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めんどくさいところもあるけれど!?実は楽しい地域活動! ~中小田井学区体験談~

スポーツ市民局地域振興課です。

広報なごや1月号市政トピックス(5ページ)「地域活動が支える「安心・安全な暮らし」」。
皆さん、ご覧いただけましたでしょうか。

新年、何か新しいことにチャレンジしてみたくありませんか?

そんな皆さんにぜひ、地域活動を「今年挑戦したいこと」の一つにしてほしい!無理なく楽しくできることから活動を始めてもらいたい!という思いで、この記事を作りました。

「町内会・自治会などの地域団体はこんな活動をしています!」「あなたもできるちょっとした地域活動」「地域活動はここがオススメ!」などさまざまなコンテンツで地域活動を紹介していますので、まだご覧になっていない方は、ぜひご覧ください!

実際に地域活動をしていらっしゃる方の生の声をお届けしたいので、紙面では、地域活動をしていらっしゃる方のインタビューを紹介しています。

名古屋市区政協力委員協議会の山本議長(西区中小田井学区委員長)にご協力をお願いし、西区中小田井学区で活動されている6人の町内会長さんにお集まりいただき、お話をお聞きしてきました。

若い世代で役員になった苦労、忙しい生活の中での工夫、心境の変化、そして活動の中で発見した楽しみなど、たくさん語っていただきました。地域で行う会議の後でしたが、皆さんたくさんお話ししてくださり、時間が過ぎるのがあっという間でした!

広報なごやでは、紙面スペースの都合で、全てをご紹介できなかったので、市公式noteで紹介します。

座談会のようにワイワイお話ししたので、けっこうなボリュームですが、最後まで読んでいただけると嬉しいなと思います。

この記事を読んでくださった皆さんにとって地域活動を始めるきっかけに、すでに参加してくださっている方にとっては地域活動の魅力の再発見になれば幸いです!

今回インタビューに参加してくださった皆さん(左上から時計回りに)
鷲見(わしみ)さん:町内会長歴10年
田中(たなか)さん:今年度から町内会長。任期は1年
池田(いけだ)さん:今年度から町内会長。任期は2年
渡邉(わたなべ)さん:今年度から町内会長。任期は2年
井上(いのうえ)さん:今年度から町内会長。任期は2年
本多(ほんだ)さん:今年度から町内会長。任期は1年

【西区中小田井学区】
昭和53年(1978年)に山田学区より分離して独立した、西区で一番新しい学区。7つの町内が活動。学区内にはマンションが多く建ち並び、人口も増加している。

https://www.city.nagoya.jp/nishi/page/0000041247.html

(――部分は、地域振興課が質問)

地域活動を続けるモチベーションは、「楽しい」と「うれしい」

――今日は、ありがとうございます。まず、皆さんが地域活動や役員をされることになったきっかけを教えてください。

(鷲見さん)
町内会の組長をしていた時にお祭りのお手伝いをしたことがきっかけですね。地域の皆さんに良くしてもらって、いろんな人と話ができてすごく楽しかったんです。
それもあって、組長ではなくなった翌年以降も手伝っていたら・・・町内会長にならないかって誘われました。町内会長が何をするかをわからないまま引き受けて、気が付いたら、10年も続けていましたね。町内会の皆さんに良くしてもらったっていうことは、大きいです。

町内会長1年目はわからないことばかりなのでとても大変だったんですけど、2年目は1回やったことをもう1回やるだけですし、誰に何をお願いしたらいいかわかってくるので、ずい分楽になりました。
それに、町内の秋祭りはすごく規模が大きいんですが、幸いなことにたくさんの方(今年は150名)が手伝ってくれて毎年助かっています。

(左から)山本委員長、鷲見さん、本多さん

(鷲見さん)
お祭りの準備や運営は大変なので全員が楽しめるわけではないと思いますが、その中の数人だけでも楽しめて、友達になってもらったら来年も一緒にやろうと頼みやすいです。また、飲みに行ったりして、困った時にお互いに相談できるっていう関係を作りたいと思っています。

