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なごやのチカラ/献血ルームをクローズアップ 広報なごや9月号

広報課の小室です。今回広報なごやシリーズ「なごやのチカラ」で取り上げたのは、栄献血ルームの土下さん。行政と共に名古屋を支える人、行政で働く人をクローズアップし、名古屋のチカラの源を紹介します。

献血にご協力ください
血液は多くの病気の治療や救命に欠かすことのできないものですが、人工的に造ることができないうえ、長期保存することができません。多くの方のご協力が必要です。


今回お話を伺ったのは、栄献血ルームの土下 絵美(つちした えみ)さん。

栄献血ルーム 看護師 土下 絵美さん
献血ルームの看護師として5年ほど勤務。主に採血業務を担当している。

■栄献血ルーム 基本情報
名古屋市中区栄3-15-33 栄ガスビル9F
電話:052-242-7030
・アクセス:
 地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車、サカエチカ6番出口より、徒歩約5分
 地下鉄名城線「矢場町」駅6番出口より、徒歩約1分
・受付時間
 400mL・200mL献血 10:00~17:45
 成分献血 10:00~17:00
・休日:
 年中無休(12/29~1/3を除く)

献血Web会員サービス「ラブラッド」もしくは電話にて事前予約することでスムーズに献血することができる。
↓詳しくは献血Web会員サービス ラブラッド
https://www.kenketsu.jp/Login

(以下―は小室が発言、回答は土下さん)

―土下さんが献血ルームでのお仕事を始められてからどのくらいになりますか。
 
勤務をしている期間としては5年ほどになります。 

―献血ルームのお仕事の中で、印象に残っているエピソードなどはありますか。
 
献血者の方に覚えていただき、「今日もありがとう。いつも頑張ってるね」と声を掛けてもらえた時はとてもうれしかったです
 
―顔を覚えられるくらい何度も献血に来る方は多いのでしょうか。
 
そうですね。献血者の健康のために、一度献血した後は次に献血できるようになるまである程度の期間を開けるのですが、成分献血はその期間が2週間なんです。栄献血ルームでは成分献血をされる方も多いので、2週間ごとに来てくださる方も多い印象です。
 
―月に2回のペースだと、自然に顔も覚えられそうです。
―献血ルームでの仕事の中で、大変だったことなどはありますか?
 
やはり太い注射針を刺すことです。献血で用いる針は、病院の採血などで使う針と比べても太いんです。病院で勤務していたころはここまで太い針を扱う経験がなかったので、慣れるのに少し時間がかかりました。
 
―そんなに太い針なんですね。
 
採血する血液の量も違うので、針も違っています。健康診断の際の採血と比べると採血する血液の量は多いのですが、この針のおかげで採血にかかる時間が短く済むんです。
 
―過去に献血した時には、健康診断の採血で使うような針と同じものだと思っていました。それだけ太い針で違和感を感じなかったのは看護師さんの技術のおかげかもしれませんね。私が鈍感なだけの可能性もありますが…
 
―コロナ禍では献血者の減少が話題になっていました。その時とは状況も変わってきていると思いますが、現場で働いていて、そういった雰囲気の変化は感じますか。
 
コロナ禍のさなかでは、栄の街を歩いている人自体が減っていくのを実感していました。それに伴って献血に来てくださる方も減ってしまい戸惑いを感じました。

栄ガスビルに掲示されている栄献血ルームの看板

―予約なしで近くに来たので立ち寄る、という形で献血に来る方は多いのでしょうか。
 
そうですね。献血ルームの前で職員などが献血の呼びかけなどもしていますし、それを見て立ち寄っていただく方も多いと思います。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で人通りが少なくなった時は、街頭に立っていても呼び掛ける相手がほとんどいなかったので、通りがかりで献血してくださる方も少なかったのだと思います。
現在は街中に人通りが戻りつつあるので、これから献血に来て下さる方が増えていくと期待しています。

栄ガスビル前にはイベントのお知らせなどが掲示がある。
取材時には「えびせんべいガチャ抽選会」(後述)の紹介がされていた。

―献血に来る方の数も戻ってきていると感じますか?
 
