秀吉のまち、中村区を歩こう♪あたたかい飲み物でほっこりロード
こんにちは!広報課の小川です。
寒い日が続いていますが、皆さんおうちに引きこもっていませんか?
今回の#なごやを歩こうでは、名古屋駅から続く「太閤秀吉功路」を紹介したいと思います。
皆さん、「名古屋駅」こと「駅」の西側というと、住んでいる人以外はなじみのない人も多いのではないでしょうか?
実は、歩いて行ける範囲に、豊臣秀吉ワールドが広がっているのです!
今回はそんな秀吉のまち、中村区を、広報なごや1月号#なごやを歩こうでレポーターを務めていただいた中村区役所の辻村さんと共に、生まれも育ちも中村区の小川が紹介します。
飲食店などが立ち並ぶ繁華街 駅西銀座通商店街
スタートは名古屋駅の西側。JRの新幹線側の出口、太閤通口を出ると、「太閤秀吉功路」の案内板がここにあります。
太閤秀吉功路のルートをこの案内板で確認して、さあ、スタートです!全長約3km、約50分のコースとなっています。
辻村さん:
太閤秀吉功路沿いには、30基の太閤秀吉モニュメントがあって、秀吉が生まれてから天下統一を果たすまでの大出世ストーリーをたどることができるんですよ。
1つめのモニュメントはここ。少しわかりにくい場所になっているんですが、皆さん、写真を頼りに探してみてください♪
1つめのストーリーは、「一 日吉丸(秀吉)、尾張国愛知郡中村で誕生」です。
辻村さん:
モニュメントの下にある二次元コードをスマートフォンで読み取ってみてください♪
なんと!!このレリーフの絵が、動き出すんですよ。皆さんには、特別にこのストーリーのMOVIEをお届けします。
残りのストーリーは、ぜひ現地で見てみてください!
道を進むと、椿神明社が見えてきます。まずはこの旅が楽しくなることを祈願。
少し前まで大きな木に囲まれている神社だと思っていたのですが、リニア中央新幹線の工事に合わせて移設した際、少しだけさっぱりしたようです。都会の中の神社ですね。
このあたりは、駅西銀座通商店街の一角。取材に訪れた日も飲食店などいろいろなお店に長い列ができていて賑わっていました。
一日中モーニングが味わえる 喫茶モーニング
わたしたちが訪れたのは、この駅西銀座通商店街にある喫茶モーニングさん。
この喫茶モーニングは、名古屋市が行っている「商店街商業機能再生モデル」において、空き店舗になっていたお店がリノベーションしてできた喫茶店。
中に入ると…古民家の風情が残ったまま、レトロで素敵な雰囲気が広がっています。
一日中、名古屋名物の「モーニング」が楽しめるお店になっているのです。
この日は、モーニングとタコライスをいただきました。
店員さんのおすすめは、ドリンク代に+200円で注文できる小倉トーストセット。
今回は、ドリンクはコーヒー(550円)にしたので、750円でこのセットをいただくことができました。普通のトーストであれば、550円のみ!
喫茶モーニングの市野さん:
この小倉トーストの小豆は大納言。コーヒーは自家焙煎をしています。こだわって結構いいものを使ているので、この値段ではほとんど利益が出ないんです…。
近くでゲストハウスも経営しているのですが、ゲストハウスに来たお客さんにも名古屋駅の近くで、本来のモーニングを味わってもらいたいと思い、ほぼ飲み物代でトーストなどがついてくるというスタイルを続けているんです。
皆さん、本当にお得なモーニングですよ!おまけに、小倉トーストは絶品です!ごまかしのない、固めに炊いた程よい甘さの大納言小豆とバターが絡み合い、高級な洋菓子をいただいているよう…200円をプラスしていただくだけの価値はあります!(小川個人の感想です)
この卵にはかわいい目が付いていますが、キャラクターになっているのですか?
