「家から出したごみがきちんと処理される」当たり前の生活環境を守る ごみ処理工場のお仕事~広報なごや11月号~
こんにちは、広報課の畠山です。
皆さまは、大掃除などで出たごみを全部きれいに収集してもらって、すっきりしたー!なんてこと、ありませんか?
広報なごや11月号「なごやのチカラ」では、きれいなまちを守るため、可燃ごみの焼却工場で働く落合さんにお話を伺いました。ぜひ広報なごや11月号の紙面とあわせて、お読みください。
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わたしが出したごみ、どうなるの?
今日は可燃ごみの日。朝食を済ませ、家の中のごみを一気にかき集めて袋の口を縛り、家の前に出してフゥと一息。夕方見てみるとごみ袋は綺麗に無くなっている。当たり前のように収集されるごみは、その後一体どうなっているのでしょうか。
教えてくれるのは、可燃ごみの焼却工場で働く落合さんです。
(以下落合さんから)
こんにちは。皆さまが出した可燃ごみがどうなるのか、ご紹介します!少々長いですが、工場見学に来たと思ってのんびり読んでみてください!(最後にインタビューもあります)
① 晴れの日も雨の日も素早く丁寧!ごみの収集
ご家庭から出された資源やごみは、収集車で集めていきます。
2~3人1組で、運転担当と積み込み担当に分かれて収集します。市内では1日に約500台の収集車が稼働していて、決められたエリアを、1日かけて収集しています。この仕事は私の担当ではありませんが、収集する職員は、夏の暑さや冬の寒さにも負けず、雨が降る中でも、ひとつひとつしっかり収集しています。
収集された可燃ごみは焼却工場へ運ばれます。
このあたりから私の担当の仕事です。
② 焼却の準備
収集された可燃ごみは焼却工場に運ばれ、計量機で計量・記録します。
ごみ収集車は、ごみの重量を計量した後、投入ステージに向かいます。投入ステージの出入り口には臭気が外部に漏れるのを防ぐエアカーテンがあります。(筆者も工場にお邪魔した際、臭いを感じなかったので驚きました。)
投入ステージからごみピットにごみを投入します。
ごみピットにためられたごみは、燃やしやすくするため撹拌(かくはん)された後、クレーンでつかまれ、焼却炉につながる入り口に投入されます。
ごみピット内の臭気を含んだ空気は、焼却炉の燃焼用空気として焼却炉に送られ、臭気は焼却炉内で熱分解されます。
エアカーテンや臭気の熱分解などで、工場外に臭気が漏れないような工夫をしているんです。
③ 温度は850℃以上!焼却炉へ!
焼却炉内の火格子の動きによって、ごみを撹拌しながら焼却炉の奥に送り、ごみを燃やしています。
ごみの燃焼状態を見て、ごみを奥に送る速度や燃焼用の空気の吹き込み量を調整します。雨に濡れたごみが多い時などは、炉の温度が下がらないようにごみを送るスピードを遅くしたりします。温度を850℃以上の高温にすることで、ダイオキシンなどの有害な物質の発生を抑えています。
焼却炉は、効率良く安定稼働させるために、一度稼働させたら約3か月間連続で稼働させています。富田工場の焼却炉は全部で3つ。定期的に清掃や整備をしつつ、常時2つを稼働させています。
中央管制室では、安定して燃焼させ続けるため、工場の設備に異常がないかを24時間監視しています。
もし焼却炉が長期間止まってしまうとその間はごみが処理できず、市内のごみが処理しきれなくなってしまう可能性もあります。そのため、焼却炉の停止につながるような故障を未然に発見することや、炉を稼働したまま故障を復旧する方法を考えることが大切なんです。
そして実は、焼却工場では発電もしています。
ごみを燃やして発生する熱で蒸気を作り、タービンに送ることで、発電機で最大10,000kWの発電を行っています。発電した電気は、工場や隣接する富田北プールや富田北地域センターで利用し、余った分は売却しています。
④ 煙突から出る白いモクモクは無害な水蒸気。排ガスの処理
焼却で発生した排ガスに含まれる有害な成分は、薬剤の使用やろ過により取り除いていきます。燃やした時に発生する排ガスの成分を連続的に測定して、薬品の量や燃焼条件を調整しています。
↑これは、排ガスと飛灰(燃焼ガスと共に巻き上がるススやチリ)を、直接外に排出せず、一旦巨大な装置でろ過しているところです。
排ガスは、最終的にクリーンな状態で煙突から排出しています。
煙突から出る白いモクモクは無害な水蒸気です。寒い冬に息が白く見えるのと同じ原理で、温かい空気が外に出て、水蒸気が冷やされて水滴に変わって白く見えています。
⑤ 最後に、灰の処理はどうしてるの?
