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〈緑区版〉区長が行く!ぶらっとみどさんぽ緑区観光大使とご案内!~スペシャルS 大高編~

緑区内の各地区をガイドさんに案内してもらいながら、区長が散歩する「ぶらっとみどさんぽ」。
 
緑区出身の緑区観光大使・山口晃司さんと大高歴史の会・深谷篤さんに大高を案内してもらいました。

左から 深谷篤さん、長嶋利久緑区長、山口晃司さん
氷上姉子神社にて撮影

今回は、大高の魅力が詰まったスペシャルS大高編です。かの有名な桶狭間の戦いの舞台の一つとなった大高城跡、市内最多の酒蔵、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)にまつわる神話の里を巡りました。みどさんぽに同行した緑区役所地域力推進室の職員が、noteを通してガイドさんのすてきな解説を皆さんにもお届けします!

”スペシャルS 大高編”の意味は最後までお読みいただいた方だけのお楽しみです!


出発

令和5年7月に緑区観光大使に就任された三味線奏者の山口晃司さんは大高出身。「観光大使として緑区の魅力を僕も発信します!」と熱く宣言した山口さんを筆頭に、大高地域コミュニティーセンターから出発です。(コミュニティーセンターはJR大高駅から徒歩約8分)

辻の秋葉社

辻の秋葉社周辺は、「辻」と呼ばれ大高の中心として賑わう場所でした。
秋葉社は、道路の曲がり角にある小さな社です。昔から大高は火事が多かったことから、火除けの神を祭神とする秋葉社を一番賑やかな「辻」に祀ったのではないかという説があります。

深谷さん:
江戸時代半ばには、市(いち)が開かれてとても賑わったそうです。明治時代に変わり、最初の大高町役場や学校もこのあたりにあり、まさに中心地だったんです。

辻の秋葉社

大高の中心であった名残りは今も健在で、大高祭(毎年10月第1日曜日)では、山車が集まり出発・解散する場所に選ばれています。
また、道路は昔の大高城下町のままカギ型になっており敵が攻めにくいように工夫がされています。

カギ型のようになっている道路

酒蔵

名古屋市内に5軒ある酒蔵のうち3軒が大高にあり、現在も酒造りが盛んに行われています。

①  神の井酒造
最初に訪問した神の井酒造さんは、1856年(江戸時代末期)から酒造りを行う大高で2番目に古い酒蔵の歴史を持つ店です。通りに面したお店は、創業当時のまま建物が残っています。
 
お店に入ると、ご当主が迎え入れてくれました。
「神の井」の由来は、熱田神宮の御神井(おんかみい)の水のようであることから命名されたんだそう。
 
山口さん:
昔から変わらず、水にこだわってきたからこそ、今でも多くの人に愛されるお酒が造られているのですね!

神の井酒造ご当主久野さんと

②  山盛酒造
続いて向かったのは、山盛酒造さんです。こちらは、江戸時代に造られた酒蔵を譲り受け1887年(明治20年)創業のお店です。
今年の春に造ったお酒をご当主に見せていただきました。

山盛酒造のご当主

今春に造られた「中取り生原酒」は、すっきりとした味わいで飲みやすい日本酒です。
山盛酒造さんは、名古屋の酒米を使い、名古屋の水と気候でお酒を造ることを大切にしています。現在も新たなお酒を製造中で、今年の冬に仕込み、来夏までには販売ができるよう準備していくと教えてくれました。今からとても楽しみですね。
 
酒蔵開き
今回訪問した神の井酒造さんと、山盛酒造さんは、2月最終日曜日に酒蔵開きを開催しています。
試飲会や見学会を行う年もあるので、気になる方はぜひ行ってみてくださいね。※2024年の開催は現在未定。各酒造のウェブサイトをご確認ください。
 
深谷さん:
大高のお酒は全国にファンも多く、デパートで売られているなど、とても人気です。
 
山口さん:
演奏活動のため普段あまりお酒は飲まないのですが、大高のお酒は飲みやすいと聞くので、飲んでみたくなりました!
 