市野さん:
このキャラクターは、“ゆでたまこぞう“って言います。SDGsの観点から、皆さんのお皿で食べ残しを見張ってもらって、最後まで美味しく食べておうと誕生しました。”ゆでたまこぞう“は、2階の窓からも皆さんを見張っていますよ。
さて、腹ごしらえが済んだら、太閤秀吉功路に戻って進んでいきましょう。
古い町並みが今も点在する人情の町、大門
太閤通りに出て、大門の交差点辺りまでくると、大門商店街の入り口に差し掛かります。
ここは大門横丁。居酒屋さんなどの店舗が入っています。
昔懐かしい感じのする“みんなで駄菓子屋(仮)”
その一角に駄菓子屋が店を構えています。お邪魔した時は、ちょうど放課後の時間帯。地元の子どもたちが中でくつろいでいました。
ここで買った駄菓子にお湯を注いでもらって、駄菓子の即席めんを食べる子ども、カウンターでゲームを楽しむ子ども。遊ぶ道具は違えど、昔の駄菓子屋さんを思い出す古き良き光景です。
お店を経営するあいざわさん:
今日は撮影するのに人数がちょうどよかった!今日はたまたま男の子だけです。いつもは女の子のグループもいるので、お店がもっと人であふれかえっているんですよ。面白いことに、女の子たちがいると、話している会話の中身も変わるんですよ!
小川が小学生だったころは、身近にあった駄菓子屋さん。今はスーパーの駄菓子コーナーはありますが、町中ではあまり見かけなくなってしまいました。
この近くの小学生がとても羨ましくなり、わたしも童心に帰って、駄菓子を大人買いしてしまいました!
駄菓子屋を出ると、太閤通り沿いにモニュメントを発見!このモニュメントは金色です!
大門の町を少し歩くと、さまざまなところで昔の町の名残を見ることができます。
さてでは、次はメインエリア、中村公園エリアへと進みましょう。
豊臣秀吉誕生の地、中村公園
大門から歩いてくると目にするのは、大きな赤い鳥居!正面に回って見て見ましょう。
大鳥居のたもとには、「豊國参道」の表示があります。
この表示の裏側にもモニュメントを発見!
“三十“ということは、最後のモニュメントですね。
老舗 和菓子屋の孝和堂
そして同じく大鳥居のたもとにあるのが、創業80余年、昔から中村公園に来たら寄らずにはいられない孝和堂さんです。
お店に入ると、ガラスケースにはたくさんの和菓子。お邪魔した11月は季節商品として「栗おはぎ」が売られていました。
辻村さん:
夏場には、かき氷も販売されていて、とても人気だったみたいですよ!
いろいろな季節にぜひ訪れてみたいものです。
今回わたしたちがいただいたのは、「おはぎ」と「黄粉おはぎ」(通年販売)。
お店のホームページによると、名物はなんといっても「おはぎ」と「草餅」なのだそうで、きな粉好きの小川は、毎度こちらの「黄粉おはぎ」をいただいております。
店内にはイートインスペースはないのですが、店先に腰掛けられる椅子がおいてあり、混雑していなければそこで食べることもできそうです。
この日お出迎えしていただいたのは、四代目ご主人の南谷(なんや)さん。
南谷さん:
豊臣秀吉にゆかりのあるものであれば、こんな最中もありますよ。
選ぶのに大変時間がかかってしまいそうです…遅い時間だと、売り切れているものもありますのでご注意ください。
さて、おいしいものでお腹を満たした後は、中村公園へいざ出陣!!
辻村さん:
この参道では、9のつく日には、「九の市」が開かれていて、野菜や果物、衣料品などのお店が所狭しと並んでおり、平日の午前中にも関わらず大変なにぎわいを見せているんですよ!
