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名古屋市役所で働いてみよう/事例:土木の現場、内部管理、それからシティプロモーションから国際交流へ

名古屋市広報課の丸澤です。
「うちの職員シリーズ」、人事異動の話をいくつか書いてきました。
名古屋市役所で働いていると、勤務地が市内だけと思われがちですが、市外で働くこともあります。

2019年、名古屋市でG20愛知・名古屋外務大臣会合が行われました。
準備や運営に名古屋市職員も関わるため、2018年8月から2020年1月まで外務省に派遣された職員がいます。それが今回インタビューする深尾係長です。

深尾係長も色々な職場を経験しており、そこで得た知識・経験がどう活かされているか、そのあたりを聞いてきました。



【自己紹介】


(―は丸澤が発言)
―簡単に自己紹介をお願いします。

深尾:観光文化交流局国際交流課交流係長としてロサンゼルスやメキシコシティなど姉妹友好都市と、ウズベキスタンの首都タシケント市とのパートナー都市の連携を担当している深尾英司です。


―今までにどんな職場を経験してきましたか?

深尾:最初の配属は緑政土木局港土木事務所で、次に緑政土木局総務課庶務係に異動しました。その後、今は組織がないですが、観光文化交流局魅力向上室に異動しました。
昇任して係長級として中区役所まちづくり推進室でまちづくりに関する主査に就いた後、次に外務省へ出向しました。名古屋市役所に戻ってからは、観光文化交流局MICE推進室、そして現在所属している国際交流課に異動しました。
国際交流課の中で多言語情報発信等主査を1年やって、今の席が今年度2021年度4月からですね。個人的には多言語情報発信等主査は、渉外主査と呼んで欲しいです。

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(国際交流展示室でインタビュー 左 深尾係長 右 丸澤)


―なぜ渉外主査って呼んで欲しいんですか?

深尾:もともと国際交流課には渉外係があったんです。
渉外って聞きなれない方も多いと思うんですが、外部との連絡交渉って意味です。国際交流の渉外ってことは、世界中の国や都市との連絡調整をするってことだと思います。それに伴って、国際儀礼、つまり国際間の儀礼上の慣習を大切にしなければならなくなります。プロトコールとも呼ばれます。
席次をどうするかとか、知らないと相手国や都市に対して失礼になることがあるんです。そのまま名古屋市の印象に繋がってしまうので、知っていることが欠かせない大切なことで、市役所内でどこかがきちんと所管しているべきだと考えています。
渉外係の名前は変わってしまいましたが、「国際都市NAGOYA」を目指すのであれば、たかが名前でも、そこから意識をしていく必要があると考えています。

【外務省出向・東京勤務】


―外務省への出向、東京勤務と聞いて、最初どんな印象を持ちましたか?

深尾:2018年の6月末だったかに、突然、部長の部屋に呼ばれました。
「あれ、なんか悪いことしたかな」って焦りました(笑)
結果、外務省への出向の話だったんです。
噂では聞いていて、「おー、本庁外にいる自分まで声かかるかー」っていうのが正直な気持ちです。
不安は語学力だけでした。日本語しか話せないので、今の席でも困ってます(笑)
妻も民間でフルタイム勤務だったので、外務省への出向の話しを聞いたときには、単身赴任で行かないといけないかなと思っていました。結果、妻も東京に行くことになり、色々あって一緒に外務省へ出勤したのは今後の人生ではもう無いと思うので、振り返ると良い思い出ですね。
あと友だちがいっぱいできました。

外務省前


―外務省ではどんな仕事をしましたか?

深尾:外務省では、メインで担ったのは2018年パプアニューギニアAPECと2019年のG20外相会合のロジ業務でした。ロジってのはロジスティクスの略で、宿舎とか移動手段とか会談場所の手配とかが主なものですが、G20外相会合は日本がホスト国だったので日本舞踊などの文化行事とかプレス対応とかも担いました。G20大阪サミットでも会場内外で働きました。
あと、班としては2018年のG20ブエノス・アイレスやスイスのダボス会議もやってましたね。

サミット(会場内)

G20大阪サミットでの様子


―市役所との雰囲気など、違いはありましたか?


