南区いい湯だな♪銭湯めぐり(第5回~七福湯編~)
どうも~。名古屋市南区役所地域力推進室の「せんとうくん42歳」だお。
名古屋市南区の銭湯を紹介するnoteこと「南区いい湯だな♪銭湯めぐり」の5回目でございます。
毎月26日(風呂の日)に更新しているこのnoteですが、今月は11月です。そう!11月26日は「いい風呂の日」(日本浴用剤工業会制定)でございます!せっかくの年に一度の「いい風呂の日」でございますので、皆さまにご満足いただける記事を上げられるよう、いつもどおり書かせていただきます!
今回ご紹介する銭湯は?
今回の銭湯はこちらです!
南区北西部、名鉄「道徳駅」から徒歩12分ほどのところにある「七福湯(しちふくゆ)」でございます!
七福湯の施設情報はこちらから(【公式】あいち銭湯ホームページ)
こちらの七福湯は、せんとうくん42歳にとってはとても大切な銭湯でございます。もう4、5年前になりますでしょうか。サウナ好きの私が銭湯サウナを探していて、この七福湯に出会いました。
それまで銭湯に馴染みがなかった私ですが、銭湯サウナはもちろんのこと、銭湯自体の魅力というものに気づかせてくれた施設、それが七福湯なんです。
このnoteを読んだブルーにこんがらがったガールズ&ボーイズが、私のように銭湯の魅力に気づいてもらえるようにと、毎月思いを込めて書いているのが、この「南区いい湯だな♪銭湯めぐり」なわけでござんす。
銭湯レポート(外観から脱衣所まで)
※許可を得て撮影しています。
こちらは入口の写真です。銭湯らしい色鮮やかな暖簾がお出迎えしてくれます。
屋根に目を向けると太陽熱温水器がいくつも設置されています。この太陽熱温水器は、太陽から得られた熱エネルギーをお湯の温めに使用する機械です。それによって燃焼させる材料が減りますので、経費だけでなく、CO2排出量の削減にもつながる非常にエコな優れものなんです。
こちらが七福湯のフロントです。
この日の男女脱衣所入口に掛かる暖簾は、後でレポートするイベント用に作られた特別バージョンでした!かわいい~!
脱衣所です。
ロッカーのアップです。今月は8にしてみました。8は英語でeight(エイト)ですが、ポップ・ミュージックの世界では、一般的な曲の構成として、ヴァース(→プレ・コーラス)→コーラスを2回繰り返した後、最後のコーラスの前に初めて出てくる展開のことを、ミドル・エイト(8小節が多いことから)と呼びます。
このミドル・エイトが抜群に素晴らしいミュージシャンといえば、あいちゃんことaikoを思い浮かべないわけにはいかないでしょう。例えば「恋をしたのは」という曲のミドル・エイトなんかは、とんでもない歌唱をしていますので、よろしければ聴いてみてください。
はい。脱衣所の反対側です。20円で3分のドライヤー2台と、名古屋温泉と同じく無料のマッサージチェアがあります。服を着てから使用するようにという注意書きも、名古屋温泉と同様です。マナーは守りましょう。
銭湯レポート(浴室)
それでは浴室に入ってみましょう!