道すがら、武将の案内板が設置されています。豊臣秀吉、加藤清正、蜂須賀正勝など、この地方出身の武将について知ることができます。
参道を進むと、やっと豊國神社の鳥居が見えてまいりました。
中村公園の中に位置する豊國神社。明治18年(1885年)に創建された豊臣秀吉を御祭神にお祀りする神社で、豊臣秀吉にちなみ、出世・開運・茶道・建設の神として親しまれています。
中村公園の愛称は、秀吉清正公園。公園ができたのは、明治34年(1901年)。神社が先にできて、公園が整備されたといったところでしょうか。
公園内には、幼き日の秀吉、「日吉丸となかまたち」の銅像があります。
光が差し込んでいるところは、とてもきれいでした。
豊國神社の拝殿は、このような感じ。
豊國神社の宮司、近藤さんです。いつも訪れるたびに興味深いお話をたくさん教えていただけます。
近藤さん:
拝殿は、台風の被害を受け令和2年に改修しているんです。その際、中津川市加子母(かしも)のヒノキを使ったのですが、加子母という場所は、秀吉が築城のために重用したこともあるゆかりのある場所なんですよ。鳥居や灯篭、神門などにもこの加子母の木材を使っているんです。
近藤さん:
そういえばちょうど、豊臣秀吉が晩年に詠んだ辞世の句をお借りしたんです。
”露と落ち 露と消えにしわが身かな なにはのことも夢のまた夢”
自分の人生を振り返ると、露が落ちるほど一瞬のような出来事だった。なにわのこと(=大阪で生まれた秀吉の子:秀頼)も、夢のようなできごとだった…といったところでしょうか。
この句は、秀吉清正記念館にも展示されているので、ぜひ見てくださいね。
豊臣秀吉/加藤清正に関する資料を収集・展示している歴史博物館 秀吉清正記念館
ということで、やってきました!秀吉清正記念館です。中村公園内にある記念館は、この建物の2階です。
この日は、学芸員の粕谷さんが案内してくださいました。
豊臣秀吉刀狩条目
1588年(天正16年)に秀吉が刀狩を行ったときに出した命令書です。
粕谷さん:
校外学習などで訪れた小学生の皆さんが一番注目されるのは、こちらの「豊臣秀吉刀狩条目」です。秀吉が最初に行ったのは、検地かな?刀狩かな?どちらかわかりますか?
馬藺後立兜(ばりんうしろだてかぶと)
戦功を挙げた西村重就(にしむらしげなり)に、秀吉が与えたものとされる。
粕谷さん:
“馬藺”とはあやめの一種です。後ろ立の飾りが、あやめの葉っぱの形をしているんです。あやめは別名“しょうぶ“。勝負にあやかって、この兜を作ったのかもしれませんね。
加藤清正画像と蛇目紋長烏帽子形兜(じゃのめもんながえぼしなりかぶと)
豊臣秀吉自筆辞世和歌詠草(とよとみひでよし じひつ じせいわかえいそう)
こちらがさきほど近藤宮司にお聞きした一句ですね。
資料を読み解きながら、ぜひ見学してみてください。
秀吉の馬印 千成瓢箪(せんなりびょうたん)
さて、引き続き中村公園内を巡ります。中村公園に訪れたら、ぜひやってみてほしいことがあります。それは、ひょうたん探し!
1567年稲葉山城の戦いで秀吉が手柄をとった際、信長から馬印としてもらったのがひょうたん。その後、勝利するごとにひょうたんが増え、「千成瓢箪」と言われるようになったそうです。
その秀吉の馬印であった「千成瓢箪」にちなみ、園内にはいたるところにひょうたんがあります!
この高さで見ると分かりにくいですが…
公園の案内図で見ると、しっかりとひょうたん型をしています。
ほかにも、ひょうたん池の周りなどでひょうたんが栽培されているところを見ることもできますよ(9月~10月頃収穫)。
あなたは、いくつひょうたんを見つけられるかな?
