知っているようで知らない図書館の仕事!熱田図書館の司書に聞いてきました。
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知っているようで知らない図書館の仕事!熱田図書館の司書に聞いてきました。

名古屋市公式note

名古屋市広報課の植木です。

図書館で働く司書の仕事について、皆さまどのくらいご存知でしょうか?図書館のカウンターで本の貸出・返却の手続きをしている仕事だ、と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、司書の仕事はそれだけではないんです。本を仲立ちに、人と人とを結びつける場所へと変化する図書館において、司書の役割も変わってきているんだそうです。
そんな司書の仕事について詳しくお伺いしようと、今回は熱田図書館にご協力いただき、司書の山下さん、上田さん、野々川さんのお三方にお話を聞いてきました。

【自己紹介】

(―は植木が発言)

―名古屋市で司書として採用されてから現在までについて簡単に自己紹介をお願いします。

山下:採用は1990年で、熱田図書館は今年で3年目です。鶴舞中央図書館では15年、その他にも港図書館、西図書館などで司書の経験をしてきました。名古屋市の司書として採用されると市内にある図書館の中で異動があります。各図書館、特色や地域性があるので、勤務先の図書館が変わるごとにその地域を知るために勉強をし直す必要があるんです。図書館には郷土の歴史を調べに来る方もいて、地名のことなども聞かれることがあるので、その方々の質問にも答えられるようしっかり勉強しています。特に熱田区は歴史があるので、たくさん勉強する必要があります。

野々川:名古屋市の司書として採用されて17年目です。楠図書館、鶴舞中央図書館、北図書館、今の熱田図書館で4館目です。今年、熱田図書館に異動してきましたが、熱田図書館は、明るい雰囲気でとても働きやすいなと思っています。

上田:名古屋市の司書として採用されて23年目になります。私は、書籍関係を経て、名古屋市に転職し、北図書館、鶴舞中央図書館、港図書館、南図書館を異動して今に至ります。熱田図書館では児童サービスの担当をしています。

左:植木 正面左:山下さん 正面右:野々川さん

【熱田図書館の特徴】

―色々と図書館を異動されてきたようですが、熱田図書館の特徴・ここが他の図書館と違う点はありますか?

野々川:支所と併設しているところはありますが、実は区役所と併設している図書館は名古屋市内では熱田図書館だけなんです。なので、区役所との連携事業が他の図書館よりも多いなと思います。今も熱田区役所が主で行っている謎解き企画の展示や塗り絵の配布・募集をしていますし、また、近年いきいき支援センター・保健福祉センターなどと事業をすることもあり、さらに連携が深まっているなという実感があります。おはなし会などの子どもの行事はどの図書館もしているんですけど、熱田図書館は、他の図書館に比べて、地域に関連した大人向けの講座を定期的に開催しています。街歩きをしながら、妖怪の話を聞くイベントだったり、蒲鉾屋さんを招いて、蒲鉾の歴史をお話ししていただいたり、熱田を知ってもらうための講座を月1回程度開催しています。

謎解き企画・塗り絵の配布(1/21まで実施)


―熱田図書館の利用者やイベントの参加者はどんな方が多いのですか?

山下:どの図書館にもいえることなのですが、熱田図書館も高齢の方に多く利用されていますね。「熱田空襲の時に私の親がこのあたりに住んでいたみたいなんだけど」ということで、何か資料がないかと探しにいらっしゃる方もいます。また、小さいお子さんを連れた親御さんにもよく利用していただいています。

野々川:日中働いている方はなかなか利用する時間が無いだろうなぁと思いますが、熱田図書館は熱田駅が近いので、お仕事帰りに寄られる方もいますよ。

【本の選定・展示について】

―若い方にも本を手に取ってもらえるような工夫などはされていますか?

山下:若い方へだけではありませんが、新しく入った本や、おすすめの本は表紙が見えるように配架しています。イベントも若い方に興味を持ってもらえるようなものを企画するんですけど、なかなか思うようにはいかないなぁというところが本音ですね。

野々川:今年、学習室の前に「ティーンズコーナー」というものを作りました!小説系よりも情報系の本の方が気軽に手に取ってもらえるかなと思って、進路情報・仕事紹介の本などを集めました。また、ティーンズコーナーの中で現在は「高校生ビブリオバトル愛知県大会」で紹介された本を展示しています。学習室に来られた方が、ちょっと足を止めて本を手に取ってもらえたら嬉しいです。

―図書館で購入する本はどのようにして選んでいるのですか?

山下:鶴舞中央図書館で月2回、購入候補の図書の中から各図書館の司書が1冊1冊を確認して購入する本を選んでいます。児童図書に関しては、しっかり読んで、評価をして購入する本を選んでいますね。また、本のリクエストも受け付けているので、それを参考にして購入しています。予算も限られています。自分が好きな本を買うわけではないんです。

野々川:良い本だけど、文字が小さくてお年寄りには読むのが大変そうだなとか、図録の写真が白黒で見づらいなとか、古い写真を使っているなと思ったものは購入を控えています。実際に本を手に取らないで、カタログで本を購入することもできますが、名古屋市は手間と時間をかけてでも、現物を見る図書選択をしています。

―本の表紙を向けて展示をしているものもありますが、そのような展示をする本を選ぶ基準などあったりしますか?

