見出し画像

BMXの魅力!レジェンド勅使川原正太郎さんに聞く~なごやスポーツ応援団~

こんにちは。広報課の児玉です。
突然ですが、皆さんスポーツはお好きですか?
見るのが好きな人、するのが好きな人、応援するのが好きな人、いろいろな方がいらっしゃるかと思います。
 
名古屋では、さまざまなスポーツの国際大会が開かれたり、名古屋を拠点とするたくさんのスポーツチームがあったり、スポーツを応援する楽しみがたくさんあります!
 
名古屋市広報課では、これから広報なごやで「なごやスポーツ応援団!」と題し、スポーツチームやスポーツで活躍する人たちを取り上げて紹介していきます。

あなたの好きなスポーツチームやスポーツ選手が登場するかもしれません!
普段スポーツを見ない、しない人も、気になるスポーツを見つけて、ぜひ楽しんでください♪
 
今回は初回となる広報なごや9月号の掲載についてです。11月に名古屋でBMXの世界大会が開かれるのに向けて、長年BMXの世界で活躍されている勅使川原正太郎さんをご紹介します。(-部分は児玉が質問)

インタビューの様子

 勅使川原 正太郎(てしがはら しょうたろう)さん、1972年名古屋市南区生まれ。自転車屋を経営する父のもとに生まれ、幼少期から自転車に囲まれて過ごす。4、5歳の頃、父がアメリカから輸入したBMXに出会い、兄と共にBMXを始める。10歳の頃、テレビ番組でフリースタイルを披露し、審査員特別賞受賞。1994年 全日本freestyle contest フラットクラス優勝、2000年 フランスパラヴァスFISE festival International STREET Pro10位など

BMXとは
Bicycle Motocrossの略。特定の自転車を使用した競技で、大きく分けて速さを競う「レース」と技を競う「フリースタイル」がある。

―BMXを始めてからこれまで、印象に残っていることを教えてください。

幼いころからBMXを始め、レースやショーで活躍 

当時は大きな大会はなく、名古屋市内の少年たちが集まってレースをしていました。その後、レースに出ると待ち時間が長く、その間に何かできないかという発想で生まれたフリースタイルを始めました。10歳のときに出演したテレビ番組で、フリースタイルを披露して審査員特別賞をもらったこともあります。そこから一気にブレイクしましたね。
 
そのころはさまざまなレースに出ていたんですが、BMXを知らない人にも、もっと見てもらいたいという思いもあって、ストリートパフォーマンスを行うようになりました。

BMXで車を飛び越える大技!!

20代後半だったか、ドキュメンタリーのビデオを作るため、ヨーロッパツアーにも行ったことがありましたよ。
 
BMXをやりながら、一度会社員になったこともあったのですが、けがをして働けなくなる期間もあり、結局自転車屋さんを継ぐことになりました。

勅使川原さんが経営するマツイサイクルにて

 その後も、レースに出ながら、大手自動車メーカーのCMに出演してパフォーマンスをしたり、アミューズメント施設でショーに出演したり、さまざまな活動を行ってきました。

 ―BMXの特徴を教えてください。

激しく!速く!壊れない!体の一部のように扱えるBMXの魅力

普通の自転車と違ってBMXはハンドルの幅が広い。あと立って乗るスポーツなので、 乗馬に近い感覚かもしれません。腰を上げて立ちこぎするのが基本です。あと、ハンドリングがクイックで、速さが魅力の一つです。
 
初めて乗る人からすると、ハンドルが固定されていないので、バタつくというか、バランスが難しいスポーツでもあります。でも、乗ってしまうと、体の一部になるぐらいの吸いつき具合があります。自分の体の一部のようにBMXを自由に扱えるようになるのも魅力ですね。

マツイサイクルに並ぶBMX

 BMXの特徴として、頑丈さもあります。いろんな自転車を壊した少年たちが最終的に乗るのはBMXですね(笑)。あと、飛べることですね。マウンテンバイクにしろ、ロードバイクにしろ、飛ぶ人はいるんですけど、BMXの場合は衝撃を吸収するサスペンションがないから、自分の力で持ち上げるしかないので、そこが魅力です。ジャンプするだけではなく、練習すれば横回りも、縦回りもできるようになりますしね。
 
BMXを観戦する機会があれば、そういったアクロバティックなところや、激しさを見てもらいたいです。
 
―BMXの魅力はどんなところですか?どんなポイントを観戦してもらいたいでしょうか?

飛んだ時の恐怖感、技が決まった時の達成感

ライダーの視線になってみるとまた面白いかもしれないですね。
ヘルメットについているカメラの視点で、自分がジャンプ台に向かって走り込んで、ジャンプした時の高さなんかをイメージしていただくと、面白いかもしれません。その恐怖感はやっぱり、やってみないと味わえないと思います。

車の上をジャンプ!!