深尾:市役所はあくまでも市内で市民を対象に働くことがメインなので、視野を(市外に向けるより)市内に向けていく人材が重宝されると思います。服装もスーツの人もいれば、現場が多い人はジーンズなどラフな格好の人もいたりしますが、名古屋市内を歩いていても街に馴染むかと思います。
でも外務省の職員の服装は、どう見てもイタリア帰りってわかる服装で決めている人がいたり、すごい高いヒールを履いている方がいたり、アフリカの民族衣装で働いている人もいます。赴任国の都合で髭を生やしている人も名古屋市より多くいた印象です。名古屋の街で歩いていたら、思わず二度見したくなる人もいました。
職場環境としては、バランスボールで働いている人がけっこういるとか、各国の時間を表すために執務室内にいくつも壁掛時計があったり、また、電報が業務で使われていたり、意外にも紙に埋もれて仕事をしていたりする感じでした。
人としては、基本はワインを好む人が多かったり、有名武将の直系子孫の方がいたりと、言葉を選ばずに言うと、ふわっと浮世離れした人が多かったです。
外務省の職員は各国にある日本国大使館や領事館、国連などの国際機関で働く年数が、外務省職員としての勤務年数の半分ぐらいを費やしますので、やっぱり特殊でした。国の省庁の中でも変わっていると思います。

【数多くの異動の経験】


―様々な部署を経験していますが、他の職場で経験は活かされていますか?

深尾:緑政土木局に一番長く在籍したのですが、今でもその時の経験が活きていますし、その時の人脈に助けられてもいます。
緑政土木局総務課庶務係に7年いたんですが、局内はもとより関係する他局の人とよく話をして仕事ができたため、人脈が広がりましたね。丸澤係長と会ったのもその時ですよね。

―いや、深尾係長と最初に会ったのは時間外研修が最初!(笑)

深尾:そうか、そうだった(笑)
今は人材育成・コンプライアンス推進室が所管している時間外研修の「オープンサロン」が最初だったね。そこで、やりたいテーマの企画や運営ボランティアをしたりして、丸澤係長とはそこから色々と話すようになったね。

―深尾係長は時間外活動での交流、市役所内に限らず、社会・地域活動に関心があったり、意識高く取り組んでいる企業・NPO・大学など様々なセクターとの関わりがあるよね?

深尾:色んな人たちと交流をしているね。
オープンサロンの時は、知り合いの大学の先生とそこのゼミ生とともに名古屋のまちづくりを一緒になって考えたり、市役所「外」と言いつつも、市役所の仕事は色んな所に通じているから、名古屋を良くしたいと思うと市役所の内と外という考えはあまりしてないのかも。
最近参加できていないですが、(稲垣主査との話でも出てきた)ワカサミという有志の人たちでやっていた社会・地域課題の解決を、デザイン思考を用いて企業・学生・行政と異なるセクターの若手で集まり、ハッカソンを行うという活動では、民間の人の働き方や業務ツールに触れることができました。コロナ禍による初期の急ごしらえでの在宅勤務の時にも、そう違和感なくそういった業務ツールを活用したことで、スムーズに業務が回せたと思います。

―異動に不安はないですか?

深尾:不安、あんまり無いですね。異動先で一から勉強することは大変ではありますが、色々なジャンルの仕事を責任持って担わせてもらえるのは地方公務員のメリットだと思って就職したので、そう苦にはならないです。飽き性なので、私は同じ仕事をずっとやるのは無理だと思います。
しかし係長になってからの異動の早さは想像以上ですね(笑)どこも楽しいので異動が惜しかったですし、戻って続きをやりたいぐらいです。でも次の異動先もまた楽しいんだと思います。

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国際交流展示室にて

【市役所に入ろうと思った動機】


―フットワーク軽く、色んなことに興味があって、多種多様な人たちとの交流がある深尾係長ですが、こう言っては何だけど「お堅いイメージの市役所」に入ろうと思ったきっかけは何だったの?

