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皆さんは「アール・ブリュット」ってご存じですか?

美術に関心のある方はもちろん、そうでない方も、「アール・ブリュット」という言葉だけは耳にしたことがあるかもしれません。最近ではバッグや雑貨、インテリアなどにも「アール・ブリュット」のデザインが用いられることも多くなり、生活の中で目にする機会も増えてきています。

「アール・ブリュット(art brut)」とは「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、1940年代にフランスの画家であるジャン・デュビュッフェが提唱したものと言われています。芸術に関する専門教育を受けていない作家による作品を指す意味で使われており、日本では特に障害者による芸術作品を指すことが多いようです。

文字どおり素直な感動を味わえる素敵な作品群であり、音楽や絵画、舞台と作品の形態は様々ですが、年齢や性別はもとより障害の有無を超えた感動を味わうことができます。

愛知県でも、「あいちアール・ブリュット」と題した活動が、本市を含む県内各地で盛んに行われています。
この「あいちアール・ブリュット」とは、「愛知県内の障害のある人の芸術・文化活動を通じて、障害のある方の社会参加と障害への理解が深まり、障害の有無を越えた交流が広がることを目指す活動(あいちアール・ブリュットPotal Siteより)」であり、展覧会や企業、障害福祉事業所等と連携したイベントなどを開催しています。
美術館だけでなく、公共施設や企業などでも様々な作品が展示され、街中やオフィス、生活の場でもその輝く魅力に触れることができる機会が年々増えてきています。

そしてこの度、あいちアール・ブリュットの活動の一環で、私たちの働く名古屋市役所にも…

ということで、今回は「あいちアール・ブリュット展」で過去2回優秀作品に入選された経験もある、本市在住の画家である酒井宏希さんの作品が杉野副市長室に飾られましたので、作品の魅力などをご紹介します。

<作品の前で記念撮影(左:杉野副市長、中央:酒井さん、右:親御様)>

令和5年1月10日に酒井さんとご家族が杉野副市長を訪問されました。
対談の中で、酒井さんからは普段の創作活動の様子のほか、仕事や趣味のことなど、たくさんのお話を伺いました。

今回、飾られた作品は「起宙」(おそら)と題した高さ約1mの大作です。
繊細な筆遣いでありながら、大胆な構図と優しい色使いが魅力のとても素敵な絵画です。

<作品「起宙(おそら)」>

酒井さんより、「ビッグバン、アンドロメダ大星雲、朝顔が題材になっている」とのお話を伺いました。
この作品に使われている、柔らかいオレンジやピンク系の色合い、水色は、酒井さんのお好みの色だそうです。

普段は、大小様々なサイズの絵画に取り組んでいらっしゃるとのことでしたが、大きな作品はやはり大変な作業になるようで、畳1畳ほどのものになると完成までに1年程度はかかるとのことでした。

今は、魚を題材にした作品に取り組んでいらっしゃるとのことで、「大変ですが頑張って描いている」と、楽しそうにお話されている様子から、傍で控えていた私ども市職員も完成がとても楽しみになってまいりました。

<杉野副市長、酒井さん、親御様、県・市職員を交えての対談の様子>

残念ながら、副市長室に飾られた今回の作品は、直接市民の皆さまにご覧いただくことは難しいのですが、あいちアール・ブリュットPotal Siteでは、酒井さんの作品をはじめ、多くの作品がweb上で鑑賞できる「web美術館」、アール・ブリュットに関連したイベント情報など、様々なコンテンツが掲載されています。
ぜひこちらをご覧いただき、アール・ブリュットの魅力を感じてみてください。