浴室は手前側から見るとこのような感じです。七福湯の浴槽は四角形を基調としたこれまでに登場していないパターンですね。
こちらは浴室の奥から撮影したものです。写真奥の方に黄色い物体が写っていますが…
アヒルちゃんです!上が男湯で下が女湯のものですが、男湯の方は目が消えかかっていてギリギリの状態です(笑)。
こちらが流し場です。七福湯は全てのシャワーがホースタイプとなっています。多くの方にとって使いやすいと思います。
ボディソープ、シャンプー類です。男湯は全て写真上のものですが、女湯には写真下のお高めのものが一部配置されています。
それではお風呂を見ていきましょう。
こちらはメインの浴槽のアップです。ゆったりと入れるサイズ感です。
メイン浴槽の奥にはジェットバスがあります。3分割されており、向かって左側と中央は座り型で常にジェットが噴き出ています。対して右側は、中腰型で壁面にあるボタンを押すことでジェットが噴き出る仕組みとなっています。
ジェットバスの向かって右隣には電気風呂があります。表示を見ていただければ分かるように、前回の山田温泉でも導入していた水野通信工業が製造している「揉兵衛」です。揉兵衛はワンパターンではないので、癖になってついつい長く入っちゃいます。
さらに右隣にはうたせ湯があります。これまでご紹介してきた南区の銭湯にはありませんでしたので、当連載初登場でございます。あいち銭湯のホームページによれば、これから紹介する予定の銭湯にも備えられていないようなので、南区では唯一のうたせ湯ということになります。
実は、これまで幾度となく七福湯に入ってきたにも関わらず、なぜか一度も体験したことがなかったのがこのうたせ湯だったので、今回が初体験でした。肩なんかに当ててみると、すんげー気持ちいいものでした。とにかく上からお湯が体を打ち付けてきますので、「バッチバチやで」となぜか関西弁で連呼しながら入っていました。
こちらが薬湯です。薬湯はおひとりサイズのところが多いですが、七福湯は3人ぐらいまで入れるサイズです。
男湯の薬湯には大黒様(写真左)、女湯の薬湯には恵比須様(写真右)がそれぞれ鎮座しているという違いが実はある、というのが七福湯の豆知識です。
七福湯では毎月第1、第3日曜日に南区のメーカー健美薬湯が製造している「千葉実母散浴剤」と呼ばれる、日本で唯一の第2類医薬品の薬湯に入ることができます。
私もこの薬湯を体験したかったので、第3日曜日に七福湯へ馳せ参じました。千葉実母散浴剤は香りが強烈なので、浴室に足を踏み入れた瞬間から「うおっ」となります(いい意味で)。
銭湯レポート(サウナ)
次はサウナのご紹介です。
こちらがサウナの入口です。見ていただければ分かるように、サウナと水風呂と外気浴スペースが隣接していて、動線が抜群にいいです!
ではまずサウナ室から。座面や壁面の木材の雰囲気から年月の経過を感じます。コンパクトなサイズで、詰めれば6人ぐらい入れるけれども、できれば4人以内で入りたい感じです。
七福湯のサウナはボナサウナ(ボナサームサウナ)です。ボナサウナとは、熱源がサウナ室のベンチまたは壁の中に格納されているタイプのものです。七福湯では熱が背面から立ち上がってきます。適度に湿度が保たれているため熱さを感じ、せんとうくん42歳は入ってすぐに汗が噴き出してきました。
また、七福湯のサウナは熱さだけではありません!熱が立ち上がる穴のところに、男湯の方は天然生薬を、女湯の方は天然ハーブを忍ばせているため、サウナ室内がいい香りで包まれているのです!いいっすね!
こちらが水風呂です。プレートの文字が削れていて「呂」の文字がないです。呂といえば、普通は昔、読売にいた呂明賜(ろ・めいし)が思い浮かぶところですが、以前ドラゴンズにも呂建剛(ル・チェンガン)というピッチャーがいましたよね~。
そんな話は置いといて、水風呂はコンパクトなサイズ感です。また、いつ入っても水がきっちり冷えている素晴らしい水風呂です!
こちらが外気浴スペースです。外気浴スペースがある銭湯ってそんなにはないので、特別感あります。イスが4つ(女湯は3つ)ありますので、サウナ室のサイズとのバランスもいいですね。
あと、イスの下にマットが敷いてあります。ある時から敷かれるようになったのですが、これがあることによって、足をタイルに付けるのに比べてとても心地よくなりました。こんなとこからも、常に改善していこうという意識がうかがえます。
外気浴スペースからはこんな感じで空を見上げることができます。いや、どう考えても最高でしょ!こんな環境で静かに座っていると、時折吹いてくる風が肌を撫で、するとたちまち得も言われぬ快感が立ち上ってきます。
銭湯レポート(湯上がり+オリジナルのアレ)
湯上がり後の待合いスペースです。テーブル・イス、カウンター、座面が畳のベンチとありますので、その日の気分でお好きなところでくつろぐことができます。
湯上がり後のお供はこんなラインナップ。アイスクリームはなくて飲み物だけですが、クラフトコーラが置いてある凝りようです。
マンガなんかも少し置いてありますが、写真の左側を見てください。なんと七福湯では、オリジナルグッズを販売しているんです!なかなか毎日の経営だけで精一杯となってしまう銭湯が多い中(また、それも全くもって仕方のないところではあるのですが)、七福湯にはオリジナルグッズの制作・販売をするバイタリティがあるということです。
かわいいデザインのTシャツが子どもサイズから大人サイズまで各種取り揃えてあります。せんとうくん42歳も既に1着購入(ラグラン袖)しております。