見どころがたくさん!中村公園
中村公園記念館
豊國神社の北側には、中村公園記念館があります。加藤清正没後300年を記念して愛知県が明治43年に迎賓館として建築した建物で、大正天皇がこの地を訪れた際にご休憩された場所です。
通常見学は行っていませんが、イベントなどで内部見学ができることも。普段は、有料での貸し切り施設となっており、結婚式の撮影などに使われています。
大正天皇お手植えの松
明治43年に大正天皇がこの地を訪れた際、お手植えされた松。
初代中村勘三郎生誕記念像
初代中村勘三郎がこの地で生まれたと言われており(諸説あり)、この中村姓の発祥は生地中村であると中村屋一門にも公認されており、平成18年には近隣高校で十八代目中村勘三郎襲名披露公演も行われており、中村勘三郎ともゆかりのある場所なんです。
八幡社
加藤清正公出陣にあたり、武運長久(ぶうんちょうきゅう)を祈願したとされる。
太閤池
健康散策路
舗装されたコースがあり、ウオーキングも楽しめます。地元の方らしき人たちが、ウオーキングをしていらっしゃいました。
子どもたちが遊ぶ遊具がある児童園は、最近整備されてとてもきれいになっています。
さて、では次の目的地、秀吉や清正にゆかりのある2つのお寺に行ってみましょう。この2つのお寺は、中村公園のすぐ東側にあります。
豊臣秀吉産湯の井戸がある常泉寺
豊臣秀吉の廟堂として、加藤清正と圓住院日誦上人(えんじゅういんにちじゅしょうにん)により創建されました。本堂のご神体は、400年前に大阪城から譲り受けたものだそう。
豊臣秀吉の産湯の井戸。「近隣に類を見ない清水あふれる井戸」と伝承され、“パワースポット”の札が建てられていました。
加藤清正が自身の生誕の地に再建した妙行寺
名古屋城築城の折、その予材と普請材をもらいうけ、妙行寺を再建したそうです。
これだけ狭い範囲に、秀吉・清正に関する史跡などがぎっしり!!この地からこのような有名な武将が誕生したのだなぁと感慨深いです…
たくさん歩いたので、そろそろお腹がすいてきました。この近くで秀吉に関するグルメが味わえるお店があるとのこと。ぜひ行ってみましょう!
妙行寺さんから、清正公通りをまた少し東側に歩くと、住宅街の一角にベーカリーカフェが現れます。
旅のおわりは、「ひでよっしー」カフェラテでほっこり
ベーカリーカフェMASAcafe
中村区役所が地域の皆さんと作った中村公園PRキャラクター「ひでよっしー」が、なんとカフェラテになっています!!
秀吉が描かれたオリジナルのドリップコーヒーなども購入できますよ!
辻村さん:
このパッケージに注目してください!クリームパンとコーヒーのパッケージに描かれている秀吉が微妙に違うんですよ!クリームパンのパッケージに描かれた秀吉はクリームパンを食べていて、コーヒーのパッケージの秀吉はコーヒーを飲んでいるんです!皆さんも、来て見て確かめてくださいね。
辻村さんは、ひでよっしーラテを。
小川は、ひでよっしー抹茶ラテをいただきました。
たくさん歩いて疲れた体に、抹茶ラテの甘味が染みわたります。
MASAcafeの杉原さん:
クリームパンのあんこは、大門にある豆光さんから、卵・クリーム・小麦は愛知県産。抹茶ラテの抹茶は、同じく大門にある芳茗園さんから仕入れているんですよ。地元にこだわって作った秀吉グルメです。
写真に出てくる中村公園PRキャラクター「ひでよっしー」の絵馬は、中村公園で開催されるイベントなどで販売されます。次回販売は2/3(土)の節分祭を予定!
おわりに
お腹も心も温まって、これで今回の#なごやを歩こうはおしまいです。
小川にとっては、なじみ深い地元中村区。小学生の頃から区の大会などで出会う小学校の名前は、「豊臣小学校」「千成小学校」「日吉小学校」。道の名前も「太閤通り」や「清正公通り」など。あたりまえであったそれらの地元の名称も、実は全て秀吉や清正にゆかりがあったのだなぁと改めて認識しました。
また、中村区は古い町の古いものばかりという印象が強かったのですが、大門の「みんなで駄菓子屋(仮)」さんや「MASAcafe」さんなど新しいお店がいろいろとできているのを知り、新旧いりまじりとても面白い町になっているのを感じました。
皆さんも、秀吉を感じながら、出世・開運を祈って、この太閤秀吉功路を歩いてみませんか?