深尾:学力に問題がありましたが、霞が関で働くことも考えて受験しました。
でも受験する前から、特定の分野に限った仕事をずっと続けられる自信がなかったです。公務員の中で色々と職種を見た時に市役所が福祉から土木、経済まで幅広い分野で働くことができ、また県と違って現場が多く、自分が生まれ育った名古屋市のために働けるなら、一生働ける職場じゃないかと思って名古屋市を受験しました。
ご指摘のように高校大学時代を知っている人は僕が名古屋市役所で働くことになったときは驚いたと思います。一生働けるとは言いましたが、正直30歳ぐらいで辞めちゃうんじゃないかってことも入庁したころは頭にありました。でも、市役所には色々な仕事があるように、色々な人が働いていないと、名古屋が良いまちにはならないと思うようになりました。なので、僕のようなキャラクターの人も必要だと信じています(笑)でも、僕がもう一人いて、一緒に仕事することになったら今までそこになかった新しい仕事を持ってきそうだなって思うので、今までの上司部下同僚には、苦労をかけた部分があったろうなと思います。

―これから名古屋市役所を受けて見ようと思う学生に対してメッセージを。

深尾:名古屋には色々な人が住んでいます。高齢者、大人、学生、子ども、性別は男性女性やXジェンダー、障害がある方、日本国籍だけど日本語はあまり得意としていない人などなど多種多様な人がいます。趣味趣向としてもペットを飼っていたり、お酒を飲んだり、飲まなかったり、音楽をやっていたり、スケボーやっていたり、野球やっていたり、色んな人がいます。その人たちとよい名古屋をつくっていくときに、名古屋市役所で色んな人が働いていないと、住んでいる人や名古屋に仕事に来ている色んな人の気持ちをよく理解できないと思います。
公務員になりたいと思っている人は当然、名古屋市役所で働くことを選択肢に入れてほしいですし、公務員になんかなってやるもんかって思っている人にこそ、名古屋市役所で働くことについて考えてほしいです。

普通に生活していると市役所職員については区役所とか税金関係の窓口のイメージしかできないかもしれません。でもここまで読んでくれた人はもうわかると思うんですが、市役所では色んな仕事ができます。一定の期間、霞が関で働くことだってできます。海外で働くこともあります。異動先で、なんだこの仕事!ってものにぶつかったときに、思いもよらない自分の可能性を見つけることができる職場が、名古屋市役所だと思います。多種多様な人材を名古屋市役所は求めています。お待ちしています。

【最後に】


深尾係長とは10年近くの付き合いですが、「名古屋がよりよくなって欲しい」という気持ちが強いなと感じます。
それは「東京と比べて」とか、「大阪よりも」と他と比較するものではなく、まちの人が一人でも多く「名古屋って良いよね」と思える、そんなまちにしていきたいという想いで、仕事に取り組んでいるからだと思います。

今回は「色んな仕事の経験が今に活きる」をテーマに、係長級3人のシリーズものとして記事を書きました。
私も今でこそ「次はどこに異動するかな、行った先で何をやろうかな。」と思えるようになりましたが、最初のうちは心配で心配で仕方なかったです。それは今回インタビューに答えてくれた3人も一緒だと思います。
3人とも共通していると思うのが、「行動に移す」だと思います。行政は堅い印象を持たれることもある職場ですが、実はアグレッシブな動きをする職員もいます。

今回は名古屋市役所の採用試験を受けようと考えられている人向けに、「こんな人たちもいますよ」という気持ちで記事をつくりました。
いったんこれで「うちの職員シリーズ」は終えようと思います。
記事を読んでいただいた方、ありがとうございました。


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