店主インタビュー
さて、店主インタビューです。店主はカイヤシゲノリさんです。
と、ここで。いつもやっているような店主インタビューの内容については、南区役所が南区で奮闘する人にスポットを当てた動画インタビュー企画「ミナシル」で既に実施しています。
よって、動画を以下に3本貼り付けますので、そちらをご覧ください。結構いいインタビュー内容だと思ってます。
【ミナシル】
第2回 銭湯「七福湯」3代目 カイヤシゲノリさんインタビュー
【ミナシル】
「銭湯を経営するということ」町の風呂屋に聞いてみた【スピンオフ】
【ミナシル】
「サウナブームと銭湯」町の風呂屋に聞いてみた【スピンオフ】
ただ、これで終わってしまうのも若干もったいないなと。そこで、今回はマニアプラス(某競馬血統予想家のYouTubeより拝借)と題して、普段よりは踏み込んだマニア臭漂うインタビューを敢行してみました。それではどうぞ。
――南区の他の銭湯は○○温泉という名称ですが、七福湯がそうしていないのはなぜでしょうか。
カイヤシゲノリさん(以下、カイヤ) 前身の玉姫湯が昭和9年開業で、当時近くで開業した敷島湯ともども○○湯という名称でした。あと、昭和20年代頃に開業した銭湯は○○温泉と付けられたところが多い印象ですね。なので、時代ごとの「ブーム」なんだと思います。七福湯は玉姫湯を引き継いでいることもあって、○○湯前提で名称を考えました。
――札幌市や大阪市にも七福湯という名前の銭湯がありますが、ご存じですか。
カイヤ 知ってはいますね。でも何の関わりもないですよ。愛知県の公衆浴場組合であいち銭湯マップというものを作った時に、一応ご紹介で送りましたが、何のリアクションもありませんでした(笑)。
――銭湯の店主さんはご自分が経営している銭湯に入るものですか。
カイヤ ボクの場合は毎日の営業終了後に掃除しながら入っています。自ら入浴することによって、色んなチェックをすることもできるんですよね。修繕が必要な場所であったり、入浴剤の量の調整だったり。
――お湯やサウナの温度は季節によって変えていますか。
カイヤ サウナは変えてないですが、お湯の温度は変えています。夏はぬるく、冬にかけて徐々に熱く変えています。設定温度としては最大2℃の違いがありますが、実際の浴槽のお湯は1℃程度の違いになっていると思います。
――七福湯のサウナの仕組みを教えてください。
カイヤ ウチは格納式のボナサウナを設置しています。蒸気配管にフィンが付いていて、そこから放熱させる仕組みです。
――ボナサウナにした理由はなんですか。
カイヤ 平成9年の建て直した時にサウナを導入したのですが、サウナ専用に別の熱源を用意するより、お湯を沸かす蒸気ボイラーをサウナの熱源としても活用した方が効率が良いということで、ボナサウナにしました。
――以前のインタビュー(ミナシルのこと)で、サウナは室温が低くなってもすぐに元に戻るような工夫をしているとおっしゃっていましたが、具体的に教えてください。
カイヤ サウナを設置した当初よりも蒸気配管が付いたフィンを2回増設(サウナ室への出入りが多い男湯だと当初の倍)したんですよね。その効果です。
――これまた以前のインタビューで、水風呂は水温をキープする工夫をしているとおっしゃっていましたが、具体的に教えてください。
カイヤ 水風呂の水をろ過しながら循環させる仕組みの中で冷却した水を戻しています。またそれとは別に、人が入ってオーバーフローした水を補給する際の水を貯めておく予備タンク内の水を11℃に冷やしています。これらのダブルチラーの相互作用で、水風呂は大体16℃に保たれるようになっています。
――七福湯は今年の7月からオリジナルグッズ(Tシャツ)の販売を始めました。きっかけは何だったんでしょうか。
カイヤ 最近は、色んな銭湯で銭湯グッズを作って販売していますので、ウチもやりたいなと。それで、デザインが得意なアルバイトさんにデザインをお願いしたんですが、そのアルバイトさんは忙しくてできなくて、結局自分がデザインしたものがグッズになっちゃいました(笑)。シルクスクリーン印刷でせっせと作っています。
――他にマニア向けの銭湯情報があれば教えてください。
カイヤ マニア向けというほどでもないですけど、週末の薬湯は基本的に天然生薬にしていまして、季節によって入替はありますが、常に4種類ぐらいは用意しています。ここまで充実しているのは、全国的に見てもそうはないと思いますよ。
いかがでしたでしょうか。単にせんとうくん42歳が聞きたかったことを聞いているだけのようにも思えますが、「ほほぅ」という箇所があったなら幸いでございます。
イベント「HAPPY”BATH”DAY」の紹介
さて。通常ですと店主インタビューで終わりなのですが、今回は続きがございます。七福湯は以前より、定休日の月曜日が祝日と重なる日にしばしばイベントを開催する銭湯でございまして、去る10月9日に「HAPPY”BATH”DAY」という、音楽と飲食・物販などの出店が合わさった「風呂フェス」が開催されましたので、その模様をお伝えいたします。
企画したのは、七福湯でアルバイトしているビブラフォン・パーカッション奏者のzukiko(ズキコ)さん。ライヴ出演者6組と出店者7組を集め、ゆったりと楽しい「音浴でととのう」空間を作り出していました。
イベントの締めくくりは、zukikoさん率いる風呂フェススペシャルバンド「zukiko super vibrancy」の演奏で、大団円を迎えました!
