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大学生消防団をご存知ですか?地域の防災力アップ!活躍する大学生消防団に熱い思いを聞きました!

名古屋市広報課の丸澤です。

市役所の仕事で大学生の人たちと一緒になってアイデアを考えたり、実行したりとすることがありますが、「今どきの若い子は~~」と言うことがあります。
それは否定的な意味合いではなく、「私の大学生の時と違って、しっかりと考え、礼儀正しくて、私の若いころと違う」というような意味合いで使っています。

以前、違う部署にいた時に出会ったのが、大学生消防団の団長でした。凄くフットワークが軽くて、礼儀も正しくて、「今の自分に出来ることを、悔いがないようにやる!」という感じで、積極的に活動されていた印象があります。

令和3年8月現在、市内では8つの大学に大学生消防団が組織され、防火・防災に関する普及啓発やイベントなどにおける消防団員の募集を主な活動としています。
今回は名古屋市大学生消防団の3人にお越しいただき、活動や伝えたいことなどをインタビューしてきました。

【自己紹介】


(-は丸澤が発言)
―皆さん、それでは簡単に自己紹介をお願いします。


北村:名城大学法学部3年の北村龍哉(きたむらたつや)です。
大学生消防団には1年生の時から所属し、様々な活動に参加してきました。現在は、8つの大学からなる大学生消防団の「団長」です。消防団での活動は残り1年半ほどですが、色んな活動に参加して、市民の方々と一緒になって消防団のPRや防火・防災の普及啓発をしていければと思っています。

山田:南山大学人文学部4年の山田彩佳(やまだあやか)です。
大学生消防団には2年生の時から所属していて、今年で3年目です。最後の年になりますが、こうやって取材していただける機会があって、とても光栄に思います。

奥谷:中京大学法学部4年の奥谷香月(おくやかづき)です。
私も2年生から大学生消防団に入り、今年で3年目です。何か人の役に立ちたいと思い、入団しました。

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(写真は左から、山田さん、北村さん、奥谷さん、丸澤)


【大学生消防団に入ったきっかけ】


―自己紹介から皆さんしっかりされていて、圧倒されました(笑)皆さんが大学生消防団に入られたきっかけを教えてください。

北村:将来は消防士や警察官という職業に就職したいと思っていて、大学生ならではのサークルがないかを探していた時に、インターネットで大学生消防団の存在を知り、「体験してみたい!」と思い、入団しました。
実は、地元の消防団に入りたかったんですが、家から大学が遠くて、消防団活動に支障をきたし、迷惑をかけてしまうのではないかと思い断念。
でも、大学生消防団は広報が主な活動なので、家から大学が遠くても出来るのではないかと思ったのも入団した理由の一つです。

山田:私は大学生消防団に入団したのは2年生の時です。1年生の時は「これだ!」と思えるサークルがなくて、2年生になってたまたま大学生消防団を知りました。
もし目の前で人が倒れた時に、何も行動できない自分がいるのを想像すると、このままの自分は嫌だと思いました。ここならそういった自分を変えられると思い、入団しました。

奥谷:私が高校生の頃に中京大学の学祭に行った時に、そこで大学生消防団の存在を知りました。当時の先輩大学生消防団の方々が作ってくれた豚汁を食べて、「美味しい!」「しかも、こんな活動もあるんだ!」と思って、ここの大学に進学して一緒に活動したいと思いました。
   
―大学1年生からでなく、途中から入団する人たちもいますか?

北村:途中から入られる人はボランティアになるし、やりがいにもなるという理由が多い印象です。また、就職のことも考え出す2年生の時期に「自分に何が出来るか」を考えた時に『大学生消防団』という選択肢に辿りつく人たちもいますね。

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【普段の活動】


―それぞれの大学での活動などを教えてください。

北村:実は私の所属する名城大学分団は発足して間もなくて、まだまだ体制が確立していないのが現状です。
ただ、定期的に定例会を開いて、少しずつですが、団員同士で積極的にイベントの企画やアイデアを出し合うなど体制の構築をしています。

山田:南山大学分団では定例会を月一で行っていて、昨年は毎週担当者を決めてSNSの広報をしていました。例えば大学にあるAEDの場所を写真に撮り、「#こんなところにAED」で発信するSNS企画を考え、若い世代を中心に防災を呼び掛けたり、Twitterで防災に関するクイズをしたりなど、防災のPRを行いました。

奥谷:中京大学分団は大学生消防団が発足した当初からある分団で、定例会を継続して行っています。ただSNSでの発信はあまり出来ていないので、今後は学生ならではのアイデアや企画を考えるなど、これまでやってこなかった広報を積極的にやっていきたいなと思います。
コロナ禍になる前までは地域の方と直接交流する活動をメインに行っていましたが、コロナ禍で直接市民の方々と触れ合い、お伝えすることが難しくなってしました。
そこで始めたのが、全国の防災ボランティアの方々とSNSを通しての意見交換です。それぞれが抱える課題や悩みなどを共有することで、地域の特性や実状に合わせた広報の在り方を模索しています。


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(出初式の様子)


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(中京・学内自主防災訓練の様子)


【防災・応急手当の意識】


―大学生消防団に入団して、入る前と入った後を比べると、自分の友人や家族との間で意識の差を感じたことはありますか?

