名古屋城正門近くに金鯱レプリカもあります。こちらも恰好いいですし、写真も撮れます!

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【今回が初めてではない!】

金鯱、実は色んな所に出かけています。
明治5年(1872年)、雄の金鯱が東京の湯島聖堂博覧会に登場して、人気を博したそうです。そして明治6年(1873年)、雌の金鯱がなんと海を渡ってウィーンの万国博覧会へ行き、ここでも人気を博したそうです。火除けの守り神なのに、日本ブームの火付け役に!
令和3年3月8日(月)にヘリコプターで金鯱が降りてくる映像をニュースなどで見られた方もいるかもしれません。その時のしゃち、いや写真はこちらです!

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直近ですと、16年前、平成17年(2005年)に開かれた愛知万博(愛・地球博)の際に地上に降りてきました。
その前の昭和59年(1984年)、名古屋城博にも降りてきていて、私の人生で3回目(年齢がバレる!?)です。
定期的に降りてくるわけではないので、令和3年3月20日(土)からの名古屋城金鯱展をぜひご覧ください。

【名古屋城金鯱展】


「名古屋城金鯱展」では、海と山に見立てた会場で巨大な金鯱を展示するほか、ユーラシア大陸を渡ってきた金鯱のルーツについて、独創的な絵図とともに紹介します。
ここまで書いてきた色々な話、名古屋城金鯱展に行けば資料が貰えるんですねー(笑)
再掲しますが、名古屋城金鯱展のURLはこちらから(https://www.kin-shachi-2021.jp/)。
「会場」は3つのコースに分かれています。
①スタンダードコース 海シャチ・山シャチが織りなす世界観を体験できます
②ショートコース お時間がない方へお勧め
③フォトコース(有料) 海に浮かぶ金鯱と記念撮影ができます
なお、③に関してはウェブサイトで参加方法をご確認ください。

「金鯱おみやげブース」では、名古屋の土人形師・野田末吉氏作の土鈴を復刻した限定1000個の「金鯱土鈴」、お城版の御朱印である「金の御城印」など、オリジナルのお土産が並びます。
「金鯱土鈴」、あたたかみがあり、かわいさもあり、鈴の音色が素敵でした。「記念にどうぞ」と言われるのを待っていましたが、案の定、そんな声はかかることもなく、、、金鯱土鈴に別れを告げてきました。

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東日本大震災から10年、被災した岩手県の陸前高田市からも、観光PRや物販・飲食店ブースも出店されます。
名古屋市と絆協定を結んでいる陸前高田市、被災後に私も2回訪れましたが、またホタテが食べたいです、、、

【最後に】

コロナ禍においてアマビエも一躍有名となりましたが、私たちの暮らしのなかには鯱以外にも獅子や鬼、妖怪などさまざまな想像上の生き物がいます。

東日本大震災から10年、毎年のようにある豪雨災害、コロナ禍…。
自然はときに厳しく、災厄をもたらしますが、自然と文化をつなぐ聖なる存在であり、畏怖される存在でもある鯱は、私たちに改めて気づきを与えてくれる存在なのかも知れません。

金鯱のことをさらに知りたいということは、令和3年3月27日(金)14:00から90分程度、オンライン講座『金鯱学事始め』(有料:500円)というものもありますので、ご参考までに。
申し込みなどはこちらから
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/570
※定員に上限がございますので、予めご了承ください。

そして、名古屋城にはもっと、もっと紹介したいところが!
本丸御殿でも襖絵や欄間、天井、それぞれで1つの記事になりそうな深い話があります。
「市民も意外と知らない?」、そんな名古屋城の話を今後も発信していきます。