一番人通りが少なかった時と比べると、数としては戻りつつあるように思います。
ただ、次第に病院も通常の体制に戻りつつあり、コロナ禍では一時止まっていた治療や手術が再開されています。それに伴い血液製剤の使用量は増えていて、輸血用血液の必要性も高まってきています
 
―供給が回復するのと同時に需要も増えている状況があるのですね。
 
そうです。高まっている需要に応えるためにも、引き続き多くの方の協力が必要です。
献血ルームの近くに来た際や、街頭での呼びかけを見た際には、献血に来て下さるとうれしいです。
 
―ルームには献血に慣れた方から初めての方まで、色々な方が来ると思いますが、日々のお仕事の中で気を付けていること、心掛けていることがあれば教えてください。
 
初めての献血などで針が怖くて緊張している方には、安心して献血が行えるように声掛けをしたりします。この後の予定を聞くなど、雑談の中でリラックスしてもらえるよう心掛けています。
栄献血ルームですとショッピングの途中で来ていただく方も多いので、「献血後に街歩きをするときは立ち眩みに気を付けてくださいね」など献血後の注意点について改めてお伝えしたりなどもしています。 

献血をする際には、冊子を用いて注意事項などについて一通り説明を受ける。

また、時には途中で気分が悪くなる方もいらっしゃるので、常に献血者の体調に気を配り、状況によっては採血の中止を提案することもあります。次回も献血に行きたいと思っていただけるよう、ひとりひとりに寄り添った対応を心掛けています

―若年層の協力がもっと必要だと聞きます。献血の現場から、まだ献血をしたことがない若い方に呼び掛けたいことはありますか。
 
まずは気軽に献血ルームに来てみてほしいです。何人かのお友達連れで来て下さる高校生や、デートの途中でいらっしゃるカップルの方など、若い献血者もたくさんいます。特に若い方だと、「初めて献血ルームに来る時に一人だと入りにくいので、友達同士で来た」という方も多いですね。
お連れの方が献血している間、先に献血を終えた方が献血ルームで提供しているお菓子やジュースを楽しみながら、寛いで過ごしていらっしゃることもあれば、グループの中に献血できない方がいた際は「みんなで一緒に献血したいので、今日は帰ります」という方もいらっしゃいます。

待合室の様子。飲み物自販機は無料で利用することができるほか、献血後にもらえるメダルをお菓子やアイスと交換できる自販機もある。

その日献血に繋がらなくても、献血ルームがどういう場所か知ってもらい、その結果献血ルームを身近な場所だと感じてもらえて、次の機会につながればいいなと思っています。
 
―確かに自分の経験を思い返してみても、最初のきっかけを作るのが一番ハードルが高そうです。
 
そうですね。そういったきっかけづくりのために、人気アニメとのコラボイベントや、お菓子のプレゼント企画など、市内の献血ルームでは様々なキャンペーンを実施しています。どのようなキャンペーンがあるのかウェブサイト(https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/aichi/cat916/index.html)で紹介しているので、気になるイベント・キャンペーンを見つけていただき、初めての献血のきっかけにしてもらえればうれしいです。

ルーム内の掲示板でも開催中のイベントが紹介されていた。
現在実施中のキャンペーンは愛知県赤十字血液センターのウェブサイト(https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/aichi/cat916/index.html)で確認できる。

―最後に、市民の方に対してメッセージをお願いします。
 
名古屋市には献血ルームが栄献血ルームをはじめ5施設あります。
栄献血ルームはアットホームな雰囲気が特徴ですし、大須万松寺献血ルームは若い方が多く、若者向けのキャンペーンを多く実施しています。窓から見える景色が魅力の献血ルーム タワーズ20・献血ルーム ゲートタワー26や、名古屋では唯一商業施設の中にあり、身近で立ち寄りやすい献血ルーム フォレストなど、それぞれの献血ルームに特色があるので、献血ルーム巡りを楽しみながら献血にご協力いただけると幸いです


■栄献血ルーム 直近のイベント「えびせんガチャ抽選会

えびせんガチャ抽選会のチラシ

当日ガチャガチャで“あたり”が出たら、えびせんべい詰め合わせ「ミックスボックス」をプレゼント!
・期間: 9/1(金)~9/29(金)の平日
・対象:予約して献血できた方
 ※予約方法:「Web」または「電話」052-242-7030にて受付
 ↓Web予約は「献血Web会員サービス ラブラッド」から

 https://www.kenketsu.jp/Login

その他のイベント情報は愛知県赤十字血液センターのウェブサイト(https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/aichi/cat916/index.html)から確認できる。


【おわりに】

今回、土下さんにお話を伺って改めて感じたのは、献血に来た方の体調に対する真剣な姿勢です。温かい気遣いだけではなく、安全に献血を終えてもらうことへの強い責任感を感じることができました。
また取材にあたって献血前の事前検査のための採血の様子を見せていただいたのですが、土下さんの手際が良すぎて記事に使えそうな写真が撮れる前に作業が終わってしまうなどの一幕がありました。献血に携わる期間で培われた高い技術力を実感します。こうした方々の尽力によって、血液事業が支えられているのだと思います。
看護師さんはいのちに関わる仕事を支える、大切な「なごやのチカラ」だと感じました。

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