燃やされたごみは焼却灰となり、コンベヤに乗って灰ピットまで運ばれます。
ごみの中に金属が混じっていたりすると、このコンベヤに噛み込んでしまうこともあります。コンベヤの動きが止まっては大変なので、昼夜問わずすぐに取りに行っています。これが大変です!
灰ピットに集められた焼却灰や飛灰は、灰用のクレーンでトラックに積まれ、場外に搬出されます。
トラックで搬出された灰は、鳴海工場や民間事業者のもとで資源化して建設資材として有効利用したり、最終処分場で埋め立てたりしています。
以上が可燃ごみの処理の流れです。
―――落合さん、ご説明いただきありがとうございました。名古屋の可燃ごみは、このようにさまざまな工程を経て処理されているんですね。
ここからはインタビューをさせていただきます!!
落合さんにインタビュー
――運転を24時間対応で見守り続けるのは、どのような体制で行っているんですか?
4つの班で、日勤・夜勤を交代で勤務しています。
チームで仕事をする部署なので情報を共有することを心掛けています。設備が普段の状況と違うと知らずに作業をすると事故につながる可能性もあるので、チームでの共有が大切です。
――落合さんが仕事をする上で嬉しいと感じることはどんなことですか?
設備の不具合などが発生した際に、原因を予想し対策を講じて、それがうまくいくと、ホッと胸をなでおろしています。うまくいかないことも頻繁にありますが、予想や対策を他のチームと共有し、後日そのチームが解決できたといった報告を聞くのもとても嬉しく感じています。
――どんなところにやりがいを感じますか?
ごみ処理事業は市民の皆さんからすると円滑に行われて当然であり、注目を浴びるとすれば、故障が発生した時など、あってはいけないことが起きた時だと思います。私は直接市民の皆さまと接することはありませんが、市民の皆さまの生活を陰で支えているというやりがいを日々感じながら業務を行っています。
――名古屋に住む皆さまに、伝えたいことはありますか?
名古屋市の収集車や工場などの処理施設において、ごみに入っていたモバイルバッテリー、充電式家電、スプレー缶類などが原因と思われる発火事案が、令和5年度は約240件起きました。これらのほとんどは大事にならずに消し止められていますが、過去には工場の大火災に発展したこともあります。
危険であることはもちろん、もし大火災に発展すると、その間ごみの処理ができなくなったり、莫大な補修費用がかかったりと、大きな損害となってしまいます。市民の皆さまにはこれからも適切な分別をお願いしたいです。
また、可燃ごみの焼却処理は、ごみの容量を小さくするばかりではなく、病原菌を殺菌することができる衛生的な処理方法ですが、名古屋市は最終処分場を十分に確保できないという大きな課題があります。
今ある処分場を次の世代に繋げていくために何をしなければならないのか、市民の皆さまと共に考え続けていきたいと思っています。
――やはりきちんとした分別が大事ですね
そうですね、普段からごみを捨てるたびに全ての分別ルールを確認するというのは中々難しいと思いますが、アプリなどで手軽に調べることもできます。例えば電池など、このまま捨てていいのか疑問を感じた時は、ぜひ活用してみてください。
(落合さん、ありがとうございました)
分別方法を確認してみましょう!
カセット式ガスボンベ、モバイルバッテリー、ハンディファンはどう捨てる?
カセット式ガスボンベは…
中身を使い切って資源袋に入れ、可燃ごみの日に出します!
モバイルバッテリーは…
セロハンテープなどを貼って絶縁し、無色透明の袋に入れて、プラスチック資源の日に出します!
ハンディファンは…
総合スーパー、区役所、環境事業所等に設置している「回収ボックス」に入れます!
回収ボックス設置場所などについてはこちらから
このまま捨てていいのかな?と迷うことがあれば、ぜひこちら▼の「さんあ~る」を活用ください。
資源・ごみの分別に悩んだことはありませんか?分別アプリ「さんあ~る」で便利に!
分別方法を手軽に検索したり、資源やごみの収集日をお知らせする機能がついたスマートフォン用アプリです。ぜひご利用ください。
また、ごみ減量・資源化ガイドにも分別方法が書いてあるのでぜひご確認ください。
分別について何か気になる点がありましたら、環境局作業課までご連絡ください。(☎ 052-972-2385 FAX 052-972-4133)
取材を終えて…
自分が使い終わったものを、ごみ箱に捨て、ごみ袋に入れたら排出場所に出して…、もうその頃には私にとって無関係に感じていて、その後の処理に意識を向けることは今までありませんでした。
当たり前に処理されるごみには、多くの手間がかかっていることを知り、この暮らしのありがたみを感じることができた取材となりました。また、自分が安易に捨てたものが火災を招いてしまうかもしれないという可能性や、環境への影響についても考える機会となり、ごみの処理について改めて意識を向けて暮らしていきたいと感じました。
落合さんのようなやりがいと使命感を持って仕事に取り組む職員がいることに、大切ななごやのチカラを感じました!
それではまた!
(お知らせ)
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