見出し画像

きしめん揚げちゃいました!きしめんをお菓子に商品化した大学生の取り組み

名古屋市広報課です。
「なごやめし」の一つである「きしめん」を新たな形で提案をする、大学生が作成した記事です。

コロナ禍で対面の打ち合わせがままならない中、オンラインなどを駆使し、商品化するまでの苦労、コンテストで受賞した経緯などの過程が丁寧に書かれています。

学生の皆様の奮闘ぶり、皆さまにも是非お読みいただけると幸いです。

(何故名古屋市公式noteで記事が掲載されているかは、最後の方で触れています。)

ご挨拶と簡単な自己紹介


初めまして!
愛知学院大学 なごめんプロジェクトです。

突然ですが読者の皆様、きしめんってご存じでしょうか?

きしめんは麵が平らに延ばされたうどんのようなもので、愛知県の伝統的な食べ物なのですが、実は近年その消費量は落ち込んでしまっています…

おいしくて、歴史もあるきしめんに再びスポットライトを当てたい、そんな思いから愛知学院大学の学生の中から立ち上がった我々「なごめんプロジェクト」はさまざまな活動をおこなっています!

きしめんを使った商品の開発やSNSでの広報活動、店頭販売 etc...

そんな多岐にわたる活動の中の一つ、「きしめんチップス」が令和3年4月に販売が開始されました!

きしめん②
「きしめん揚げちゃいました!」


このキャッチコピーにウソ偽りなく、本商品はきしめんを揚げることによってお菓子としても、おつまみとしても楽しめるようになっております。

実はこのきしめんチップス、とあるビジネスプランコンテストに出品されておりまして…

おっと、このお話は記事の本文でご紹介させていただくんでした。
そんなわけで本記事はそのコンテスト挑戦した学生 長井慎さん、蔡 現湖さん(チェ ヒョノ)へのインタビュー記事となっております。

コロナ禍での活動の苦労と工夫をお聞きした後、コンテストについてお二人のこだわりをお聞きしてきました!

2020年なごめんプロジェクトメンバーとして彼らが経験した困難、そして成功とは?どうぞお楽しみください!


本記事で紹介させていただくビジネスプランコンテストは、ユースエンタープライズという学生によるコンテストです。
詳しく知りたいという方は、以下のURLから公式HPへ行くことができます。
http://www.youthenterprise.jp/ 

きしめん③
(なごめんプロジェクト2020年 メンバー)




以下「」内の太字はインタビュー中に実際にお二人が発言した内容となっております。

コロナが及ぼした影響


世界に大きな影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症の感染拡大ですが、それは我々なごめんプロジェクトの活動にとっても例外ではありませんでした。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、活動の多くはオンラインでのものになり、思うようにはいかないこともたくさんあったのです…

Q コロナウイルスによる活動への影響はどんなものがあったのでしょうか?

「コロナによってオンラインでの活動を余儀なくされたことで、正直やる気が出ないなぁと思うことがありました。」

「基本オンラインでのコミュニケーションだったので、その点はやはり難しかったですね。」

どんな取り組みであろうとも仲間との協力、コミュニケーションは必須。
今まで当たり前のように伝わっていた感情は画面越しではなかなか伝わらないのです…

しかし

なごめんプロジェクトへの気持ちをもう一度奮い立たせ、熱心に活動に取り組んでいました。

「オンラインだとお互いの雰囲気がわからないテキストでのやり取りが中心になるので普段なら簡単に伝わることが、伝わらないんです。
ですから自分の意見を長文で、しかもこまめにグループチャットに書き込んでいました(笑)」


発表を担当した、ヒョノさんはそう語ってくれました。

直接顔を見ることができないテキストだけの会話には、どことなく発言のしにくさが漂っていたのでしょう。しかし、ヒョノさんはそれを打破しようと上記のような工夫を行っていたそうです。

ヒョノさんのあたたかい気遣いがインタビューしている我々にも伝わってきました。


二人が持っていたこだわりとは


そんな大変な状況でも、なごめんプロジェクトはビジネスプランコンテストに挑戦しました。その中心となっていたお二人は発表において、あるこだわりを持っていたようです。

Q 発表において、こだわりを持っていたとお聞きしました。そのこだわりとはいったい何なのでしょう?

「理念を伝えるということを常に意識していた、ということですね。」

6年間にわたって続いてきたなごめんプロジェクトには「きしめんに現代における食の役割をあたえつつあらたな郷土食としてきしめんを継承発展させる提案を行う」という理念が存在します。

「受け継がれてきた理念というバトンをしっかりと伝えることだけは、絶対に外さないようにこだわりました」

物事を相手に伝えるとき理由を説明してから内容を伝えるべき、という考えをお二人は持っているそうです。

プロジェクトを遂行する上で欠かすことのできない理由とは?
それは長井さんがおっしゃるように、理念なのです。

実際に発表で使用されたスライドの構成は、自分たちの活動の原点、つまり理念の説明から始まり、その次に商品の話に移っています。

彼らのこだわりはしっかりと発表に落とし込まれていました。

きしめん④
(オンラインでおこなわれた、コンテストの様子)


この理念を忘れない姿勢こそが、なごめんプロジェクトの最大の強み
であり、素晴らしい点だと自信をもって言うことができるでしょう。本プロジェクトは大学内の授業の中で運営されているものです。つまり、当然のことですが、「携わる学生は変わる」ということになります。

なごめんプロジェクトとしての理念、目指すべきものというものがこれだけはっきりとしているからこそ、6年間にわたって学生たちがきしめんに情熱を注ぐことができます。

なぜ、きしめんがすたれていってしまうのか?
名古屋の伝統と文化を守るために我々にできることは無いのか?