北村:他人事(ヒトゴト)感ですかね。実際に震災を経験された方、火災を経験された方は防災に関する意識はとても高いです。火災を経験された方は「街の火事は自分たちが消しに行く!」という志しをお持ちの方が多いです。でも経験したことが無い方は、どうしても他人事(ヒトゴト)感が否めなくて。いざ災害が起こると一時的には意識が高くなるんですが、、、、。
災害が起こらないことに越したことはないですが、いざという時のために、防災の意識は常日頃から意識するようになって欲しいですね。

山田:災害や応急手当、備えの重要性など、自分の中で防災をより意識するようになりました。大学生消防団に入る前から大事だとは思っていましたが、実際に救命講習や防災訓練、災害に関する知識が増えていくと、自分の中の意識がより高まります。実際に体験したり学んでいくうちに、事前の備えが非常に重要だなと感じます。
例えば、飲料水を購入するときも保存期間が長いものを購入するだとか、駅構内などのAEDの場所、大型施設などでは非常口の場所などを見る癖がついてきて、頭の中が防災一色に染まっているように感じます(笑)

奥谷:全国の防災ボランティアや東日本大震災を経験された方と話をした時に、とても印象的だった言葉に「当たり前はなし」という言葉がありました。ごくごく普通の言葉で、私自身も意識はしていたつもりなんですが、震災等を経験された方からの言葉であったので心に刺さるフレーズでした。
大学生消防団に入団してからは自分自身の気持ちの持ち方にも変化があり、自宅で非常持ち出し袋に家族分の非常食や服を詰めたり、コロナ禍における対策としてマスクなどを追加で入れたりしています。ただ家族の中でも意識の差があり、「そんなの必要あるの?」と言われることもありますが、まずは身近な存在から「防災」について見つめ直してもらうように呼び掛けていくことの大切さも身に染みています。
また「備え」を行動に移すには、被災者の方の話を聞くなど、災害をもっと身近に感じることも重要だと感じました。

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【企業などとの連携】


―啓発イベントを例えば名古屋グランパスや企業の方と一緒にされていましたが、今後の連携についてお考えがあれば。

北村:2年前にNTTドコモの方と一緒にイベントを行いましたが、社員の皆さまが防災に対する考えがとても高く、企業の方達との連携は大事だなと思いました。社員の方が参加することで、企業の中でも防災の意識は高まっていくと思うし、そこから家族や友人・知人に広まっていくかと思います。
そういった繋がりを通じて意識を高めていくことは出来ると思いますが、コロナ禍で繋がりが薄れてきています。SNSなどで発信もしていますが、そこにも限界があって、何かいいアイデアがないかなと模索しています。
名古屋グランパスとのイベントは、サポーターの方がとても熱心に聞いてくれます。今後も継続して連携を深めていきたいです。

山田:私もNTTドコモの方とのイベントは参加しました。その時に感じたのは親子連れが多かったことです。親の防災の意識が高ければ子どもにも伝わると思いますし、子どもが防災のことに関心を持つようになると、親にも伝播すると思います。様々な企業との連携は防災に関心を持っていない人たちにも、意識を向けてもらえる大切な機会なので引き続き行いたいです。
でも、通信事業者だとそこと契約している人、スポーツ団体だとそのスポーツに興味を持っている人など、限定的になってしまう可能性があるので、多くの人が身近に感じられるようなものとも連携できたらいいなとも思います。私だったらお菓子なんですが(笑)

奥谷:他のスポーツ団体とも連携できればと思います。名古屋にはプロスポーツチームがあるので、一緒になって広報や啓発を行っていければと思います。
あとは公共交通機関と一緒に何かやってみたいです。たくさんの方が利用されているので、啓発の効果が高いと思いまし、身近に感じて貰えるのではないかと思います。


伊勢湾台風60年市民防災の集い 集合写真

(伊勢湾台風60年市民防災の集い)


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(ドコモイベントの様子)


【皆さんにメッセージ】


―最後に読まれている方、市民の方へのメッセージをお願いします。

奥谷:現在、消防団の団員数は減少傾向で、高齢化も進んでいます。20代・30代など、これからの社会を担う若い人たちの力を必要としています。消防団の活動では女性の活躍できる場面も多くあります。
少しでも興味のある方はぜひ大学生消防団や地元の消防団に入って一緒に活動してみませんか?

山田:防災は自分のことだけでなく、周りの人にとっても大事なことだということを、もっと知り、感じて欲しいです。例えば自分の子ども、ペット、それから避難が難しい高齢者、災害が起きた時にそういった方達を助けるにはどうしたらいいか、そういったことを普段から考えていただけると。周りの人のことまで考えた準備をしていただけると嬉しいです。

北村:災害はいつ起こるか分かりません。起きない方がいいですが、いつかは起きると思います。起きてしまった時のことを考えれば、今から対策をやっても損はないのかなと思います。
特に若い力は体力的にも精神的にも大事で、ぜひ学生の方であったり、若い方に防災に対して興味や関心を持っていただきたいです。それ以外の世代でも、何か身の回りのことから一つずつでも自分の生活に取り入れ変えてただけると、もしもの時に、少しでも被害が減るのかなと思います。
一緒に頑張っていきましょう!

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【最後に】


冒頭のサムネイルは広報なごや8月号の表紙ですが、インタビューも行っています。その時の皆さんの活動服姿が恰好良かったのでこちらにも。

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活動服の後ろ側はそれぞれの大学名が。

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最後は感想として。
令和2年の広報なごや10月号は家具転倒防止対策を1面・2面にしています。

災害が起きた時に自分の身を守る行動ができることによって、消防士や周りの人が、他の人を助ける時間が増えるかもしれません。
また、AEDの使い方を知れば、救急車が来る前までの応急手当で助かる命が増えるかと思います。
大学生が防火・防災に真剣に向き合う中で、大人達がきちんと応えられるのだろうか、、、、
意識が変われば行動も変わると思います。
団長が最後に言った「一緒に頑張っていきましょう!」。一人では難しくても、たくさんの大学生が広報、啓発をしているので、まずは大学生消防団の活動を多くの皆さんにチェックしていただけると嬉しいです。
まずは意識から。


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