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#なごやを歩こう 歴史や文化を楽しみながら巡る!城山・覚王山エリア編(千種区)~広報なごや11月号~

こんにちは。名古屋市広報課の児玉です。
ずいぶんと涼しくなり過ごしやすくなってきましたね。今回はそんな秋にぴったり!広報なごや11月号でも紹介している、城山(しろやま)・覚王山(かくおうざん)エリアの街歩きレポートです。
最後まで読んでいただいた方には、抽選でプレゼントもあります♪

案内してくれるのは千種区役所地域力推進課の楠木さん。千種区のまちづくりや広報に関わる仕事をしています。

千種区マスコットキャラクターの「こあらっち」と楠木さん(千種区役所にて)

では、さっそく行ってみましょう~♪


「覚王山商店街」からスタート!

地下鉄「覚王山」駅で降りて(1番出口が便利)、広小路通を西へ進み、交差点「覚王山」で北へ曲がると、日泰寺へとつながる参道に覚王山商店街があります。いろんなお店が並び、食べ歩きも楽しめますよ♪

この日は平日の朝ということで人通りは少なめでしたが、日泰寺の縁日(毎月21日)や季節ごとのお祭りなどイベント時は多くの人で賑わいます。
イベントや加盟店の情報はこちらから(覚王山商店街HP)

覚王山夏祭の様子(今年7月)

これからの時期は紅葉を楽しみながら歩くのもいいですね!

覚王山秋祭の様子(令和4年11月)

奥のほうに日泰寺が見えてきました~

お釈迦様が眠るお寺「覚王山日泰寺」

日泰寺に着きました!重厚感のある山門です。

覚王山日泰寺

今回、日泰寺の犬塚さんが案内してくださいました。

御本尊を案内してくださる犬塚さん

皆さんは、日泰寺はタイ王国と深い関係があることをご存じでしょうか。
日泰寺は、日本が外交ルートを通じてシャム(現在のタイ)の国王から贈られたお釈迦様の御真骨(非公開)を安置するために建てられた日本で唯一のお寺です。御真骨を安置していることから、日本で唯一どの宗派にも属さない寺院で、各宗派が輪番制で住職を務める特異な寺院なのだそうです。

御真骨は「奉安塔」という少し離れた別の場所に安置されています。
「日泰寺を訪れる際は、ぜひ、参道→本堂→奉安塔と足を運んでみてください」と犬塚さん。のちほど、奉安塔にも行ってみましょう。

さて、本堂に入ると目を引くのは、きらびやかな御本尊。
正面に掲げられた額には・・・タイ語??
「そうです、どちらもタイの国王から贈られたものです」と犬塚さん。

御本尊の釈迦牟尼如来(しゃかむににょらい)。正面に掲げられているのはタイ国王直筆の勅額
タイ語で「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」(お釈迦様のこと)
両側にあるタイ国王の紋章は本物の証

本堂の手前には左右に1頭ずつ象の置物が。こちらもタイから贈られたもので、デザインは異なりますが、どちらも鮮やかな色でタイらしい!

日泰寺の「日」は「日本」、「泰」は「タイ」を表し、日本とタイの友好を象徴しています。駅名や地名にもある「覚王山」は、覚王山日泰寺の山号(○○山の部分)に由来し、「覚王」は「釈尊」(古代インドの言葉で「目覚めた人」)を表しているのだそうです。また、所在地である千種区法王町の町名は、「仏」を敬う呼び方「法王」にちなんでいます。名称や地名も、タイや仏教にゆかりがあるのですね。

日泰寺HPはこちら

本堂から見た五重塔と山門

本堂をあとにして、次の目的地「揚輝荘」へ。まずは南園に行ってみます!

松坂屋初代社長の別荘だった「揚輝荘」

揚輝荘の北園と南園をつなぐ連絡通路を抜けると、赤い外壁が印象的な山荘風の「聴松閣(ちょうしょうかく)」が現れます。聴松閣は地下~2階が公開されています。揚輝荘の萩野下さんに案内していただきました。

揚輝荘(南園)聴松閣

【揚輝荘】(ようきそう)
松坂屋初代社長の伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろざえもんすけたみ)の別荘として、大正~昭和初期にかけてつくられた。かつては単に個人の別荘にとどまらず、各界の要人や文化人の迎賓館、社交場として華やいだ。またアジアの留学生の寄宿舎として国際交流の場でもあった。平成19年(2007年)に名古屋市に寄贈され、平成20年(2008年)に聴松閣など5棟の建造物が市指定文化財に。
開園時間:午前9時30分~午後4時30分
休園日:月曜日(祝休日の場合は、直後の平日)、年末年始
入場料:北園 無料、南園(聴松閣)一般300円、中学生以下無料

〈1階〉揚輝荘について知る&ほっとひと休み♪

全盛期(昭和14年頃)の揚輝荘を再現したジオラマやパネル展示などで「揚輝荘」や「伊藤次郎左衛門祐民」を紹介しています。喫茶室兼休憩室(旧食堂)もあり、お茶をしながらひと休みすることができます♪

ジオラマ
喫茶室兼休憩室(旧食堂)
造り付けの食器棚(写真右側)の上には「いとう」の掘り込みが!
優雅な雰囲気のなか、こあらっちとコーヒーブレイク♪
アイスコーヒー200円。+300円で「本日のお菓子」(梅ゼリーでした!)のセットに

〈2階〉部屋ごとにこだわりのデザインが満載!