 あと、 技が決まった時の達成感が一番楽しいですね。BMXをやっている人なら誰でも、その達成感や楽しみがあって、 技がうまくなると思います。「楽しい」が続かないと、やっぱり魅力として続かない。
 
一つの技ができると、次のステップ、次のステップと進んでいくのも楽しいです。まずは空中で真っすぐジャンプしてハンドルを1回回す。それが普通にできるようになると、2回、3回と回すように。それができるようになると、360度回っている間にハンドルを回すなど、どんどん次の技につながっていくんですけど、それが面白い。
 
全身を鍛えられるのも魅力です。
BMXは全身を使うスポーツです。普通のスポーツだと足が鍛えられる、腕が鍛えられるなど特徴があると思うのですが、12キロもある車体を自由自在に扱わなくてはいけないので、足周りはもちろん、腕周り、肩周りも、すごくいい体つきになります。
 
競技は危険ですので、ヘルメットは絶対!「ストリートスポーツだからヘルメットは被らない」っていうのはもうなし。マスト。大事ですね。
 
―ご自身の得意技は?

バックフリップをしながら車を飛び越える爆発的な技

30歳ごろ、「車飛び」と言って、誰もやっていなかったことを始めました。
自分の車を乗り付けて、その車を飛び越えるというものです。バックフリップが得意で、車の上を縦に回りながら飛び越える。ちょうど空中でぐるっと後ろ回りする感じですね。

グアムのショーでの車飛び!!

海外のショーなどに出ては、こういったパフォーマンスをいろいろとやっていました。これはグアムの車のショーに呼ばれたときのものですね。

 レースなどの賞はたくさんもらっていたので少し飽きてしまって、そういうパフォーマー的なことを始めて、並み外れた場所から障害物を飛び越えるとか、そういうことをやり出したんですね。「もう審査員、俺の点数つけんじゃねえ」ぐらいな、ちょっと爆発的なことやっていました。

勅使川原さんのパフォーマンスなどはInstagram_showtalowbmxから

―今まで一番気持ちよく技が決まったのは、どんなときですか?

ギャラリーの盛り上がりで自分も盛り上がる

やっぱりギャラリーが盛り上がらないと、自分も盛り上がらないですね。僕の場合、 誰も見てないところでは何も攻めない。何もやらないです(笑)。僕一人でこっそり乗るぐらい。
 
大パフォーマンスが決まるときは、声援がもう「わーっ」てなったとき。そんなときにスパークするというか、アドレナリンがガーンと出てすごい技が決まるんですよね。

多くのギャラリーに囲まれてのパフォーマンス

競技であれ、パフォーマンスやショーであれ、たくさんギャラリーがいると、盛り上がっちゃうんです。そして、なぜだかすごい技が決まっちゃうんですよね。

―今度11月に名古屋城で「CHIMERA A-SIDE BMX FLATLAND BATTLE 名古屋城編」が開催されますが、思いや期待などはありますか?

CHIMERA A-SIDE BMX FLATLAND BATTLE 名古屋城編

今回、名古屋城の前に第1戦が熊本であって、第2戦が7月頭に姫路城ですね。最後に名古屋城というので、自分にとってはすごく嬉しいです。
 
最後の最後にファイナルで名古屋に来るということで、私も出場するのですが、絶対決めたい技があります。なかなか根気よく練習ができていなくて、今までの技を維持するのが精一杯。その技は、当日まで秘密にしています。 何か大技が見られるかも!ぜひ皆さんも見に来てくださいね。

熊本の大会でパフォーマンスする勅使川原さん

 CHIMERA A-SIDE BMX FLATLAND BATTLE 名古屋城編
世界のトップライダーによる最高峰の大会が名古屋城にやって来る!「フラットランド」はフリースタイルの一種で、文字通りフラット(平面)の上で、ダンスのように技をつなげていく競技。
日程:11月9日(土)・10日(日)午前10:00~午後4:00
場所:名古屋城二之丸広場(中区)
料金:観戦無料(名古屋城観覧料必要)

―2026年にはアジア競技大会でBMXが競技種目となります。そのことへの思いや期待などを教えてください。

アジア競技大会への思い

めちゃくちゃ期待ばかりです。名古屋競輪場(中村区)にコースが来年完成する予定です。現在、知人が競輪場や中村公園の中で体験会をやっていて、そのお客さんたちがうち(マツイサイクル)のお客さんとしても来てくれて、競技人口が増えるのは単純にうれしいです。
 
今回フリースタイルをやる愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)(常滑市)は仮設のようですが、大きな大会であれば、できれば残るものを作ってもらえるとよいですよね。少年たちがそれを見て、次につなげられるように。

楽しそうにインタビューに答えてくださいました!

