応急手当研修センターで学ぼう!応急手当の重要性
こんにちは。広報課の太田です。
今回は、応急手当の重要性について紹介します。
※ここでの応急手当は、心肺蘇生法を指します。
皆さんは、もしも今目の前で人が倒れたら、
応急手当をすることはできますか?
応急手当を要する救急事案は、他人事とは言えないほど起きている
令和4年中、名古屋市では応急手当を要する救急事案は2,665件発生しました。平均すると1日あたり約7.3件も起きているんです。
そして、救急車が到着するまで、居合わせた人が応急手当を実施した場合と、何もしなかった場合とを比較すると救命の可能性は約2倍になるそうです。
このことから、応急手当の重要性がわかります。
身の回りで災害や事故が起きた時に応急手当ができるように、
日頃から準備しておくことがとても大切です!
応急手当をマスターしよう!
名古屋市消防局では、皆さんに応急手当を習得してもらうために、応急手当研修センター(昭和区)にて、時間に制約がある方や子どもも受けられるさまざまな救命講習を開講しています。また、救命講習は市内の各消防署でも開講しています。
今回は実際に応急手当研修センターに伺い、
「救命入門コース 小児・乳児」をレポートします!
応急手当研修センターは地下鉄「御器所」駅5番出口より徒歩1分、昭和消防署の4階にあります。早速、中に入ってみます!
エレベーターを4階で降りて奥に進むと、講習室があります。
今回の「救命入門コース 小児・乳児」はお子さんも一緒に受講可能で、
賑やかな雰囲気です。
今回は、応急手当研修センター職員の加藤さんに
応急手当の方法を教えていただきます。
「今日はぜひ一緒に、小さなお子さんや赤ちゃんに対する応急手当の方法を身につけましょう!」
講習参加者のうち、
写真手前にいらっしゃる参加者親子のお二人が取材にご協力くださいました。
お子さんは、応急手当の講習を受けるのは初めてとのこと。
初めて見る人形や道具を前にして、少し緊張している様子です。
写真中央にいるのは、私、太田です。今回一緒に講習を受講します。
いざ、救命講習を受講!
まず、加藤さんが応急手当に関する用語や機器の機能を説明してくださいます。応急手当の効果について説明を聞いているうちに、参加者皆さんの集中力が高まっていきます。
続いて、応急手当の手順を学んでいきます。
こちらのセンターでは、人形や練習用AED(自動体外式除細動器)を用いて
実践形式で練習します。
今回は小児(写真中央)と乳児(写真左)を使用し、
それぞれの手順を学びます。
それでは早速、加藤さんのお手本を見ながら応急手当を実践練習!
①倒れている人を見つけたら、まず、まわりが安全であることを確認してから近づきます。
②最初に反応の有無を確認し、反応が無ければ大声で応援を呼び119番通報とAEDを持ってくることを依頼します。
「あなたは救急車を呼んでください。反応が無いことも伝えてください。」
「あなたはAEDを持ってきてください。」
加藤さんに続いて、私たち参加者も復唱します。
③次に呼吸を確認して、普段通りの呼吸がなければ、「呼吸無し。」
30回の胸骨圧迫と2回の人工呼吸を繰り返し実施します。
「1、2、3、4、…30!」
実際に自分の体を動かしてみることで、胸骨圧迫を実施するときの手の組み方、腕の角度、力加減などの重要なポイントを具体的に学ぶことができます。
片方の手の甲にもう一方の手を重ねるように組み、手のひらのつけ根で圧迫します。力加減は、胸の厚みの3分の1を押し込む程度です。
私、太田も挑戦しています。難易度は高くなく、コツを掴んだらすぐに習得できました!
次に、乳児への胸骨圧迫を練習します。
圧迫を行う回数は同じですが、乳児の体は小さいので成人や小児に実施する手当とは異なり、指2本で胸骨を圧迫します。
人工呼吸も、乳児向けの方法があります。
自分の口で乳児の口と鼻を覆い、空気を吹き込みます。
(現在講習では感染症対策のため、人形に直接人工呼吸することを控えています。)
④AEDが到着したら、胸骨圧迫や人工呼吸に優先して使用し、音声案内に従って電気ショックを実施します。
参加者のお子さんは、講習を受けるまではAEDを知らなかったそうです。
もちろん操作することも初めてで、指導員の方にサポートしてもらいながら操作します。
成人・小児にAEDを使う時、電気を流すパッドは胸部と脇腹に貼りますが、
乳児にAEDを使う時は、胸と背中に貼ります。
AEDの操作は、音声案内の指示に従って行うのですが、
初めての操作は、手間取ったり、焦ったりしてしまうかもしれません。
しかし、練習して流れを掴むことで、スムーズに操作できるようになります。
お子さんも、2・3回目の反復練習では手際が良くなりました!
パッドを貼ったあとは、周りに「離れてください!」と声をかけ、傷病者に誰も触れていないことを確認した後、電気ショックを行います。
次に、喉にものが詰まった時の対処なども学びます。
食べ物による窒息は家庭で起こりやすい事故ですが、最悪の場合は死に至ることもあります。
身近な事故への対策もしっかり行いましょう!
救助者が1人のとき、喉を詰まらせた人に反応がある間は、救急車を呼ぶ前に詰まったものを取り出すことを試みます。
小児には、背中を叩く方法と腹部(乳児の場合は胸部)を突き上げる方法があります。
この方法を行っても取れず、反応が無くなったら救急車を呼びましょう。
救命講習を受けて
いかがでしたでしょうか。
知らなかった対処法や、忘れていた手順はありませんでしたか?
私は、応急手当研修センターでの救命講習を受けるのは初めてでした。
応急手当について、手順が多くて覚えるのが大変というイメージを持っていましたが、講習を受講して、応急手当を体で覚えることができたと感じています。
具体的な指導を受けながら実践練習をすると、こんなにも定着するのですね!
参加者親子から感想をいただきました!
親御さん「成人用の救命講習を受けたことはありましたが、小児・乳児の救命講習を受けたことはありませんでした。子どもが大きくなる前に、もっと早く受ければよかったと思いました。」
お子さん「AEDのことを知らなかったけど、今日から使えるようになった。友達が倒れた時に、応急手当をすることができそうです。」
応急手当は決して難しいものではなく、講習を受けることで身に付けることができます。
そして、災害や事故の時、大きな効果を期待できます。そのため、市民の皆さん一人一人が応急手当をできるようになることがとても大切です。
応急手当研修センターでは、応急手当を全く知らない方やお子さんでも参加できる講習を開講しています。
応急手当は、誰でもできる人助けです
加藤さん「お子さんでも理解できるように分かりやすく説明していますが、お子さんにはまず、自分ができること・できないことを知ってもらいたいと思っています。災害に遭遇した時、自分でもできることをやってみようと思って欲しい。近くにいる大人を呼ぶとか、救急車を呼ぶとか、それだけでも立派な応急手当です。
お子さんが最初の一歩を踏み出せるよう後押ししています。」
最後に
これから、お出かけやレジャーの機会が多くなる季節になります。
夏休みにお子さんだけで出かける機会があるかもしれません。
お友達が倒れた時、家族が倒れた時、交通事故に遭遇した時など、もしもの時に適切な応急手当ができれば、大切な人の命を助けることができるようになります。
これを機に応急手当を習得し、自信を持って災害や事故に備えましょう!
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