2000日後に第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)開催!
名古屋市アジア競技大会推進室の小嶋です。
令和3年3月29日、今日は何の日かご存じですか?
今日は、「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」の開催2000日前なんです!
2026(令和8)年9月に、ここ愛知・名古屋で第20回アジア競技大会が開催されます!!
アジア競技大会推進室では、この第20回アジア競技大会の開催に向けた準備を進めています。
ただ、そもそも「「アジア競技大会」って聞いたことないけど?」←(もし「アジア大会」なら聞いたことある、と思われた方。正解です!)
「まだ2000日もあるのにもう準備してるの?」と思われる方も多いと思うので、今日は「アジア競技大会」ってこんな大会なんです、というあたりからお話したいと思います。
【オリンピックとアジア競技大会の関係】
さて、東京オリンピック開幕まであと少し、オリンピックについての話題が連日メディアでも取り上げられ、皆さんもよく見たり聞いたりされているかと思います。
何故いきなりオリンピックの話をしたかと言うと、後でもう少し詳しくお話しますが、アジア競技大会とオリンピックには深い繋がりがあるからです。
皆さんはオリンピックシンボル、いわゆる五輪のマークはご存知ですよね。
5つの輪は、ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、オーストラリアの5つの大陸の団結、さらに、オリンピック競技大会に世界中から選手が集うことを表現しています。
また、青、黄、黒、緑、赤の5つの色が使われていますが、この5色に旗の地の白を加えた6色があれば、世界の国々の国旗がほとんど描けることから、世界の団結を表すためにこの5色が使われています。
さて、ここからは本題の「アジア競技大会」についてお話ししたいと思います。
アジア競技大会の主催者はOCA(アジア・オリンピック評議会)という、IOC(国際オリンピック委員会)により承認された、非政府、非営利の国際的なアジアのスポーツ組織です。北はカザフスタンから南は東ティモールまで、西はレバノンから東は日本まで、アジアの45の国と地域が加盟しています。
OCAの憲法に当たるOCA憲章には「OCAは、IOCのオリンピック憲章に定められたオリンピックの原則を適用し、堅持する。」と明記されており、OCAとIOCは密接な関係にあると言えます。そのため、OCAが主催するアジア競技大会は、アジアの国と地域を対象とした、アジア最大のスポーツの祭典となっています。
ちなみに、IOCによって承認された国際的なスポーツ組織は、OCAを含めて、ONOC(オセアニア国内オリンピック委員会)、ANOCA(アフリカ国内オリンピック委員会連合)、EOC(ヨーロッパオリンピック委員会)、PASO(パンアメリカンスポーツ機構)の5つの団体があります。
【アジア競技大会の歴史】
次に、アジア競技大会の始まりについてお話します。
アジア競技大会が始まったのは第二次世界大戦後まだ間もない1951年。戦禍によって引き裂かれたアジア諸国の絆をスポーツを通じて取り戻したい、そんな平和への願いを込めて、第1回大会がインドのニューデリーで開催されました。
この第1回大会には日本も参加しています。57種目中24種目で金メダルを獲得し、参加11カ国の中で最高の成績を収めました。
インドのニューデリーで6競技、489人の参加者から始まったアジア競技大会ですが、2018(平成30)年のジャカルタ大会では、実施競技数が40競技(東京2020オリンピック競技大会は33競技)、参加選手数が11,300人(東京2020オリンピック競技大会は約11,000人(東京2020大会ガイドブックより))となり、今やオリンピックにも引けを取らない大規模な大会となっています。
【日本におけるアジア競技大会】
日本でも、これまでに2回アジア競技大会が開催されています。
1回目は、1958(昭和33)年に東京で開催された第3回大会です。
この頃の日本は、6年後の1964年の第18回オリンピック大会を東京に招致しようという動きが活発化していました。そこで、日本のスポーツ界は、東京でのアジア競技大会の開幕直前にIOC総会を開催して、東京に集まったIOC委員に、開会式をはじめ競技も観戦してもらうなど招致に向けた様々な活動を行います。そうした努力が実り、翌1959年、東京が1964年の第18回オリンピック競技大会の開催地に選ばれました。
この第3回アジア競技大会の成功が、東京オリンピック招致につながったと言われています。(NHKで少し前に放送された大河ドラマをご覧になっていた方なら、このエピソードはご存じかもしれません。)
それから28年後の1994年、日本で2回目となる第12回大会が広島で開催されました。
第1回ニューデリー大会以来、北京で開催された第11回大会までの開催地は、いずれも各国の首都で行われています。その意味で、広島で開催された第12回大会は、「首都以外の都市で初めて開催されるアジア競技大会」として注目されました。
この大会では、柔道48キロ級で谷亮子選手(当時は田村亮子選手)が金メダル、野球でも日本が金メダル、ハンマー投げでは室伏広治選手が銀メダルを獲得するなど、多くの日本人が活躍しました。
余談ですが、2010年に第16回大会が広州で開催された頃、名古屋は開府400年を迎え、この際、現在も名古屋のゆるキャラとして活躍する「はち丸」が誕生しています。
(※アジア競技大会とは無関係です。)
【愛知・名古屋2026大会について】
ここまで来るのに長々と書いてしまいましたが、アジア競技大会について何となく知っていただけた(と思う)ところで、いよいよ2026年に開催される愛知・名古屋2026大会についてご紹介します。
