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紙の回覧版からSNSへ!地域をつなぐ、北区西味鋺学区の取り組みがスタート!

こんにちは、北区役所地域力推進課コミュニティサポーターの二宮です。

私たちコミュニティサポーターは、交通安全や防犯、町内の美化、高齢者や子育てのみまもり、防災の取り組みなど、住みやすいまちをつくるための地域活動を支援する職員です。地域活動を支援する中で出会った魅力的な活動や課題解決のコツ、地域活動の舞台裏などを名古屋市公式noteの中の「ミンナノまちづくり」マガジンとして発信しています!

今回の記事では、地域活動や地域行事の情報を伝達するためにLINE公式アカウントを運営している北区西味鋺(にしあじま)学区を紹介します。紹介にあたり、北区西味鋺学区連絡協議会の大西委員長とLINE公式アカウント運営者である野村さんに取材を行いました。

SNSでの地域情報の発信に取り組みたい皆さんの参考になれば幸いです。

西味鋺学区での取材の様子

はじめに

「回覧板って一体いつ回ってくるのだろう?」
「自治会って何をしているのだろう?」

皆さんはこんな疑問を抱いたことはありませんか?
西味鋺学区では、住民のこうした疑問を解決するため、2024年夏にLINE公式アカウントを導入し、SNS上で地域住民とつながり始めました。

なぜLINE公式アカウントを導入したの?

従来の紙の回覧板では、情報が全員に届くまでに約2週間掛かっていました。そのため、最後の住民に届く頃には、掲載内容の申込締切を過ぎてしまうこともあり、不公平な状況が生じていました。特に子育て世代や働く世代にとって紙の回覧板に頼った情報伝達は不便で、時間が掛かってしまうことがあります。

その対策として、最初は、学校で紙を配布することによって情報伝達を試みていました。
しかし、印刷費用が掛かり、環境にも負担が掛かるため、改善が必要でした。
そこで、西味鋺学区では、LINE公式アカウントを導入し、より多くの人に一斉に情報を届けることを決めました。

西味鋺学区の公式LINE開始のお知らせ

また、LINE公式アカウントについては、登録者数が増えてくるとサービスの利用料がかかってしまいますが、名古屋市の補助金が活用できるということも大きな後押しになりました。

名古屋市のモデル事業募集チラシ

西味鋺学区のLINE公式アカウントの運営について

西味鋺学区のLINE公式アカウントでは、地域の情報を月に2~3回発信しています。
登録者数は、2024年6月時点では約40人でしたが、運営開始から4カ月経った11月には180人に増加しました。

①登録者増加の工夫

西味鋺学区では、地域行事(夏祭り・運動会など)でLINE公式アカウントの登録を促進するブースを設置し、広報活動を行いました。さらに、二次元コードつきのポケットティッシュを配布したり、登録してくださった方に市指定ごみ袋などをプレゼントしたりしました。

夏祭りの様子
行事で配布したポケットティッシュや市指定ごみ袋

②登録者増加の効果

西味鋺学区では、4年前から学区のホームページを運営していますが、閲覧数は月10件未満でした。
ところが、LINE公式アカウントを導入し、LINEで地域情報を発信する際に学区のホームページURLを配信した結果、月100件を超えるようになりました。地域情報がより多くの住民に届くようになりました。

大幅に増加したホームページの閲覧件数

住民の声

西味鋺学区のLINE公式アカウントでは、ごみの収集日やイベント告知、回覧板情報などを発信しています。

地域行事の告知

ごみの収集日をLINEのメニューに追加したのは、住民からの要望がきっかけです。時間が経つと忘れがちな情報も手軽に確認できるようになりました。

LINEのメニュー画面

また、LINE公式アカウントを通じて住民が気軽に質問できるようになり、地域参加のハードルが下がりました。「LINEのやり方がわからない」という高齢の町内会役員さんの声を受けて、LINEの設定やアカウント登録の講習会も開催しました。

このように住民の声を取り入れていくことで、より便利なアカウントへと成長しています。

LINEで変わる、地域とのつながり

LINE公式アカウントの導入により、地域住民の新たなつながりが生まれています。

①未加入者への情報共有

これまでは町内会未加入者には紙の回覧版は届けられませんでしたが、LINE公式アカウントを使うことで情報が広がり、地域活動に参加しやすくなりました。
LINE登録者から「町内会未加入ですが地域行事に参加しても良いですか」という質問が寄せられることもありました。