長嶋区長:
今度、飲み比べをしてみたいですね。昔からの伝統を受け継ぎながら、新しいものを取り入れて酒造りをしていることが素敵ですよね。
 
と歩きながらもお酒話に花が咲く一同は笑顔いっぱいです。

大高の小道を歩く一同

深谷さん:
さて、酒蔵のまちなみを堪能していただいた次は、神話ゆかりの地へ案内します
 
次の目的地である氷上姉子神社(ひかみあねごじんじゃ)へ向かっていると、境内の熱田神宮大高斎田(さいでん)で、稲刈りが行われていました。せっかくなので許可をもらい見学させてもらいました。

熱田神宮大高斎田 

大高斎田

1933年(昭和8年)から毎年、御田植祭(6月第4日曜日)と抜穂祭(9月28日)が行われており、収穫された米は熱田神宮の本宮をはじめ各社の祭典用として供えられます。
今年は13~14俵程度とれるほどの収穫だったそうです。※1俵は60kg

機械を使わずに刈り、稲穂を干す作業まで全て人の手で行います。古式のまま執り行われており、戦時中も中止されることなく続いてきたこの地に残る大切な行事です。

 そして、格式ある稲刈りの様子に感動した後は、氷上姉子神社の元宮へ向かいます。

氷上姉子神社

古事記や日本書記の神話の中に、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の活躍について記されています。日本武尊は、東国を征伐した後、尾張を治める地方長官の乎止与命(オトヨノミコト)の館がある火上(※現在の大高町)に立ち寄り、娘の宮簀媛命(ミヤスヒメノミコト)を妻に迎えました。
 
とても仲が良かった二人ですが、日本武尊が東国征伐の際に守護してくれた草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を宮簀媛命に預けたまま、伊吹山の賊退治に向かいました。しかし、病気にかかってしまい、そのまま帰ることなく亡くなってしまいました。悲しんだ宮簀媛命が、預かっていた草薙神剣を火上の地に祀りました。
 
その後、熱田の地に草薙神剣を奉斎したことが、熱田神宮のはじまりへとつながっていきます。境内末社の元宮は、宮簀媛命の館跡として大切にされています。

笑顔で解説を聞く一同 

元宮を参拝した後は、道路を挟んで反対側に位置する氷上姉子神社の本殿へ向かいます。

氷上姉子神社 

山口さん:
とても神聖で神秘的な場所です。近くに大きな道路が通っているとは思えない厳かな雰囲気ですよね。いい意味で気が引き締まるというか。
 
深谷さん:
来られた方は、皆さんそうおっしゃいます。昔から地元の方から“お氷上さん”と親しく呼ばれていて、格式高い古社でありつつ、多くの方から信仰を集めている場所です。
 
さて、神秘的な火上の地に残る神話の世界に思いをはせた一同は次の目的地へ向かいます。

石神白龍大王社(いしがみはくりゅうだいおうしゃ)

桜の大木が目印の石神白龍大王社は、昭和27年に建立された小さな社です。昔ここには塚があり、蛇が住んでいて塚の土や樹木を構うと「たたり」があったため、村人が白龍を祀り、鎮めたという言い伝えがあります。
 
深谷さん:
正確にいうと神様は定かではありませんが、地域の方が大切にされている場所です。
 
区長:
地域の方が、すごく手入れされていることが良くわかります。
 
深谷さん:
奥には塚があった痕跡らしきものも残っているんですよ。

山口さん:
あ、本当ですね!僕もこの場所は知らなかったです。新たな大高を知れてうれしいです。
 
次に向かうのは、山口さんのおすすめスポットです。
 
山口さん:
緑区観光大使なので、深谷さんだけではなく僕も大好きな大高を案内させてください!大高といえば、という外せないスポットがあります。

大高城跡

案内されて向かったのは、大高城跡公園です。桶狭間の戦いの際、若き日の徳川家康が「兵糧入れ」をした城として有名です(年代は諸説あり)。現在は、公園として整備され、城は残っていませんが、堀や城があったことがわかるような遺構が残っています。
 
山口さん:
ここは僕が幼少期にたくさん遊んだ思い出の場所です。住宅地にありながらも、自然豊かで見晴らしの良いところが最高です!そして、かつて大高城があったことから、堀があったり、急な坂があったり敵が攻めにくいような作りになっています。だから、子どもの頃はここでする鬼ごっこがめちゃくちゃ楽しかったんですよ~
 
