名古屋港水族館、名古屋市役所の運営ではないんです、、、でも名古屋が誇る施設なので取材してきました!(ウミガメの話が多め)
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名古屋港水族館、名古屋市役所の運営ではないんです、、、でも名古屋が誇る施設なので取材してきました!(ウミガメの話が多め)

名古屋市広報課の丸澤です。
以前に東山動植物園の記事を掲載しました。

名古屋市役所、私も異動先として東山動植物園があるという話を友人などにすると、「じゃ、名古屋港水族館も異動あるんだ!」と言われることが結構あります。
名古屋港水族館、異動先としてはないです。
なぜなら名古屋港水族館は、名古屋市役所ではなく名古屋港管理組合の関連団体の「公益財団法人 名古屋みなと振興財団」が管理運営をしているからです。

名古屋港には名古屋海洋博物館、南極観測船ふじといった、見て勉強になる施設もあり、こちらも名古屋みなと振興財団が運営しています。
名古屋港水族館のSNSも名古屋みなと振興財団の職員の方が発信していますが、毎回癒される動画が多く、広報に携わる職員として注目しています。

002南極観測船ふじ

003海洋博物館

ということで、今回は名古屋みなと振興財団の担当者の方にインタビューするため、名古屋港まで来ました。
インタビュー相手は名古屋みなと振興財団の事業部営業企画課の佐藤ちづるさんと、ウミガメ担当飼育員の森昌範さんです。
(報道で名古屋港水族館のウミガメの産卵が良く取り上げられていて、またプラスチックごみの問題でもウミガメが話題として出てくるので、今回はウミガメ担当飼育員の方に話を聞いています。)

そして今回の記事を見ていただいた方、是非とも名古屋港水族館には公共交通機関をご利用のうえ、名古屋港までお越しいただけると幸いです。

004地下鉄写真

【自己紹介、職員採用、仕事内容】


(―は丸澤が発言)
―初めまして、簡単に自己紹介をお願いします。
佐藤:公益財団法人 名古屋みなと振興財団で広報を担当しています佐藤です。

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(写真、左が丸澤、右が佐藤さん、)


―早速ですが、私のような文系人間でも水族館で働くことは可能でしょうか?
佐藤:飼育員だけでなく、事務職も何人も働いていますので可能ですよ。毎年採用があるわけではないので、ホームページで採用情報をチェックしていただければと思います。
事務職の場合は、名古屋みなと振興財団は南極観測船ふじ、名古屋海洋博物館などの管理運営も行っていますので、どの仕事に就くかは入ってからとなります。
そのあたりは市役所や、企業などでも同じではないでしょうか。

―私でも採用されたら水族館で働ける可能性があるんですね!ちなみに佐藤さんの普段の仕事内容など教えてください。
佐藤:水族館の展示やイベントについてマスコミに発表したり、マスコミからの問い合わせ・取材に対応したり、皆さまにも見ていただけているものの中にはHPやSNSがありますが、そういった発信の業務も広報の仕事です。SNSの動画の発信は、普段から生き物と接している飼育員に撮影をお願いすることもあります。

―名古屋港水族館のウミガメ、産卵がニュースで取り上げられるのを何回も見ていて、またプラスチックごみの問題でウミガメが話題になっているので、ウミガメの飼育員の方からお話を聞くのは可能ですか?
佐藤:はい、事前に話を伺っていましたので、担当の森に話をしていますので大丈夫ですよ。ただ、こちらはお客様も多くいますので、「カメ類繁殖研究施設」へ移動しましょう。

―名古屋港水族館には何回も来たことがありますが、すみません、、、「カメ類繁殖研究施設」は初めてです、、、
佐藤:南館の出口を出ていただきますと、こちらに案内のポスターがあります。こちらは無料ですので、水族館の開館日はいつでもウミガメを見ることが出来ますよ。普段こちらで飼育員が解説するということはないですが、ウミガメについてのパネル展示があったり、館内にはいないヒメウミガメもいたり、名古屋港水族館にお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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(カメ類繁殖研究施設の外観)

【水族館の意義】

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(右側が飼育員の森さん)


―すみません、早速ですがお名前と水族館の意義について教えてください。
森:名古屋港水族館でウミガメの飼育担当をしている森と言います。
水族館には動植物園と同じく、「レクリエーション」、「種の保存」、「調査・研究」、「学習・教育」の4つの役割があります。
関心を示していただいた名古屋港水族館のウミガメは、これら4つの役割すべてに深く関わっていると言える生き物です。「レクリエーション」という点では、展示生物としては抜群の知名度で大人気の動物ですし、「種の保存」は、子ガメを放流して野生個体数の回復に貢献する取り組みを長年行っています。「調査・研究」では、GPS発信機を甲羅に取り付けたアカウミガメを放流し、その回遊経路に関する調査など、生態解明のための研究を行っています。「学習・教育」では、海洋ごみ問題などの環境問題を語るとき、ウミガメは象徴的な動物なので、その題材として活躍します。このように、すべての役割に深く関わりを持つウミガメは名古屋港水族館のエースのようなポジションだと私は考えています。

