見出し画像

歴史はっけん!自然いっぱい!天白エリア#なごやを歩こう~広報なごや6月号~

広報課の執行です。今回は、広報なごや6月号掲載の「なごやを歩こう~天白エリア編~」をレポートします。紙面に載せきれなかった魅力いっぱいの天白エリアを紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 最初に目指すのは御幸山(みゆきやま)公園です。地下鉄「塩釜口」駅が最寄りの駅ですが、今回は、「古い石柱や石板がみたい!」という個人的な理由から地下鉄「八事」駅で下車してスタートします!

【石柱(せきちゅう)・石板(せきばん)】

地下鉄「八事駅」と「塩釜口」駅にの間にあるエリア一帯には合計10以上もの寺社があり、かつて広大な敷地を誇った寺院への道しるべである古い石柱や、地蔵道(しまだへ通じる旧道)の石板が残っています。

八事駅周辺の地図(天白歴史探訪マップより)
高照寺(地図①)への道しるべ
善光寺(地図②)への道しるべ
地蔵道の石板

  昔の人たちはこの石柱や石板を道しるべにして歩いていたんですね。

 さて、八事の八つの坂のうちの一つである「音聞(おときき)坂」から「御幸山(みゆきやま)公園」に向かいます!
ちなみにその他の7つの坂の名前は、山手坂・石屋坂・塩釜坂・天道坂・雲雀坂・参道坂・大学坂だそうです。

 かなり傾斜のある上り坂です!写真では傾斜の角度が伝わりませんね(涙)

 上ったと思ったら、すぐに下り坂です・・・

  坂道は険しかったですが、途中の花々に癒されながら歩きました!

 【御幸山(みゆきやま)公園】

音聞山にあるこの地は、平安の頃より年魚市潟(あゆちがた)を望む景勝地として有名だったそうです。年魚市潟は、市の大半が海や干潟だったころ、鳴海から熱田にかけての干潟の総称です。ちなみにこの「あゆち」が、「あいち」に転じて「あいち」という地名の由来となったとされています。

 公園の入り口には、明治天皇と大正天皇が陸軍演習を統監された際に御野立所(主に天皇が野外で休憩された場所)となったことを記念して建てられた碑があります。

 公園からの景色です。木々の向こう側に街並みが見えます。

 【塩竈(しおがま)神社】

塩竈神社は、弘化年間(1844~48)天白村の山田善兵衛(やまだぜんべえ)氏が宮城県の塩竈神社から分霊を賜り、奉祀したことに始まります。潮流を司る海路の神様ともいわれ、出産は潮の干満に関係していることから、安産の守護神として信仰されています。
私自身も十数年前の戌の日に安産祈願で訪れました!

 鳥居から続く階段には色付く前のもみじの木々や、途中には藤棚もあります。ここはフジやサクラなどの名所でもあるそうです。秋色に染まるもみじもきっと風情があるはず!

 【八事(やごと)神社】

塩竈神社から少し坂を下ったところには八事神社があります。
八事神社は、明治43年(1910)に村内3カ所の神社が合祀された神社です。

神社の前には古道が残っていて、歩くと「どこに通じる道なんだろう」といった不思議な感覚になります。

  八事神社では毎年7月中旬に天王祭が行われますが、昔、天王祭が行われた際、村の若者が力試しで持ち上げたという「力石」が境内にはあります。その重さはなんと137.25㎏もあるそうです。

見るからに重そうな石!

  【寄鷺橋(きりょうはし)】

音聞山から南へ徒歩約11分の場所に、天白川にかかる寄鷺橋があります。この橋は、東海地方では珍しいニールセンローゼ型(アーチ型の橋の1種)のつり橋です。寄鷺橋から沈む夕日がとても綺麗に見られるそうなんです。この橋から見る風景はのどかで、川のせせらぎもかすかに聞こえてきます。

 春には川の沿岸にサクラが咲きます。

  次は、夕日が沈む時間帯に来てみたい!と思いました。

 【植田八幡宮(うえだはちまんぐう)】

地下鉄「植田」駅から徒歩約5分の場所にある植田八幡宮は、なんと約1,500年前の古墳時代中期の前方後円墳の上にあります。7月の海の日には、「夏祭り 輪くぐり神事」という、葦(あし)の輪をくぐることで疫病を祓い健康祈願をする神事が行われます。
 東鳥居から入って境内を散策すると、大鳥居の前に反り橋があります。

 横から見ると角度がすごいんです!!