すてきな思い出話を披露してくれた山口さん。実は過去に、はしゃぎすぎて転んでしまい、ぎっくり腰になったことがあるそうで、「皆さんもお気をつけて」と山口さんが苦笑いするようなエピソードもありました。
 
深谷さん:
大高城跡は、国の史跡に指定されています。憩いの公園でもありながら、かつての痕跡が残っています。見晴らしが良く、織田信長が大高城に対抗して築いた丸根砦と鷲津砦も見えます。2つの砦を今川勢が攻撃したことを清須城にいた織田信長が知って出陣したので、桶狭間の戦いは大高から始まりました。そして、反対側には、名古屋駅のビル群も眺めることができ見通しがとても良い場所です。

砦跡を探す一同

山口さん:
友達と一緒に来て、一人は砦跡へ、一人は城跡へ行き、合図しあえたら面白いですね。さすがに遠くて見えないかな?
 
区長:
現在の砦跡は、樹木が繁茂していて眺めることが難しい状態ですが、それができたら、とても面白いでしょうね。
 
山口さん:
ぜひお願いします!大好きな大高の魅力を皆さんに知ってもらえるよう僕も頑張ります。
 
城跡を散策した後は、山口さんがおすすめするもう一つのスポットへ向かいます。

かめ屋(駄菓子屋)

山口さん:
歴史あふれる大高ですが、大高の良さはそれだけではないんです。
 
と案内してもらい、最後に訪れたのは大高地域コミュニティーセンター近くの駄菓子屋です。今年で創業75年のかめ屋さんは、現在3代目の山村さんが営んでいます。平日の13時30分~17時30分頃、子どもたちのために開店する駄菓子屋さんは、長きに渡り、大高の子どもたちを見守ってきました。大高出身の山口さんも、その例外ではありません。
 
山口さん:
うわ~懐かしい!学校から帰宅したら、かめ屋に行くことがすごく楽しみでした。僕がよく買っていたのは、3つあるガムのうち1つだけすごく酸っぱい“アタリのガム”があるお菓子。友人と一つずつ食べて、みんな酸っぱくない演技をして、“アタリ”の人を当てるんです。
 
やってみましょうよ!と山口さんの号令により、そのお菓子を実際に購入して、店内で食べさせていただけることになりました。

酸っぱくない演技をする一同

はたして、“アタリ”を引いたのは…
 
「私です…」と酸っぱい顔をして手を恐る恐る挙げた区長に、深谷さんと山口さんが笑います。
そして、それを一緒に笑って見守ってくださる3代目店主。 

山口さん:
どこか懐かしくもあり、温かい雰囲気が残るお店です。かめ屋さんもそのひとつですが、大高の人は温かく優しい方が本当にたくさんいます。僕が大高出身だから、ではありませんよ。本当に皆さんすてきな方で、そんな大高の“ほっこり感”が僕は大好きなんです!
 
大高の魅力は、古くから残る歴史はもちろん、地域に根付いた「人」でもあると山口さんが教えてくれました。

まとめ

深谷さん:
大高には3つのスペシャルS(酒蔵、城跡、神話)があることをご紹介できて良かったです。
ぜひ大高を訪れてみてくださいね。私たち、大高歴史の会がご案内させていただきます。
 
山口さん:
住宅地として発展していく一方で、一歩足を踏み入れると昔から変わらない自然が残り、そして奥深い古くからの歴史がある。このなんとも言い難い魅力や雰囲気は、ぜひ大高に訪れて味わってほしいものです。
 
区長:
まだまだ緑区は“いいところ”がたくさんあると思っています。それを皆さんに知ってもらうために区としても色んな取り組みを考えています。ぜひ今後もお二人に緑区の魅力を発信していってほしいです。
 
みどさんぽスペシャルS大高編はいかがでしたか?
皆さんもぜひ緑区大高に一歩足を踏み入れて、古くからの歴史とあたたかい雰囲気を感じてみてくださいね。
 
また、緑区役所には区内を楽しく散策できる各地区の詳細マップを置いています。
緑区役所地域力推進室(3階34番窓口)にて配布していますので、お気軽にお立ち寄りください。
(区役所開庁日のみ)
 
※記事の歴史的内容は諸説あります。


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