上田:読んでもらいたい本を置いていますね。貸出数が多いとかではなく、おすすめ度が高い本です。児童図書は、名古屋市図書館としておすすめしている本のリストを作っているので、そこに載っている本も表紙を向けて展示することもありますね。やはり背だけを向けて展示するより、表紙を向けて目に入る方が注目度が違いますよね。CDでいうとジャケ買い?みたいな感じで、本を手に取ってもらいやすくなると思います。

野々川:一般の本も表紙を前面に出しているものは、全部自分で読んだものではなくて、よく読まれている本とか、背だけだと他の本に埋もれてしまうけど、実は表紙がすごく素敵な本とかを選んでいます。

ーここまで話を聞いてみて、今まで私が持っていた司書のイメージと違うなと思いました。

山下:司書になった時は、図書館のカウンターで本の返却貸出の手続きをするのかなと思っていましたが、今言ったように講座の企画であったり、保健福祉センターなどに行って、図書館の宣伝をしたり、本の良さを伝えたり、ということが予想以上に多いんですよね。

【司書の仕事のやりがい】

―司書の仕事のやりがいについて教えてください。

上田:図書館へ小学生の方が見学に来てくれたり、小学校へ読み聞かせに行ったりすると、今の時代、魅力あるものがたくさん溢れている中で、子どもたちは、「この本面白かった」「これ読んでみたい」など目を輝かせて言ってくれるんです。そういう本の魅力を子どもたちに伝えられるというのはやりがいですね。また、図書館は、本を読むところというイメージがあると思うんですけど、少しずつその役割が変わってきているなという気がします。本を仲立ちに人と人を結びつける場所が図書館の役割の一部かなと思います。

施設見学の小学生へ説明中の上田さん

野々川:司書の資格勉強をするとき、最初に「司書の仕事とは、本と人とをつなげる仕事」と教わるんです。ただ、長く司書として働いていると、実は、司書の仕事は人と人とをつなげているんじゃないかなと思うようになりました。本にはそれぞれ著者(書いた人)がいますし、その本の中で登場する人物もいますし、本は広い意味で「人」との関わりが深いものだと思います。本を読んで、その著者のファンになる方もいれば、登場人物に感情移入をする方もいて、これも人と人とのつながりの一つだと思うんです。また、同じ本を読んだ後に、意見や感想を交わす読書会という集まりもありますし、司書は様々な形で人と人との繋がりを作る仕事なんだなと思います。読書会などのイベントをきっかけに参加者同士で仲良くなる方もいますしね。お客さんが図書館に来て「この本読めて良かった」と言ってくれるのはもちろんですが、図書館が主催しているイベントで、参加者同士で仲良くなる、つながりの場になりつつあるのかなと思います。これからも司書の仕事を通じて、様々なつながり作りに貢献できたらなと思います。

【最後に】

今回の取材で私も名古屋市図書館の共通貸出券を初めて作成しました。意外に知られていないと思うのですが、愛知県内に在住、在勤、在学の方は誰でも作成することができます。「個人貸出登録申込書」に必要事項を記入し、住所・氏名・在勤在学を確認できるもの(運転免許証や学生証など)を添えて、図書館の窓口で申し込むことができます。

その場で、もちろん無料で発行できます。また、パスワードを使って名古屋市図書館のホームページにログインすれば、書籍の予約、電子書籍サービスも利用することができます。

個人貸出登録申込書に記入中

借りた本はどの名古屋市図書館へも返却できます。また、閉館時には図書館の返却ポストに投函し、カウンターを介さずに返却することもできるんです。

こちらに投函をしていただければ返却完了です!

ちなみに返却ポストの裏側では、ローラーのついた坂を降り、

本を傷めないためにクッション性のある箱の中に落ちる仕組みとなっています。

インタビューでも司書の方が言われていましたが、若い世代(20代以下)の図書館の利用はあまり芳しくないようです。私自身20代前半なのですが、平日の日中は仕事があり、なかなか図書館を利用できていないのが現状です(このような記事を作成していて大変恐縮ではございます)。

ただ、読書をすることは好きなので、月に数冊程度ですが、書店で購入した本を読んでいます。本を読むと、新たな発見や勉強になることがたくさんあったり、自分が心の中で思っていた「言葉にならない気持ち」をまさに言語化して表現しているのを見つけて共感したり、読んでいてワクワクすることばかりです。本の魅力については、列挙したらきりがないほどあると思います。

名古屋市の図書館は、司書の方が一冊ずつ目を通して選んだ本が並んでいます。多くの方に本を手に取ってもらえるよう新たな展示コーナーを作るなど、工夫も凝らされています。また、「こんな調べ物をしているのだけど…」という相談を司書の方にしていただければ、資料(本)や情報を紹介してくれます。

これを読んで、図書館を利用してみよう、本を読んでみようと思うきっかけになれば嬉しいです。名古屋市の図書館に行けば、きっと素敵な本・人と出会えると思います。


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