(山本委員長)
組長や町内会長などの役員は1年や2年交代が多いですが、行事などいろいろな場面で、役員が終わった後も関わってもらえるといいなと思っています。「終わったからもう関わらなくていいや」という方や「声が掛からないからまぁいっか」という方もいますが、まずは、「また、手伝ってね」っていうところから始めています。

ーーコミュニケーションを大切にされていますね。地域活動には、災害が起こった時など困ったときのための「顔が見える関係づくり」という一面もありますしね。他の皆さんはいかがですか。

(田中さん)
今年町内会長になって、初めて学区主催の夏祭りに関わりました。焼きそば担当だったんですが、とても大変でした(笑)。でも終わってみたら楽しかったんです。

その後、秋祭りは自分たち町内会の主催で開催しました。何かを担当してお手伝いするのではなくて主催ということで、訳がわからないまま始まったんですけど、町内会の皆さんに支えていただいて。大変でしたが、楽しかったです。主催は大変だけど、今後も、担当としてお手伝いするのであればいくらでも協力したいですね。

模擬店もお祭りの楽しみですね!

(鷲見さん)
主催も、協力も、慣れですよね。初めての時は、わからなくてずっと走ってた印象しかありませんが、慣れてきたら、次何が起こるか大体予測できます。

ーー田中さんも、大変だったけど、今後も手伝いたいなって思えたんですね。

田中さん

(田中さん)
地域の皆さんや子どもたちの笑顔がすごくうれしくて、頑張ってよかったなって思います。

ーー子どもたちが喜ぶことがやりがいだと、皆さんよくおっしゃられますね。

(鷲見さん)
僕も中小田井の出身で、子どものときのお祭りが楽しかったんですよ。大人になって、今度は自分が手伝う番になったという感じですね。僕らが楽しかったから、子どもたちにも楽しんでほしい。そして、祭りを通して大人もそれで仲良くなって一石二鳥だなと思っています。

夏祭り

(井上さん)
私の地域の秋祭りも楽しかったです。最初は責任で押しつぶされそうになったりしましたが、ずっと昔から町内会長をやってらっしゃる方がアドバイスをくださったので、初めてでわからないことだらけでも、進めていけましたね。

自分たちだけで責任感を感じて、勝手に押し潰されるのは違うと思っています。甘えるという言い方は変ですけど、昔から町内のことを考えてやってくださっている方たちのアドバイスを受けながらやっていくのは、その方たちの思いを大事にすることにつながると思います。ただ、準備している最中は楽しいという気持ちまではいけなかったです(笑)。

――今年1年目、来年こそ楽しめるのではないですか。

(井上さん)
楽しめるかな(笑) 
段取りとか、お天気とか、怪我とか。主催者側は不安をたくさん抱えますからね。

(鷲見さん)
2年やって、3年目に役員ではなくお手伝いで参加すると、今度こそ楽しめますよ。

(井上さん)
私は、昨年は組長で、今年から町内会長を務めます。町内会長が終わった後も、2年は役員を務めることになっているので、お手伝いまではまだまだ長いですね(笑)。

(左から)池田さん、井上さん

――井上さんは組長と町内会長として秋祭りに携わったということですが、違うところはありますか?

(井上さん)
組長は自分が担当として割り当てがあった分をやればよいけど、町内会長は全体を見なければいけないので大変です。何が足りないとか、準備段階で予測していなかったことが起こるので、当日対応しなければなりませんしね。

(鷲見さん)
予測できないことといえば、雨が降るとテントを片付けられないんですよね。あと2時間で終わるって時に土砂降りになったこともありました。翌日どころか乾かしてからしか片付けられないので、乾くように簡単に干して、結局3日後の昼間くらいにやっと乾いたところで「手伝える人お願いします」と人を集めました。
皆さんお祭り当日しか予定していないと思うんですが、手伝ってと急遽お願いしても、それでも来てくれる方がいたんですよ。そういう頼める関係が町内会の中でできているっていいなって思います。
大変なことも含めてお祭りの醍醐味かなと思います。大変だからこそ、終わった後の充実感や解放感がありますよね。肩の荷が一気に降りる感じ。

町内会長をするとつながりが広がる!

