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中川区シェアブックス事業がスタートします

中川区民生子ども課民生子ども係の石黒です。
今回は、中川区ブックスタート事業の後継となる「中川区シェアブックス事業」の関係者や担当がどのような思いや意味を込めて準備を進めたのか?その背景についてご紹介します。

中川区ブックスタート事業とは・・・健診の際に赤ちゃんと保護者に絵本をひらく機会と絵本をプレゼントする中川区の子育て支援事業の一つ。
これまで1万人以上の赤ちゃんに絵本を届けてきた中川区ブックスタート事業の詳細については、こちらの記事をご覧ください。


これからも「理念」を継続していく


令和2年度に中川区社会福祉協議会、中川図書館・富田図書館、中川保健センターと区役所が「中川区ブックスタート事業」について話し合った結果、

・今ある予算を使い切って事業即終了!!!にはしない

・ブックスタートの理念(赤ちゃんと保護者が、絵本を介して心ふれあうひとときを持つきっかけをつくる)を継承した事業を継続し、これから生まれる赤ちゃんとその保護者の方たちにもずーっと提供していきたい

ということが決まり、新しく「中川区シェアブックス事業」を始めることになりました。

この事業では、文字も読めない赤ちゃんにとっての絵本は「読む(read books)」ものではなく、「読み手とともに楽しむ(share books)」ものであるとして、絵本を開いて赤ちゃんと心を通わせる体験を味わうきっかけを提供することを目指しています。各学区で行われている子育てサロン等に0~1歳児の向けのおすすめの絵本(15冊程度)を設置し、ボランティアさんによる読み聞かせも体験できるようにすることで、この目的を達成し、より身近に絵本に親しむことができるようにしていきたいです。

 

チームとなって、一緒に作成していく


私たちは「事業の理念を広めていきたい」「興味を持つきっかけとしたい」ということを考え、より理念が伝わるように、ポスターやチラシをプロのイラストレーターの方と一緒に制作することが決まりました。

誰に依頼するかを考えた結果、愛知県や名古屋市での実績もあり、異なる世代でも受け入れやすい絵柄である名古屋市在住のべじこさんに事業の趣旨に賛同していただきました。
その後、子どもの発育支援の仕事の経験をお持ちのデザイナー原島愛実(あみ)さん、印刷会社の方も入り、区役所の担当と一緒にチームとなってチラシ等のデザインやどの用紙に印刷していくのかということを決めていきました。

私たちがデザインでお願いしたことが一つあります。それは、「この事業のイラストは保護者の方も赤ちゃんも『みんなで一緒に絵本を開いて心を通わせている温かい雰囲気』にしてほしい」ということです。どんなポスターやチラシが完成するのか楽しみですね!

左から、印刷会社の野田さん、べじこさん、私の上司の酒井主査です。

実際にいくつかパターンを見て、デザインや色味の確認をします。

 

 

イラストレーターさん&デザイナーさんにインタビューしてみた。

 そして、完成したA4チラシ(両面)、B3ポスター、絵本に貼るシールがこちらになります!

チラシ・ポスターの中に中川区発祥の野崎白菜がまぎれているので探してみてください!




これらは、どのような思いを込めて作られたのでしょうか?イラストレーターのべじこさん、デザイナーの原島さんに聞いてみました!

イラストレーターのべじこさん(と中川区マスコットキャラクターのナッピー)
デザイナーの原島愛実さん

 

―「中川区シェアブックス事業」のチラシ、ポスター、シールに込めた意味や思いを聞かせてください。

べじこさん:シェアブックス事業の理念を踏まえて、
「赤ちゃんが絵本と出会ったときのわくわく感」
「おもちゃ箱を開いたような絵本の世界」
「絵本とともに過ごす家族の豊かな時間」
「家族への慈しみの気持ち」
そんなイメージをイラストで表現できればと思って描きました。

―今回、特に力を入れたところはどんなところですか?

べじこさん:メインのイラストでは、特に「絵本の世界を表現すること」に力を入れました。1歳までの赤ちゃんが絵本でよく目にする生き物や乗り物などを登場させて、わくわく楽しい雰囲気が伝わるように楽しい気分で描きました。

それから、「シェアブックス」はなじみがない言葉だと思うので、どのツールでもパッと見た時に読みやすいこと、親しみを感じてもらえるよう楽しさや遊び心を加えること、その両方を叶えることに注力して、あれこれ試行錯誤しながら文字を作成しました。

原島さん:べじこさんによるメインイラストが皆さんの目により届くよう、サポートしながら応援するようなデザインに力を入れました。例えば、メインイラストに関連するカエルやひよこの足跡、線路、葉っぱや星などを背面にさりげなく散りばめています。

また、メインカラーとして設定した「角の取れた原色」にもこだわっています。元気なイメージを持ちつつ目にする方々に親しみを持っていただけるよう、「尖った原色」ではなく「元気だけど柔らかめの赤色」を使わせていただきました。

―区役所と一緒に作るということで、何か気を付けた点はありますか?

べじこさん:区民の方、事業の対象になる方たちに、分かりやすく伝えることに気をつけました。

あとは、個人的に中川区のことを知りたくなり、ナッピーのことを調べたり、中川区発祥の野崎白菜マップを区役所で手に入れて白菜スイーツを食べたりしました!チラシ・ポスターの野崎白菜、探してみてください。

 

原島さん:多くの方の手に渡ると思いますので、文字の読みやすさやわかりやすさなどは特に気をつけて制作しました。

また、イラストやデザインに同じメインカラーを使用することで、どのツールを見ていただいても「シェアブックス事業のものだ!」と気づいていただけるように設計しています。

 

 

―これから「中川区シェアブックス事業」で絵本に触れる皆さんに、メッセージがあればお願いします。

べじこさん:今回制作するにあたって、子育てサロンが開かれている中川区のコミュニティサロンに足を運び、シェアブックス事業で設置される絵本を全て読みました!

各学区で子育てサロンが開催されていますので、初めて参加するときはちょっとドキドキするかもしれませんが、ぜひ参加して絵本と親しむ時間を過ごしてみて頂けたらと思います。

赤ちゃんと保護者の皆さんにとって、絵本との出会いや絵本との時間が良いものになりますように。

 

原島さん:事業の担当者さんや関係者さんの想いが伝わり、多くの方に赤ちゃんとの心ふれあうひとときを持つきっかけとしてご参加いただけたら嬉しいです。

シェアブックス事業を通して、赤ちゃんにも、子育てに関わる方々にも、どんどん笑顔が広がっていくことを祈っています。

 


最後に

私が中川区ブックスタート事業・中川区シェアブックス事業の打ち合わせに入るようになったのは、令和2年度の夏頃です。

最初はあまり深く考えず“のほほん♪”と打ち合わせに参加しましたが、その後大変な作業になるとは全く思っていませんでした。名古屋市には窓口サービスや市役所内部での仕事等様々なものがありますが、私は今回のように事業を担当したことがありませんでした。(上司と相談しながらですが)自分で自由に考えて企画し、打ち合わせ用の説明資料の作成や関係者との連絡調整ということは未経験だったので不慣れなことが多く、戸惑うことの連続でした。

ただ、こうしてポスターやチラシも完成し、4月からスタート!と思うと、「約1年半、ツラいこともたくさんあったけど、やって良かったな」と思います。
この事業が、絵本を開いてみるきっかけになり、そこから生まれる心温まる時間が子育ての中の癒しの時間にも繋がっていってほしいです。

 ご協力いただいた関係者の皆さん、ありがとうございました。そして、区民の皆さん、中川区シェアブックス事業をよろしくお願いします!