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―名古屋港水族館はウミガメが産卵し、毎年ふ化するニュースが流れていますよね。
森:名古屋港水族館にとって、ウミガメの繁殖は一つの大きなアイデンティティと言っても過言ではありません。これだけウミガメに力を入れているのは名古屋港水族館の強みで、ウミガメへの力の入れ方はどこにも負けていないと自負しています。

【ウミガメと環境について】


―ウミガメは砂浜の温度によって雌雄が変わると聞きますが、水族館での温度管理はどうされていますか?
森:卵を温める温度が29℃より低いと雄、高いと雌が生まれやすくなります。温度依存性決定と呼ばれる性質で、卵の発生途中の温度で性が決まります。
名古屋港水族館では生まれるウミガメの性比が不要に偏ることがないように、雌雄50:50で生まれてくる温度である29℃を目安に温度管理をしています。ただ実際に生まれてくる比率が50:50かは分かりません。何故なら生まれた瞬間は外見で雌雄が分からないからです。
雄は成長して太い尻尾が出てくるんですが、子どものうちは未成熟だから出ていないのか、雌だから出ていないのかが分からないです。仮に判断しようとすると、お腹に穴をあけて臓器などを調べるということになります。そういう所もウミガメの生態の不思議なところですね。

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―温暖化現象など、地球規模で環境の変化が起きているので、雌しかいない、雄しかいない、そんなことが起き得るのですね。
森:はい、温暖化によって砂浜の温度が高くなると、雌の比率が高くなることにつながる可能性があります。そうなると、本来の雌雄バランスが崩れることになり、雌が交尾相手となる雄を探しても見つからず繁殖できないということになりかねません。ただでさえ絶滅の危機にあるウミガメ類の個体数減少に拍車がかかることになりますよね。

―以前聞いたことある話で、ビーチリゾートに大型ホテルが建って、砂浜に影ができることで砂浜の温度が上がらないという話も。人間の行動がウミガメに大きく影響を与えていますね。
森:防災工事や開発によって自然豊かな砂浜が減ってきて、ウミガメの産卵場所自体が減っていると言われています。
それ以外でも、海に流れ出たプラスチックごみを食べたウミガメなどの生物が死んでしまうことも問題視されています。
人間の社会生活の影響が見えない・気付かない部分で他の生き物の生死や運命に大きな影響を与えているのが現実と言えるのではないでしょうか。
名古屋港水族館のウミガメを通じて、そんな環境問題への関心を深めるきっかけとしてもらいたいですね。

【ウミガメと生存について】

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―ウミガメは1回で100個前後と多く卵を産みますが、自然界で実際に生き残るのはどれくらいですか?
森:100分の1も残らないはずです。例えばミシシッピアカミミガメは1シーズンに複数回産卵し、合計50個くらいの卵を産みます。その程度であっても生息数は増加の一途を辿っています。一方、ウミガメは1シーズンで300個くらい産みますが、絶滅の危機がいまだに叫ばれているということは、減少の一途を辿っていると言えるのではないでしょうか。実際は外敵の数や生息環境が異なるので正確な比較とはならないですが、ウミガメが100分の1の確率で生き残るのであれば、少なくとも絶滅危惧種にはなっていないと思います。

―種の保存という役割で、水族館、カメ類繁殖研究施設がある名古屋港水族館があるということは、名古屋の誇りですね。
森:名古屋港水族館で生まれた個体が成長して、今は孫世代が生まれています。開館から30年近くたって、ようやく孫世代まで辿り着きました。また数十年経つと、ひ孫世代になるでしょうが、数十年後だと今の飼育スタッフはいるのかな?(笑)それぐらい気の長い研究なんですけど、地道な積み重ねを続けないことにはウミガメの生態の解明にはつながらないし、保護にもつながらないです。結局は地道な毎日の積み重ねが一番の近道なんだろうなと感じています。付き合いの長くなる動物ですよ(笑)

【最後に】


名古屋港水族館、ウミガメ以外にも沢山の種類の生き物がいます。シャチやイルカ、ベルーガ、ペンギン、、、、数えだしたらキリがないです。レクリエーションとしての施設として名古屋が誇る施設の一つですが、常設の環境教育ルームである「エコ・アクアリウム~海の未来を考えよう~」にもお越しいただきたいなと思います。

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私たちの行動が、水族館にいる生物の個体数の減少に拍車をかけているかもしれません。
将来の世代が、「まだ数十年前までこの生物はいたみたいだけど、乱獲じゃなくて親の世代がごみを海に捨てていたのが絶滅した原因みたいだよ。」と言うのが、現実として起こり得るような気がします。
「鶴は千年、亀は万年」
名古屋港水族館にいる孫世代のウミガメ達、これからも繁殖に成功して、1万年後もウミガメ達が生存している世の中でありますように。

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今回は取材にご協力いただきました、佐藤さん、森さん、本当にありがとうございました。
また、名古屋港水族館以外にも、港エリアは面白い所がありますので、名古屋みなと振興財団にはインタビューしにいきます。


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