(山本委員長)
中小田井学区では、役員さんがうまく行事を行えるように、また、初めて役員になった方でもなじんでいただけるように、学区の年間の行事を考えているんですよ。初めて役員になった方が「どうやってやったらいいのかな」という雰囲気の中で、とりあえず町のごみ拾いを行って、人を集めるコツや、どんな方がいらっしゃるのかを把握できるように配慮します。

その次は防災訓練。中小田井学区では2000年に東海豪雨が起きたので、組織図や自主防災組織とかを全部確認してもらって、人の集め方や動き方、役割分担など防災の知識もつけてもらっています。

夏は、学区で中小田井公園でお祭りをやるんですよ。各町内から2張ずつテントを持ち寄って、模擬店はローテーションで行います。今年は1丁目町内会が焼きそばで2丁目町内会はみたらし団子という感じです。そうすると、他の町内に「去年はどうやってやったの?」と聞ける雰囲気が出てくるし、ノウハウを持ってから、町内主催の秋祭りにつなげられます。1年間通せば進め方がわかってくるし、そういう活動の中で人のつながりもできていきます。

(奥から)山本委員長、鷲見さん、本多さん、田中さん、渡邉さん

(鷲見さん)
つながりと言えば、秋祭りでは、それぞれ他の町内から、機材やテントを借りたりするんですよ。そのために日にちをずらして開催しています。

行列の先には模擬店があります

他にも、町内会の人数が少なくなってしまってお祭りが開催できなくなった町内会は、隣の町内会と合同で開催し始めたところがありましたよね。人口が減ったり、コロナ禍で中断していたりしたけれど、「やっぱり交流事業がなくなるのはよくない!」と、2つの町内会がくっついて新しい「原フェス」というお祭りを立ち上げました。本当に辞めちゃうと、地域活動って再開するのが難しいですよね。こういった事例を聞くと他の町内会とのつながりも大切だなって感じました。

(山本委員長)
2000年に東海豪雨で地域活動の資料も全て無くなってしまった中、当時の学区をまとめていた方をはじめとしてどうやって人を集めるかなど工夫してきました。これからは、今の世代の方たちと、新しく引っ越してきた方など、これから担う世代とのつながりを作っていきたいですね。

(鷲見さん)
青年部、おやじの会なんかもやってみたい。おそろいのTシャツを着て、手伝いますよっていう取り組みをしている地域を見るといいなあと思います。

めんどくさいことをして仲良くなるのが地域活動(笑)

――地域活動をしていてよかったなということはありますか。

(井上さん)
しんどいことの方が多いよね。でも、お祭りは楽しかったです。

(渡邉さん)
活動していなかったら知り合わなかった人に出会えたことです。仲良くお茶を飲む関係にもなれました。

渡邉さん

(鷲見さん)
最初はみんな距離があるんですが、お祭りとかで全員で苦労を味わうと、連帯感が生まれてきて、とても仲良くなるんですよね。

あと、地域にはいろいろな方がいる。話が面白い方や得意なことがある方など、知り合えば知り合うほど、生活が楽しくなります。

(山本委員長)
小学校が雨漏りした時、みんなで対応しましたよね。

(田中さん)
みんなに顔を覚えてもらって、かわいがってもらったり「頑張ってるよね」って言ってもらったり、嬉しいですね。

(左から)本多さん、田中さん、渡邉さん

――地域活動がどのように変わっていけば、もっとみんな参加しやすくなると思いますか。

(鷲見さん)
自治会の役員をやれって言われたら誰でも腰が引けますよね。

(田中さん)
紙の資料が多いということに驚きました。スキャンしてデータ化したり電子化に向けて工夫してみましたが、高齢の方も多いので、アプリの入れ方がわからない…みたいな課題もありますね。

(池田さん)
最近、役員同士は、LINEでつながっていて、気軽に相談できるのはすごくいいですよね。
LINEのやり取りをすることで会話が生まれて孤独にならないで済みます。