②参加しやすい地域づくり

学生の選挙ボランティア募集では、LINEを活用することで、新たな学生とのつながりが生まれました。西味鋺学区では長年、地域の高校生以上の若者に選挙のボランティア活動を依頼してきましたが、LINEの導入により、新たにLINE公式アカウントでつながった住民に呼びかけることができました。
地域活動に気軽に参加してもらえるようになるなど、地域活動の活性化につながっています。

選挙ボランティア募集チラシ

③地域で子どもを見守る

子ども・若者に対する取り組みが活発な西味鋺学区では、子ども・若者へのLINE公式アカウントの登録促進を行っています。
きっかけは、子ども会の行事に大学生ボランティアが参加したこと。この大学生は、子どもの頃に子ども会への参加を希望していたものの、親の都合により叶わなかった経験を語ってくれました。この大学生の声から、西味鋺学区は、保護者の都合で子どもが家にいる時間が多い場合でも安心して過ごせるように、また、地域の情報に気軽にアクセスできるように、SNSを活用した情報発信を強化しています。
例えば、LINEの投稿では、子どもたちの見守り活動を行っていることを積極的に発信し、子どもたちに向けたメッセージを添えることで、より身近な存在として情報を届けています。

わかりやすく読んでもらえるように、文面(文章)が工夫されています。

西味鋺学区が今後したいこと

西味鋺学区では、LINE公式アカウントをさらに活用し、より活発でつながりの強い地域を目指しています。

①LINE公式アカウント未登録の方・町内会未加入の方への周知活動

西味鋺学区では地域行事の際にLINE公式アカウントへの登録促進を行い、登録者を40人から180人まで増やすことができました。しかし、まだまだ登録していない人の方が多数であるのが現状で、未加入の方への周知方法には課題が残ります。
今後、西味鋺学区では学校での紙面配布することによってアカウントの周知を検討していますが、それでは学校に通っている子どもの世帯にしか情報が届きません。今後も効果的な周知方法を考えていく予定です。

②高齢者の方へのサポート

西味鋺学区では、これまでスマートフォン操作に不慣れな高齢者向けに、LINE公式アカウントを利用してもらうための講習会を実施してきました。
しかし、通知が増えるのが嫌で登録をためらったり、ブロックしてしまったりする方もいらっしゃるようです。
そこで、投稿の通知をミュートにする方法なども講習会でお伝えすることで、より多くの方々にLINE公式アカウントの登録を促し、登録者を増やしたいと考えています。

③すべての子どもや住民が公平に楽しめる地域活動を目指して

今回取材した大西委員長と野村さんは、「地域活動への参加の公平性」が大切だと話してくださいました。
西味鋺学区では、地域活動の機会をすべての住民に開く取り組みを進めています。例えば、コミュニティセンターやそのWi-Fiを一般利用者にも開放し、子どもや子育て中の保護者が気軽に利用できる環境を整えています。

また、週末に大西委員長が行う学校の運動場開放では、「PTAに入っていないけれど、遊んでもいいですか?」と尋ねる子どももいるそうです。これに対して、「もちろん、誰でも遊んでいいよ」と答えています。
西味鋺学区は、地域の一員であれば誰でも参加できる、開かれた地域活動の実現を目指しています。

夏季にはコミュニティセンターのクールシェアを行いました

西味鋺学区のLINE公式アカウントは、はじまったばかり。
それでも少しずつ、新たな地域のつながりをつくるコミュニケーションツールとして、役割を果たしています。
今後の取り組みが楽しみですね。

最後に

地域活動は、ただ単に地域を良くするためだけではなく、私たち一人一人がより豊かな暮らしを送るための大切な機会です。
しかし、現代社会では、地域とのつながりが希薄になりがちです。
新たなデジタルツールやアイデアを活用し、地域で暮らす人々が気軽に交流できる場を創出することで、より住みやすく参加しやすい地域づくりを実現できるよう私も関わっていけるといいなと思っています。

LINE公式アカウントはじめSNSを活用した地域活動の情報発信、取り組んでみたいと思われた地域の皆様、区役所地域力推進課へご相談ください。コミュニティサポーターがサポートさせていただきます!

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