ちなみに、マツイサイクルでも体験会を開催していて、どんどん人が増えていますよ。子どもたちは、スニーカーと長袖、長ズボンがあれば参加できるので、もっとたくさん来てもらいたいですね。手伝ってくれる少年たちも増えてきているので、自転車で遊べる公園もたくさんできると嬉しいです。

マツイサイクル

 マツイサイクルの詳細はこちら
 
―ここからは、BMXをやってみたい!やっているという子どもたち向けにお話をお聞かせください。先ほど、5歳ぐらいから始められたということでしたが、どのような練習を、どれくらいしていましたか?

ぼくが小さいころは、小さいこぶを2個作って飛び越えるということをやっていましたね。中学の時には、お店の前に練習台が設置されてそこで練習していました。2mくらいのジャンプ台で、ぐるぐる回れるようにコースになっていました。そこで、チームが集まって練習していました。

練習台でジャンプ!

 小学3年生ぐらいの時に、当時名東区にローラーランドというすごい施設があって、2時間くらいかけてBMXに乗って行っていましたね。日本一のパークだったんですよ。もう今はないですが。フリースタイルの練習はその名東区で、レースの練習は大高緑地でしていました。
 
毎週のように父が店を休んで、チームメンバーを連れて大阪にレースに行ったり、東京にレースに行ったり。
 
―緊張して力を発揮できなくならないように、やっていることなどはありますか?
 
いまだに緊張は絶対します。なので、もう緊張を楽しむという前提で臨んでいます。緊張ばかりしていても先に進まないので、もうここまで来たら行くしかないっていう気持ちでやっています。
 
やっぱりテスト前の勉強も絶対必要ですけど、テストの当日腹痛をおこしてはダメじゃないですか。当日100パーセントの力を出すには、どうしても毎日練習を積み重ねないといけない。BMXも同じで、毎日の積み重ねが大切。1週間練習しないと、その技ができなくなってしまうという子もいますね。

熱く語る勅使川原さん

絶対に失敗しない技を持つこと、その技を増やすこと

あとは、この技だけは絶対に失敗しないっていう技を持つことです。100発100中できる技を、常に一つだけではなく、どんどん増やしていく。そうすれば100パーセントのトリックができると思うんです。そういう技をいくつか持っておくということですね。
 
―これまで大きなけが、失敗、挫折みたいなことはありましたか。

以前ジャンプの着地に失敗して、顔を大けがしてしまったことがありました。手術を受けて顔を固定されて、話ができない状態が3週間。何のために俺こんなことしてるんだ…みたいな気持ちになってしまって。
 
―そこからどうやって立ち直ったのでしょうか?
 
入院中、結構仲間が来てくれて、「正ちゃんどうしたの?」「やっちゃったんだよね」みたいな話をして。「こんな大けがを乗り越えたから不死身だね」なんていう会話をしていると、気持ちが自然と戻ってきちゃう。
 
そうこうしていて、自転車の動画を見たりすると、乗りたくなってきちゃう。という感じでしょうか。
 
―それほどまでにBMXに魅了されているんですね!最後になりますが、今BMXをやってみたいと思っている子どもたち、競技者を目指したいと思っている子どもたちに、メッセージをお願いします。 

BMXで世界中に友達が!プロライダーになれば有名人!

ただBMXに乗っているだけで、世界中に仲間ができますよ。友達がめちゃくちゃ増えます。
競技人口が少ないので、BMXを持っているだけで、世界中で会話ができる!同じトリックをやってみたり、トリックの話をしてみたり。言葉が通じなくても、BMXで通じ合えるというのが一番面白いです。

お店の前でポーズ!

 うまくなればSNSで人気が出るライダーもいます。中には海外からスポンサーがついて雲の上の存在になったり、アメリカでプロライダーとして乗れたりとか、そういうチャンスもあるスポーツです。ぜひ一緒にBMXをやってみましょう!


以下もぜひご覧ください♪

勅使川原正太郎さんインタビュー動画
南区役所が2022年12月にインタビューしたものです。
BMXへの熱い思いを語っていただきました!

BMXの動画
勅使川原正太郎さんの息子勅使川原大地さん(プロBMXライダー)が登場!

南区民まつり2024 BMX体験教室&BMXショー
勅使川原大地さんが出演予定!
日程:11月17日(日)
<体験>午前9時30分から整理券配布
<ショー>午前11時50分から
場所:道徳公園 野球場(名古屋市南区)