旧書斎、旧応接室、旧寝室などが展示室になっています。

旧応接室はイギリス山荘風。暖炉のタイルや客船をイメージした丸窓がおしゃれ!
旧寝室は中国式のデザイン。天井のデザインも凝ってます!
こちらも旧寝室
暖炉も中国っぽいデザイン、壁には氷が割れたような模様。

〈地下〉一転してインドの雰囲気!

インドの留学生が描いた壁画(地階ホール)

仏教への信仰が深かった祐民は、インドへ4カ月の仏跡巡拝旅行をしています。そのときに受けた感銘を聴松閣で表現したのだとか。

インド仏跡巡拝旅行の経路のパネル

数多くの社交の場となった旧舞踏場も、インド様式のデザイン。その優雅な雰囲気に、当時の舞踏会の様子が目に浮かぶようでした。
現在は、夜間は多目的ホールとして貸室利用されています。

旧舞踏場の舞台
緞帳(どんちょう)をおろすとユニークで可愛らしいデザイン!
柱や壁には草花や花綱(はなづな)模様のレリーフ
細部まで作り込まれていて見入ってしまいます!
窓も普通じゃない!ガラスにヒマラヤ山脈が描かれています

そしてこの窓の裏側にも驚きの工夫が・・・
下の写真を見てください。窓(左側)と外壁(右側)の間に謎の空間が。これは、地下の明かり取りと、湿度を避けるために設けられた緩衝用の空間なのだそう!

部屋側からはほとんど見えない場所なのに、タイルで樹木のデザインが施されていて、脱帽!

驚きはまだまだ続きます!
地階ホールの突き当たりには、どこかへ続く入り口が・・・。これ、かつて敷地内の建物間をつないでいた地下トンネルの出入り口なんです!普段はここまでは入れませんが、取材のため特別に入り口のすぐそばまで入らせていただきました。

地下トンネルの入り口!
近づくと結構大きくて、先は真っ暗・・・!!

筆者が気になった「床」のデザイン!

至る所に設計やデザインへのこだわりが見える聴松閣ですが、そのひとつをご紹介します。それは各部屋の「床」のデザイン!

旧食堂
小型の鍬(くわ)のような形をした、ちょうな(手斧)で削って模様を付けてあります
旧書斎
緑と黒の市松模様が個性的でおしゃれ!当時珍しかったプラスチック素材なのだとか
旧寝室
長方形と正方形がぴったり組み込まれています
旧舞踏場
大きな円を描くようなデザインは、人々が踊るときの目安なのだそう!

床だけでなく、壁・天井、窓、照明など、隅々に渡ってこだわりのない所はない!というくらい、どこを見ても何かしらの工夫や意図を感じられてとても興味深いです!見ていて本当に飽きません。
と脱帽しながら、次は北園へ向かいます。

美しい日本庭園を楽しめる北園

連絡通路を通って北園へ
美しい池泉回遊式庭園が広がります。奥に見えるのは市指定文化財の白雲橋
市指定文化財 白雲橋(はくうんきょう)
歩いて回りながら、いろんな角度からの景観を楽しめる庭です
伴華楼(ばんがろう)
尾張徳川家ゆかりの和室(2階部分)に洋室などを加えて建築されました
横から見た伴華楼。市松模様やうろこのような模様が面白いですね!
外壁に近寄ってみると・・・さまざまな模様のタイルや玉石が組み合わせてあります
建物の中に入ることはできませんが、1階部分は展示があり外から見ることができます
揚輝荘はここまで、次は日泰寺の「奉安塔」へ向かいます

ちょっと寄り道(その1)~謎の三角屋根~

揚輝荘を出て、日泰寺のすぐ東側の道を北上し、坂を西に上っていくと右手の方に何やら三角屋根の塔のようなものがちらりと見えますが・・・何でしょうか??

日泰寺の北門付近からの写真です

これは市の「東山給水塔」。レトロで可愛らしいデザインで目を引きます。

さらにもう少し西へ進み、細い路地を北に入って塔の西側から撮影

【東山給水塔】
昭和5年3月に建設され、昭和48年までの約43年間、付近一帯に配水するための配水塔だった。現在は、災害対策用の応急給水施設となっている。場内工事のため当面一般開放の予定はないが、市内各所から見ることのできるランドマークであり、景観重要建造物に指定されている。

お釈迦様の御真骨を安置「日泰寺奉安塔」

少し寄り道しましたが、大きな交差点「姫ヶ池通1」へ出ると、交差点の北東に日泰寺奉安塔があります。

日泰寺奉安塔 入り口

前出の日泰寺の犬塚さんにご案内いただきました。

一般の方はこの通天門からの参拝となります(奉安塔の前までは行けません)。
奉安塔はこの奥です。

取材のため、特別に奉安塔前まで入らせていただきました。
高さ15m、ガンダーラ様式の花こう岩の仏塔で、中にお釈迦様の御真骨が収められているそうです。敷地の奥の静かな場所に佇むその姿は、格式高く、荘厳な雰囲気でした。

奉安塔(愛知県指定文化財)
取材のため塔の前まで入らせていただき撮影

奉安塔はここまで。犬塚さん、ありがとうございました。
次は「相応寺」へ向かいます!

