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新自動車図書館がやってきた!

こんにちは!名古屋市鶴舞中央図書館の大井です。名古屋市図書館では、このたび17年ぶりに新しい自動車図書館4台を導入しました。自動車図書館が新しくなったいきさつや、一新した車両を紹介します。


自動車図書館を知っていますか?

自動車図書館は、車に本を載せて図書館から離れた地域に運び、貸出を行うサービスです。建物の図書館と同じように、貸出券を作ることや予約の本を取り寄せることもできます。全国的には「移動図書館」と呼ばれることも多いですが、名古屋市では「自動車図書館」と呼んでいます。

ありがとう!「なごや号」「みなみ号」

名古屋市の自動車図書館は昭和31年から活動を始め、約70年の歴史があります。2023年度は市内の公園や公営住宅など118か所を、バスを改造した大型車両2台で定期的に回り、年間約2万7千人にご利用いただきました。

遠くまで足をのばすことが難しいシニア世代を中心に「近所まで図書館が来てくれるのはありがたい」と喜ばれている自動車図書館ですが、大型車両は購入から16年以上経過して車両が老朽化し故障が続いていること、イベントや施設などへの新たな巡回希望が寄せられても応えられていないこと、車両サイズや重量の関係で制約が多いことなどの課題があり、これらを解決するために車両を小型化して新たに4台を導入することになりました。

大型車両「なごや号」「みなみ号」は2台共に2023年度で引退したのですが、車体に書いてもらったお別れメッセージは一人一人の思い出が詰まった心温まる内容ばかりで、利用者の自動車図書館への愛情を目にし、自動車図書館の歴史をしっかりと受け継いでいかなければという気持ちになりました。



栄の真ん中でお披露目イベント

 
いよいよ2024年5月半ばに新車両が到着し、4台が勢揃いしたお披露目イベントを5月26日(日曜日)、久屋大通公園内にあるサカエ ヒロバスで開催しました。テープカットや菓子まきなどのセレモニーの後、本の貸出や工作、クイズなどを行い、410人に参加していただきました。


キーの引き渡し
 テープカット
菓子まき


木のおもちゃや輪投げ、ピクニックシートやハンモックなどを並べた広場には、子どもたちが遊ぶ傍らで大人が本を読む姿や、ハンモックにゆられながら大型絵本を読み合う親子などが見られました。



新自動車図書館の特徴

新しい車は普通車サイズになったため、駐車スペースや重量、道幅などの関係で大型バスでは行くことができなかったところにも行けるようになりました。台数も2台から4台に増やしたので、ショッピングモールやオフィス街、規模の小さな施設など新たな場所にどんどん出掛けていきたいと考えています。
本を載せる部分もさまざまな工夫をしています。これまではできるだけ多くの冊数を載せることを重視していましたが、新しい車の本棚は、本の表紙が持つ力を活かして本の魅力を伝えるために展示棚を作りました。通りかかった方の目にとまり、ふっと本を手にとっていただけることを願っています。
また、紙の本だけでなく、デジタルチラシや動画などの情報も運ぶことができるよう、1台にはデジタルサイネージを備えつけました。



外観は、名古屋の町中に本を届ける車だと一目で分かるデザインにしました。担当職員が力を合わせて作り上げたロゴマークは「BOOK」のアルファベットを組み合わせて自動車図書館の形を表し、中には本が並んでいます。




また、これからは本というモノを運ぶだけでなく、本と触れ合う空間を運ぶことが重要と考え、居心地の良い場づくりとして、車の中に入り、腰かけて本をよんでいただける車を1台、特別仕様で製作しました。


この特別仕様車は、名城大学の谷田真研究室によるプロジェクト「ブック・モービル・スタディーズ」として、自動車図書館が持つ「本と人が出合う場」の機能を最大限に発揮するための車両デザインや組み立て式本棚・ベンチの製作に協力していただきました。このプロジェクトにより、自動車図書館の周囲で親子が寄り添いながら本を読めるような、日本のどこにもない、全く新しい自動車図書館となっています。



この車には、bookworm(ブックワーム)という本をまとった虫があしらわれ、本との新しい出合いや人とのつながり、場の新しい楽しみ方を提案しています。

もっと多くの人のところへ、これまで行けなかったところへ!

昨年度、図書館開館100周年記念事業の一つとして開催したBook Mobile(ブックモービル)サミットには全国の移動図書館と移動本屋7台が集合し、市内外から集まった多くの人で賑わいました。基調講演やパネルディスカッションの中で地域課題に向き合う各地の移動図書館の活動状況を学び、移動図書館に対する期待の高まりを感じたところです。


サミットについての紹介記事はこちら

 スマートフォンの普及や書店の減少などにより本を手に取る機会が少なくなった今、本と人とが出合う場を作っていくことはますます重要になっています。これまで定期的に巡回してきた100カ所以上の駐車場はもちろん、今後はイベントなど人が集まる場所にも新たに出向き、今は図書館から足が遠のいている方、本を手に取ることが少なくなっている方々に図書館の魅力、本を読む楽しさを届けていきます。

自動車図書館について、詳しくはこちら


ただ今、愛称募集中!

そして、自動車図書館が末永く市民に親しまれるよう新自動車図書館3台の愛称を募集しています。(特別仕様車の愛称は「bookworm(ブックワーム)」です。)
応募いただいた愛称から5作品程度を選んで図書館や自動車図書館駐車場等で利用者に投票していただき、最も投票数が多かったものに決定します。
最優秀賞を受賞した方には希望の場所への自動車図書館特別出張1回(名古屋市内に限る)+鶴舞中央図書館書庫ツアー参加の商品があります。ぜひご応募ください。

募集期間:2024年8月15日まで
応募方法はこちらから 

Webフォームはこちら

また、自動車図書館では「走れ!自動車図書館応援事業」として寄附を募集しています。本と出合う場を多くの人に届けるために走り続けることができるよう、自動車図書館への応援をお願いします!