代が変わり学生が変わってもこの思いは変わることがないのです。

そしてこの熱い思いと本気の取り組みは、審査員の方々の気持ちを大きく動かし、京都中小企業家同友会賞という栄えある賞を受賞するに至りました。

受賞したときのことをお二人はこう語ります。

「非常に嬉しかったのはもちろんですし、オンラインという今までに経験のない特殊な環境の中でも自分たちがやってきたことは間違いではなかったんだ。という自信にもなりました。」

きしめん⑤
(オンラインでおこなわれた、お二人へのインタビュー風景)


授業を通して二人が学んだこと

「チームで作業する上で役割分担を行うことが大切だと学びました。その際焦点を当てるべきなのは各人の弱点ではなく、強味です。チームの中にはいろいろな人がいます。それぞれ得意なことや、興味のある分野は違ったりもしますが、その長所をどのように活かすことができるのか?その考えがとても大切だと感じました。」長井慎さん

「コミュニケーションの大切さ、そしてコミュニケーションは積極的にとりにいくほうが良いということを学びました。オンラインという特殊な環境でも、長文の意見を述べたりしたみたいな積極性ですね(笑)しっかりコミュニケーションをとって、楽しんで活動することを学ぶことができたと思います。」蔡 現湖(チェ ヒョノ)さん

きしめん⑥
(2020メンバー 記念写真)

筆者挨拶


この記事を書かせていただいた、愛知学院大学2年の河野です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。今回取材させていただいた先輩方は、代替わりで今は授業におりません。しかし、今回インタビューからこの文章にまとめるまでを通して、先輩方の熱い思い、そして理念をしっかりと継承していかなればならないと、強く感じました。自分たちの代でも受け継がれてきたバトンを絶やさず、もっといいものにして次の世代に渡せるように、楽しんで、活動を続けていこうと思います!

今回紹介させていただいたなごめんプロジェクトが(株)角千本店 様と共同開発し、販売されているお菓子によし、おつまみによし、きしめん揚げちゃいましたがキャッチコピーの「きしめんチップス」ぜひお買い求めください!

最後になりましたが、我々なごめんプロジェクトの記事をなぜ名古屋市の広報に掲載していただいたか、ということを名古屋市の皆様へのお礼とともに説明させていただきます。

コロナ禍で対面の販売が難しく、人と人との接点をいかに無くして販売するかが課題となりました。人と人との接点が少なくて済むということで、自動販売機の設置で話は進みましたが、新たな設備投資となると負担が厳しいという現実も。

困っている中で、「中小企業の新しい生活様式・働き方対応支援補助金」というものを知りました。コロナ禍における新しい生活様式に対応した事業展開・働き方への対応に必要となる設備・機器等の導入に要した経費の一部が助成されるというものです。

今回、地元企業である角千本店様が制度を活用され、実際に設置された自動販売機がこちらです。

愛知学院大学内にある、きしめんチップスが販売されている自動販売機。どなたでもご利用いただけます。(学内には、一般の方が利用可能な駐車場はございません)

コロナ禍で出来ないことも多くありましたが、コロナ禍だからこそのアイデア・実践もあり、「きしめんチップス」を通じて多くの学びを得ることができました。

このようなご縁と名古屋市のご厚意によって、記事を書かせていただきました。
この場を借りて、お礼を申し上げます。

きしめんチップス購入方法

ここまで読んでいただいた方の中には、「どこで買えるの?」と思われた方もいるかもしれません。

もちろん、私たちが通う愛知学院大学の校内(名古屋市北区名城3-1-1)にある自販機で購入も可能ですが、コロナ禍で学生も校内に行けないという時もあり、また学生や大学の関係者じゃないと入りづらいということもあるかと思います。

そこで皆様が訪れそうな場所として、
・名古屋城正門横売店・内苑売店(名古屋市中区本丸1-1)
・刈谷ハイウェイオアシス(刈谷市東境町吉野55、伊勢湾岸自動車道)
で、「きしめんチップス」を見つけて、そして購入していただけると嬉しいです。
(販売は令和4年1月現在)

インターネットの検索で「きしめんチップス」と入れていただき、オンライン販売のものを探していただくこともできるかと思います。

一人でも多くの方に「きしめんチップス」を知っていただければ幸いです。

最後に

改めまして、名古屋市広報課です。

今までに市公式noteの記事にインタビューなどで学生が出てきたことはありますが、学生が書いた記事としては今回が初となります。

学生の皆様も学びがあったかたと思いますが、私たちも学生の視点で書かれた記事から学びを得ました。

学生が記事を書く、大学との連携による記事、今後はそういった記事も上げていければと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。