 この角度の橋だとなかなか渡るのは難しそうですね。
本殿と参集殿の間には「献燈(けんとう)」があります。

  この献灯は自然石を組み合わせて作られているそうです。写真ではなかなか伝わりにくいのですが、近くで見るとその大きさに圧倒されます。ぜひ、みなさんには、近くで見ていただきたいです。

 【針名(はりな)神社】

自然豊かな天白エリアですがその自然の中にあるのが「針名神社」です。平針駅から徒歩約15分の場所にあります。境内の広さは約1万坪で、市内でも有数の広さを誇ります。7月に行われる天王祭には多くの人が訪れ、平針の夏の風物詩となっています。

 社には木々に囲まれた参道を抜けて行きます。針名神社では、メジロ・シジュウカラ・ヤマガラ・エナガ・コゲラ・シロハラなどの野鳥が見られるそうです。
参道を抜けるとスギの木が林立しています。

名古屋市指定保存樹の最大の杉として指定されているスギの木
御縁木(ごえんぼく)

左が檜(ヒノキ)で右が杉です。同じ根から仲睦まじく生えているので、縁結びのご利益があるといわれています。

みちびきの牛

  牛の頭をなでた手で自分の頭をなでると、頭が良くなるという言い伝えがあるそうです。私はうっかり、自分の頭をなでるのを忘れてしまいました。
緑に囲まれている神社のため、深呼吸をすると新緑の匂いに包まれて体全体が浄化されるような気持ちになることができます。

【細口池(ほそぐちいけ)公園】

針名神社から徒歩約12分の場所に「細口池公園」があります。公園にはひょうたん型の池があります。

  池の周りにはきれいに整備された遊歩道があります。この日は、何人かウオーキングをしている人をみかけました。早速私も歩いてみることにします!

 本当にひょうたん型の池なのか疑っていましたが、途中で看板を発見しました。見ると、やはりひょうたん型の池のようです。この公園は、春にはサクラとスイセンが楽しめるようです。

  歩いていると途中で下の写真のような表示を発見しました。どうやら遊歩道に設置されているようです。池の外周は540メートルだそうですが、自分が何メートル歩いたのか目安にできそうです。

 遊歩道の途中にはベンチもいくつかありました。途中で休憩したり、ゆっくりと公園の景色を眺めるのもいいですね。

  歩いていると鳥が池を泳いでいました。公園の中でいろんな景色が楽しめるのも魅力の一つです。

 そのほか、バスケットコートやユニバーサルデザインの遊具、健康器具などがあり幅広い年齢層が楽しめそうな公園でした。

 【島田湿地(しまだしっち)】

細口池公園から徒歩約11分で、島田緑地に到着します。

 私がこの公園を訪れたとき(4月22日頃)は、公園の周りを取り囲むように「なんじゃもんじゃの木」の花が満開でした。

 公園の奥に島田湿地があります。この湿地は尾張丘陵の南部に位置し、周囲をマツ・コナラ・アベマキなどの樹木に囲まれた、標高約60メートルのなだらかな丘陵地帯にあります。この湿地に生息する「シラタマホシクサ」は、世界中でも東海地方の湿地にしか生息しない植物です。この花は、夏の湿地を埋め尽くすように咲くそうです。また、世界最小のハッチョウトンボも生息しています。

湿地

 この湿地景色が夏になると「シラタマホシクサ」でいっぱいになります。

1円玉と同じサイズのハッチョウトンボ

 この日見られたトンボは、「シオヤトンボ」!青色がオスで、黄色がメスだそうです。下の写真に写っているのはオスです。

 きらきらと光に照らされて輝く水面の下には、なんと「メダカ」がいました!

 島田湿地は、保全区域と再生区域に分かれていて、再生区域のみ4月~10月の土曜日・日曜日・祝日に公開されています。入れない日もありますので訪れる際は気を付けてくださいね。

 普段は立ち入りできない保全区域に入って、希少な生物を観察する自然観察会が開催されます。ぜひ、体験してみてください。
 詳細はこちらから

今回は、天白エリアを歩いてたくさんの魅力に触れてきました。天白エリアには、まだまだ紹介しきれない魅力ある場所がたくさんあります。
皆さんも天白エリアを歩いて、自分だけのお気に入りスポットを見つけてください。

豊かな自然を生かした散歩道を紹介している散歩道「天白プロムナード」もぜひご覧ください