「LGBTを知っていますか?」 ~樹梨杏さんの場合~
スポーツ市民局男女平等参画推進室です。
広報なごや9月号で掲載しています「誰もが住みやすい街なごやへ~LGBTを知っていますか?~」について、ご案内させていただきます。
広報なごやは紙面の都合上、当事者の方お二人のお声について一部しか掲載できませんでしたので、今回noteで全文を掲載いたします。ぜひご覧いただきたいと思います。
※LGBTとは、
L:レズビアン(女性の同性愛者)
G:ゲイ(男性の同性愛者)
B:バイセクシュアル(両性愛者)
T:トランスジェンダー(こころの性とからだの性との不一致)
の頭文字でセクシュアル・マイノリティの総称のひとつです。
※LGBTにQを加えて、LGBTQと表現することもあります。Qは、性自認もしくは性的指向がはっきりとしていない人をあらわすクエスチョニングやセクシュアル・マイノリティを総称する用語としてのクィアの頭文字です。
―お名前と、いつ頃からどのような活動をされているか教えてください。
樹梨杏(ジュリアン)さん
『LGBTQ※はどこにでもいる存在だと伝えたい!そしてセクシュアル・マイノリティの人を含めマイノリティ(少数者)の人が出来ることが増えること、全ての人達にとって優しい社会になればいい。』そんな想いで平成23年(2011年)L G B T Q当事者でアイドルグループ NSM+(エヌエムエムプラス)として去年まで10年間活動してきました。全国のL G B T Qイベントでオリジナルソングを中心にダンス、歌、M Cで私たちL G B T Qは身近な存在だと伝えてきました。現在は個人で名古屋のパレードの実行委員をしたり、全国のL G B T Qイベントでパフォーマンスをしています。
※Q(クエスチョニング)・・・性自認・性的指向がはっきりしない人
―今まで理解の足らなさを感じたり、不快な思いをした経験はありますか。
具体的なエピソードがあれば教えてください。
私が表立って活動することで、弟がいじめられていたと親から聞いたことです。姉の私がレズ(※)だから、弟までホモ(※)だとお友達から言われてしまいました。L G B T Qであることは悪いことではないはずなのに、関係ない弟がからかわれてしまっていると悩みました。
(※)あえて当時言われた言葉をそのまま記載しています。「レズ」「ホモ」「おかま」「おなべ」などは差別的な表現とされており、そもそも傷つけてしまう表現です。
また、いつもカラオケなど2人でよく遊んでいる同性のお友達に、カミングアウトしてから、「えーちょっと二人の空間はやめよう(笑)」と言われたことがあります。同性なら誰でも好きになるわけではないし、何かするわけでもないのに、どうしてそんなことを言うんだろうと思いました。
その後2人きりの空間ということで車も乗せてくれなくなったので何か汚いものとして扱われているという気持ちになりました。
―LGBTであることを知らない人と接する際、普段何気ないやり取りの中で、違和感を覚えたり、障壁を感じたりすることはあるでしょうか。具体的なエピソードを教えてください。
職場では現在35歳なのですが、「結婚してないの?男に興味ないの?(笑)」と言われたりします。また求人履歴書の男女の欄のどちらかに○がついてない履歴書を社内で見た担当の社員が、「オカマかー?(笑)」と笑いのネタとして言っていました。〇を付け忘れたのかもしれないし、〇を付けたくない理由、付けられない理由があるのかもしれません。
外食で感じることもあります。
チェーンのお寿司屋さんでの「おとこのこよう」「おんなのこよう」と書いてあるガチャガチャにも違和感があります。「おとこのこよう」に入っている車が好きな女の子もいるし、「おんなのこよう」に入っている指輪などのアクセサリーが欲しい男の子もいると思います。
―LGBTの人が傷つかないよう、市民の皆さんに心掛けてほしいこと、またどのように接してほしいかなど教えてください。
最近「恋人ができた!」とウキウキしているあの人は、異性ではなく、同性の恋人ができたのかもしれません。もしも、親しい人に恋愛の質問をしたいと思った時は、「彼氏(彼女)できた?」ではなく、「好きな人いる?
」「恋人できた?」と聞いてくれると嬉しいです。もちろん恋愛をしない人もいます。
LGBTQの人が身近にいるかもしれないと思うことで、出てくる言葉も違ってくると思います。
名古屋には、まだパートナーシップ制度がないです。でも、もし制度ができたら、カミングアウトされる機会も増えるかもしれません。街で手を繋いでいる同性のカップルを見かけることが増えるかもしれません。そんな時に、「L G B T Qの人もたくさんいる」ということを頭の片隅に置いておくだけで自然と見方が変わると思います。
※パートナーシップ宣誓制度:主に同性カップルに対し、日常生活においてお互いに人生のパートナーとして協力し合うことを宣誓した場合に、自治体が独自に宣誓書の受領書等を交付するもの。受領書等は要綱等に基づく書類であり、法的な効力はない。
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名古屋市ではセクシュアル・マイノリティへの理解促進や相談に関する取り組みを進めています。
【名古屋市セクシュアル・マイノリティ電話相談】
電話番号:052-321-5061
第2金曜日 午後7:00~9:00(祝日も実施)
【性的少数者に関する啓発リーフレット「にゃーごと考える 性の多様性ってなんだろう?」】
性的少数者への正しい理解の促進のため、啓発リーフレットを作成しております。
名古屋市公式ウェブサイトでリーフレットの内容やその他関連の施策をご覧いただけます。
https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000121751.html