(鷲見さん)
昔は会議で何度も集まったり、家を訪ねたり電話したりしても留守だったり…大変でしたね。今はLINEやGoogleフォームなど便利なものがあるので省力化できています。
でも、めんどくさいことをみんなで一緒に一生懸命やって仲良くなるのも地域活動の目的の1つかなと思っています。過去の人が試行錯誤して今の形になっているものもあります。省いていいところとそうじゃないところを分けてやっていくことが大事だと思います。

また、長い方がいるとその方1人に町内会長などを任せがちで、新しい方が町内会長をやりづらくなってしまうと思います。
その町内会は見た目は確かにすごくうまく回るんですが、その方がやれなくなったとたん、何もうまく回らなくなるんですよね。実際に僕が引き継いだ時もその人しかわからないことがほとんどという状態で、ものすごく大変でした。

だから、若い世代が仕事や育児と両立できるように、みんなでちょっとずつ役割分担して、みんなが楽しく参加できるような地域活動をやっていきたいなと思います。義務でやらされたら楽しくないじゃないですか。気負わなくていいから、できる範囲でできることをみんなでやっていく雰囲気ができれば、もうちょっとみんなで気軽にできるのかなと思います。

(左から)山本委員長、鷲見さん、本多さん

地域活動のおすすめポイント

ーー最後に、地域活動のおすすめポイントややってみてよかったということを教えてください。

(鷲見さん)
若い時は人と知り合う機会がたくさんあるけど、年をとると近所の人との付き合いが中心になってくると思うんです。これからこの地域でずっと住み続けることを考えて、若いうちに近所に友達を作った方が絶対楽しいと思います。地域活動をすると、知り合い、友達がたくさんできるっていうことが1番いいことだと思っています。

(本多さん)
役員をやっていると「ありがとう」といろいろな方に声を掛けてもらえることがとてもうれしいです。年齢も男女も問わず、いろいろな知り合いができるし、地域のことが好きになると思います。散歩していても、声かけてもらったりして楽しくなって、地域活動をしていてよかったなって思います。

(田中さん)
デジタルデトックスになります。地域活動中にはスマホを触らずに活動しているので、SNSやネットで疲れたときに、ちょっとした癒しになります(笑)。

(渡邉さん)
内容も大変ですし、集まりも多いし、とにかく大変なんですけど、知り合いが増えますね。スーパーに行っても必ず誰か1人は、こんばんはとかこんにちはって挨拶ができます。それがとても嬉しいです。

(池田さん)
地域にある施設をずっと知らずに過ごしてたんですけど、地域活動を始めて、ここに防災倉庫があるよとか、災害が起きたときどこに行けばいいか、何をすればいいのかとか、どんな人が住んでいるのかとか、自分の住んでいるところを知ることができたっていうのはすごくよかったです。

(井上さん)
皆さんと同じように、知り合いが増えたっていうのはよかったですね。あとは、お祭りとか歴史とか、この町内のことを知ることができたっていうのがすごくよかったなって思って、ますますこの地域が好きになりました。

――中小田井学区の皆さん、ありがとうございました!

最後に

皆さん、いかがでしたでしょうか。

「地域活動を行うことにメリットってあるの?」と言われてしまいがちな昨今ですが・・・
大変なこともあるけれど、やった後の達成感、子どもの笑顔など、いいこともたくさんありますよ!
何より、座談会の皆さんが「知り合いが増えた」「友だちができた」とおっしゃってくださったこと、そして座談会後の皆さんの笑顔がそれを物語っていて、私たちもとても温かい気持ちになりました。

この記事を読んで、皆さんが、ほんのちょっとしたことでも地域活動に参加してくださると嬉しいです!
地域活動に参加したいけど、情報が無い・・・という方は、まずは、お住いの地域の町内会長さんに聞いてみたり、掲示板やホームページを探してみてください。
町内会長さんの連絡先が分からない場合は区役所地域力推進課へおたずねくださいね。

最後になりますが、お知らせです。
名古屋市では、誰もが参加しやすい地域活動を目指して、「ホンネPOST」から地域活動へのホンネを語ってもらう取り組みをしています。皆さんのホンネ、体験談もぜひ聞かせてください!

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