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市政資料館の100年の歴史に迫る!~名古屋控訴院100年祭企画展「たてもの百年ものがたり」~

名古屋市公式note

名古屋市広報課の植木です。

1922年に建てられ、国の重要文化財に指定されている市政資料館は、今年で創建100年を迎えます。現在は、市の公文書等の閲覧や、館内見学などが可能な施設として名古屋市民をはじめ多くの方に利用されていますが、元々どのような施設として使われていたのかご存知ですか?
今回は市政資料館の魅力やその歴史、創建100年を記念して行われる企画展を紹介します。

市政資料館は建築が美しい!

市政資料館の外観は、正面中央にドーム型屋根をもつ塔屋(とうや)を配したネオ・バロック様式を基調としたレンガ造りとなっています。赤いレンガと白い花崗岩の色調の対比が美しい建物です。外観と中央階段室は国の重要文化財に指定されています。内装は、大理石で造られた中央階段や柱があり豪華で美しい造形となっています。

中央階段室
階段上から見た様子
中央階段室天井のステンドグラス
中央階段室の柱

この柱、一見大理石で造られているように見えますが、実は大理石は下半分のみなんです!上半分の模様はマーブル塗りといい、職人さんが大理石で造られているように見えるよう漆喰(しっくい)に描いたものになります。言われてみると、上と下で模様が少し違うような。触ってみると、冷たさの違いが分かりますよ。ただ、ぱっと見で上半分が大理石でできていないとは分からないくらい精巧に描かれていますね。

1922年9月に建築!100年前は「市政資料館」ではなかった!?

市政資料館の建物は1922年に、当時の司法省によって名古屋控訴院※・地方裁判所・区裁判所庁舎として建設されてから1979年に名古屋高等・地方裁判所が現在の場所に移るまでの間、中部地方の司法の中心として歴史を深く刻んできました。
※控訴院とは、旧憲法下で認められていた裁判所

創建当時の法廷を再現した展示室

当時の法廷で実際に使用されていた「時計」や裁判を傍聴する人の決まり事を記載した「傍聴者心得」なども市政資料館に保管されています。今回開催される100年祭の企画展では、普段見ることができないこれらのものも展示がされています。また、市政資料館内部には創建当時の裁判所だった頃の様子がうかがえる場所が他にもあります。

入り口歩いてすぐにある中央階段室。この階段を昇っていった先に大きなステンドグラスがあるのですが、

ステンドグラスには天秤が描かれており、天秤に載っている色の違う玉は罪と罰を均衡させるという、公正な裁判が行われることを静かに主張しています。

ちなみに中央階段室は、この景観を活かして写真撮影や結婚式にも利用されています。

また、一階には「留置場」も。被疑者は、裁判官や検事の取り調べのために、ここで一時的に収容されていたそうです。

常設展示室から歴史を見る

市政資料館3階には上で紹介した当時の裁判所を復原した部屋や、名古屋市の誕生から今に至るまでの歩みを紹介している部屋、創建当時の会議室を復原した部屋など常設の展示室があります。

この会議室は、長い歳月の中で幾度か内装が変えられたので残された文献や当時の写真、聞き取り調査などを手掛かりとして創建当時の姿に復原したものです。部屋の中央にはシャンデリアが吊るされ、床には花柄模様の絨毯が敷かれ、机や椅子なども忠実に再現されています。シャンデリアは、付け根の部分まで技巧が凝らされていて、大変見ごたえがあります。

会議室
会議室内のシャンデリア

他にも、名古屋市の歴史が展示されている部屋があります。

常設展示室

この部屋では、名古屋市がこれまでどのような歴史を歩んできたのか、写真・パネル展示・資料などで説明がされています。今ではなかなか目にすることができない、昭和時代に使用されていた切符なども展示されており、来館されたお客様も懐かしんで展示を見ている様子が印象的でした。

個人的に最も興味をひかれたのはこちら

今年の8月1日に創業100周年を迎えた「名古屋市営交通」。そのちょうど50年前に作られた「市営交通50周年記念文鎮」。50年前は、文鎮を日常生活で使っていたのでしょうか。お手紙を書く時には毛筆が使われていたのでしょうか。当時の生活の様子を表していて大変興味深く思いました。

名古屋控訴院100年祭企画展「たてもの百年ものがたり」(~9/19)

今回の企画展では、市政資料館の設計図面や創建当時の写真などの展示(第二展示室)や、創建当時の建築資材を展示(第三展示室・1階倉庫)します。また、ドローンで撮影した映像の上映も行います。実際に企画展を訪れ、その様子も撮影してきました!一部公開しますので、ご覧ください。

こちらは、1階倉庫に展示されている建築資材なのですが、何だか分かりますか?

正解はこちら、、、!

天井に吊るされているシャンデリアの付け根部分になります。

また、上でも紹介した「傍聴者心得」がこちら、黒板のような見た目で、白字で心得が書かれています。この「傍聴者心得」には、「下駄履きのまま法廷へ入ってはいけません」など、当時の生活がうかがえるような注意書きもあり、見ていて面白いです。

今回の企画展で個人的に最も興味をひかれたのは、こちら

こちらは市政資料館の設計図面です。よく見ると、最初に書かれた設計図(主にドームの部分)から少しずつ建物のデザインが変わっているのが分かりますでしょうか?私は最初見たときに、設計の構造上何か問題があってデザインが変わっていったのかな?と思ったのですが、これは、当時の流行を取り入れるためにデザインを変更していったそうです。建物としての美しさを追求した当時の設計者の気持ちが、この設計図からも伝わってきます。

市政資料館内部から見たドーム部分

おわり

今回市政資料館が創建から100年たった今も、国の重要文化財に登録されるほど美しい建物として現存しているのは、当時の職人さんの細部へのこだわりがあってこそなんだと感じました。
創建当時の建築資材や設計図面などが公開される名古屋控訴院100年祭企画展「たてもの百年ものがたり」は、9/19(月・祝)までの開催なので、興味を持たれた方はお早めに。
また、企画展以外にも謎とき企画など100年祭のイベントを各種開催しています。創建から100年の節目の年に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?建物の美しさにきっと皆さまも魅了されるでしょう!

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