アジア競技大会の直近大会は、2018年にインドネシアのジャカルタ・パレンバンで行われた第18回大会ですが、この大会では、競泳の池江璃花子選手が50mと100mの自由形など6個の金メダルを獲得し、MVPに輝きました。日本選手団としても、史上2番目に多い75個の金メダルを獲得し、多くの日本人選手が活躍しました。
そして、来年の2022年には、第19回大会が中国の杭州で開催され、さらにその4年後の2026年には、待ちに待った第20回アジア競技大会がここ愛知・名古屋で開催されます。
≪大会期間≫
2026年9月19日(土)~10月4日(日)の16日間
≪実施競技≫
2024年のパリオリンピック競技大会で実施する32競技に加えて、アジア5 地域の競技(5競技)、組織委員会提案競技(最大2競技)、OCA提案競技(最大2競技)の合計約40競技を想定しています。
≪大会コンセプト≫
①アスリートファーストの視点
②既存施設の活用
③先端技術の駆使
④伝統と県民・市民性に触れるおもてなし
⑤アジア競技大会の開催を誇りに、さらなるスポーツ文化の普及へ貢献
の5項目を掲げています。
≪メイン会場≫
名古屋市瑞穂公園陸上競技場
名古屋市では、アジア競技大会のレガシーを踏まえたスポーツ振興の拠点として位置付けられることを目指して、瑞穂公園陸上競技場を整備します。2021年度から設計に着手し、2026年度までのオープンを予定しています。
[施設整備のコンセプト]
①競技者と観客の一体感を創出することで、アスリートが最高の力を発揮でき、
また、観客が本格的なスポーツを体感できる、夢と希望の空間となる競技場
②年齢や障害の有無などに関わらず、誰もが安全・安心で快適に利用できる競技場
③緑と水のうるおいある自然、史跡・古墳等歴史資源に恵まれた環境と調和した競技場
④モノづくり名古屋の最先端の技術を結集した競技場
陸上競技場改築イメージ
≪選手村≫
メイン選手村を2022年に移転予定の名古屋競馬場の敷地に整備する予定です。
大会では、名古屋にお越しになる選手はじめ大会関係者の宿泊施設やダイニング、医療施設といった利便施設などを整備した選手村をつくる必要があります。
本大会では、名古屋競馬場の跡地をメイン選手村として予定していますが、将来を見据えたまちづくりを考慮しながら、どのように整備するかについて、現在検討を進めています。
ジャカルタ大会の入村式
≪選手団(選手・チーム役員)≫
最大15,000人
東京2020オリンピック競技大会は約18,000人と聞いているので、アジア競技大会の開催時には、それと同じくらい大勢の人々が愛知・名古屋を訪れることになります。
≪開催意義≫
〇スポーツへの関心が高まることにより、スポーツに取り組む人が増加するといったようなスポーツの振興
〇海外の選手・関係者・観客へのおもてなしや大会に付随した文化イベントの開催を通じた国際交流の促進
〇多くの市民の方が大会の通訳、運営ボランティアに参加することなどによる大会開催を通じた人づくり
〇国外、国内の人々が、選手・関係者・観客などとして、この愛知・名古屋に訪れることによる交流人口の拡大
〇大会を通じた名古屋の魅力やモノづくり産業の発信による国際競争力の強化
などが挙げられます。
名古屋市では、このアジア競技大会を一過性のスポーツイベントで終わらせるのではなく、大会の開催効果をさまざまな分野につなげていくことが必要と考えています。
このため、大会終了後の2030年頃を見据え、アジア競技大会を契機として名古屋市がめざすまちの姿を明らかにするため、「2026アジア競技大会NAGOYAビジョン」を策定しました。
このビジョンでは、2つのコンセプト「夢や希望をはぐくみ、誰もが自分らしく生きる」と「アジアとともに歩み、更なる飛躍を遂げる」をもとに、大会を契機としてめざすまちの姿として、「1 健康・地域活力」「2 魅力・誇り」「3 国際交流・多様性」「4 イノベーション・持続可能性」の4つを設定しており、これらのめざすまちの姿を実現するための具体的な取り組みを掲載しています。
このように、アジア競技大会の開催がもたらす効果を様々な分野につなげていくことで、大会後のまちづくりに活かしていきたいと考えています。
≪エンブレム・スローガン≫
最後に、大会のエンブレム・スローガンについてご紹介します。
まず、大会エンブレムです。
スポーツのもつ躍動感を自由な曲線で描いています。さん然と輝く太陽(OCAシンボル)と、紫・金・緑で作り出される中央の直線は、人々が「ひとつ」に集い、未来へ向かう様を表しています。愛知・名古屋らしく、愛知県の花「カキツバタ」の紫と、「名古屋城」の「しゃちほこ」の金、そして、愛知万博、COP10、ESDユネスコ世界会議を通じて培われた環境への想いを表す緑で彩っています。
続いて、大会スローガンです。
「IMAGINE ONE ASIA(イマジン ワン エイジア)」、
日本語で「ここで、ひとつに。」です。
スポーツには、言語や文化、国境を越えて、人々を結びつける力があります。
第20回アジア競技大会では、スポーツが持つこの力を活かし、さらには、多様化が進む社会に生きる私たちひとりひとりが、それぞれの「ONE ASIA」を想像(IMAGINE)することで、絆を深め、未来へ向かって進んでいけるようにとの願いが込められています。
また、選手、ボランティア、観客など大会に関わる人々が、様々な時間や空間、体験や感動を共有し、ひとつになっていこうという思いも込められています。
【最後に】
今回は第20回アジア競技大会について、ざっくりと紹介させていただきました。
大会まであと5年とちょっとあるので、これからこのnoteでも第20回アジア競技大会について、大会の特徴や実施競技、競技会場や選手村のことなど、色々とテーマを変えながら情報発信していきたいと思っています。今回、本当に大まかなご紹介でもこのボリューム・・・。お伝えしたいことがあり過ぎて、5年で足りるか分かりませんが、是非2026年までお付き合いください!
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