徳川義直の生母の菩提寺「相応寺」

日泰寺奉安塔から大通り(関田名古屋線)を南下し、少し東へ入ったところにあります。相応寺は、寛永20年(1643年)、初代尾張藩主の徳川義直が生母お亀の方(相応院)を弔うために東区山口町に創建。昭和9年(1934年)、現在地に移転。市指定文化財です。
今回は、ご住職にご案内いただきました。

本堂

総門・山門・本堂に掲げられている扁額(へんがく)と呼ばれる額の文字は義直公直筆なのだとか。なんだか歴史に思いを馳せてしまいます!

本堂の扁額。「相応寺」と書いてあります。
本堂の欄間(らんま)も当時のままの本物
狩野派による杉戸絵も残されています

普段、本堂は開放されていませんが、人々のよりどころになるようにと、介護者カフェ(2カ月に1回)やヨガ教室(月2回)などが開催されています。詳しくはこちら(相応寺HP)

相応寺では、お茶をたてる際に使う茶筅(ちゃせん)の供養が日本で初めて行われたといわれているそうで、茶筅塚には茶筅の形をした石碑が。

茶筅塚(ちゃせんづか)
色鮮やかな花手水(はなちょうず)に思わずパチリ!

次は、最後の目的地「城山八幡宮」へ向かいます!

相応寺をあとにして西側を見ると、日泰寺の五重塔が見えました!

ちょっと寄り道(その2)~ツタに覆われたレトロな雰囲気の建物~

城山八幡宮へ向かう途中、またちょっと寄り道。
こちらはいったい何でしょう??

愛知学院大学楠元キャンパス

これは愛知学院大学の楠元キャンパス。国の登録有形文化財に登録されています。このような文化的・歴史的価値のある建物や名所が点在しているのもこのエリアの魅力です!

縁結びでも有名な「城山八幡宮」

さて、城山八幡宮に着きました~

結構階段をのぼります・・・
のぼり切ると見晴らしの良い高台に

城山八幡宮は織田信長の父、信秀が築いた末森城あとに建てられました。

「末森城址(すえもりじょうし)」の碑
本殿
ガラガラと鈴を鳴らしてから参拝します

不思議な「水みくじ」をやってみました!

恋占いと人生占い(いずれも300円)があります。

おみくじは、あれ??何も書いてない?
手水舎横にある水盤にそっと浮かべると・・・
あら不思議~♪ パッと文字が浮き出ます!!
運勢はいかに・・・!?
占ったあとは、竹の「みくじ結び」に結びました!
このみくじ結びがハート型になっていて可愛い!!

本殿裏の通りを行くと・・・ありました!!
恋のパワースポット、連理木(れんりぼく)です。これはアベマキという木なのですが、枝が2つに分かれて再び1つになっているのが分かりますか?神秘的ですね!連理木は古来から縁起が良いとされています。

アベマキの連理木

城山八幡宮HPはこちら

おわりに

今回の街歩きはここまで。揚輝荘をじっくり見て回ったのは初めてでしたが、随所に祐民さんのこだわりと当時の華やかな社交の雰囲気を感じられ、とても興味深かったです。
歴史的・文化的な名所のほか、若者向けの飲食店やおしゃれなお店も多いエリアですので、幅広い年齢層の方に楽しんでいただけるのではと思います。皆さんもぜひ歩いて巡ってみてください♪
この記事を読んで城山・覚王山エリアが気になった方や、行ってみたいと思った方は、ぜひ「♥スキ」を押してください!

千種区役所では、今回ご紹介したエリアを巡る謎解きイベント「覚王山謎解き街歩き」を開催予定!(11/5~来年1/31)詳しくは特設サイトへ↓

!!プレゼントのご案内!!

ここまで読んでくださりありがとうございました。
以下をセットにして10人にプレゼント!!ぜひ応募してね♪

・揚輝荘(南園)聴松閣の観覧券2枚
・千種区オリジナルタオルハンカチ
・歴まちピンバッジ(揚輝荘・東山給水塔)

対象:名古屋市内在住の方。抽選10人
応募締め切り:11月30日(土) ※1人1応募
応募はこちら

揚輝荘(南園)聴松閣
上:千種区オリジナルタオルハンカチ
下:歴まちピンバッジ(揚輝荘・東山給水塔)