それでは、このイベント「HAPPY”BATH”DAY」の主催者であるzukikoさんのインタビューをお届けいたします。
――なぜこのイベントを開催しようと思ったのですか。
zukikoさん(以下、zukiko) 去年、店主のカイヤさんに「音楽イベントをやってみたら」と声を掛けられて、初めてこのイベントを開催しました。当日は思ったより多くのお客さんが来てくれて、終了後の反響も他のライヴなどと比べると大きかったので、今年はもっとパワーアップしてやりたいなと思い、開催しました。
――パワーアップということで、昨年に比べて出演者も出店者も増えております。どのように集められたのですか。
zukiko 出演者は過去にライヴでご一緒した方や大学時代の友達、あとはカイヤさんが過去に銭湯で音楽イベントを開催した時の出演者の方に声を掛けて集まってもらいました。出店者は私の知り合いや、マルシェで以前演奏した時に出会った方、カイヤさんが呼んでくださった方などです。色々なつながりで皆さんに集まっていただいています。
――zukikoさんにとってカイヤさんはどんな方ですか。
zukiko カイヤさんは面白い方だと思います。こういうイベントにも積極的なので。七福湯で働いたからこそ出会えたので、本当に良かったなと思っています。
――zukikoさんにとって七福湯はどんな場所ですか。
zukiko 七福湯は南区にあって、私の出身は港区なので地元ではないんですが、家から近い所にあり、働いていることもあって、今では音楽イベントを開催しています。色々なつながりを生み出してくれている場所です。自分の中で第二の地元のような感覚はあります。
――このイベントは今後も継続して行っていきたいと考えていますか。
zukiko もちろんです!年に一回スポーツの日に開催していきたいと考えています。年によっては銭湯の日(10月10日、1010で銭湯)になるんですよね。
今は私やカイヤさんのつながりで出演者や出店者を呼んでいますが、公募するのもありかなと思っています。外にはキッチンカーを増やしたいですし、出身大学に後援してもらっているので、学生の子たちの出演・出店・作品展示などもしていきたいです。もっと色々なことをやってみたい!
続きまして、カイヤさんにも再度ご登場願い、イベントのことを少しお伺いしました。
――zukikoさんによると、カイヤさんから「イベントやってみなよ」と背中を押されてイベント実施に至ったとのことですが、なぜそのように声を掛けたのでしょうか。
カイヤ 彼女が楽器を演奏する子だから…、それだけです(笑)。実は、2010年に最初に開催したイベントも、アルバイトさんと共同で開催したものでした。なかなか自分ひとりでは日々の業務に追われて難しいので、アルバイトさんが乗ってこないとこういうイベント開催は難しいですね。
――お風呂に入浴させるという銭湯本来の役割とは異なるこうしたイベントを実施することによって、何を生み出したいと考えていますか。
カイヤ 単純に銭湯という場所を知ってもらいたい、まちの銭湯の存在を知ってもらいたいという思いで開催しています。ウチの集客に直接結び付けようという意識は全くないです。
――今後、こんなイベントができたら面白そうだな、というのがあれば教えてください。
カイヤ アート系のイベントも面白いかもしれませんね。イベントでなくても、期間限定のオリジナル暖簾や壁面のペイントを芸大生にお願いしたりとかね。あとは、敷居を思いっきり下げて、「とにかく風呂で歌ってみたい人」にただ歌ってもらうとか、もっと気軽に参加できるイベントができるといいですね。
イベントによって様々な属性の多くの人たちが銭湯という場所に集い楽しむ。どうか、銭湯が色んな人たちの身近な存在となりますように。
最後になりますが、今回の記事いけてるやん!と思っていただけたなら「♥スキ」を押してください。よろしくお願いします!
それではまた来月お会いしましょう。