南区いい湯だな♪銭湯めぐり(第9回~エピローグ編~)
どうも~。名古屋市南区役所地域力推進室の「せんとうくん42歳」でございます~。
「名古屋市南区は銭湯が多いまち」という特色を生かすため、南区内の銭湯を紹介するnoteこと「南区いい湯だな♪銭湯めぐり」の9回目でございます。なんと、今回が当連載の最終回でございます。ついにこの日を迎えてしまったのかという寂しい思いと、もう書かなくてよくなるという安堵感の狭間で揺れ動いております。
さて、最終回も例によって小ネタから。毎月26日(風呂の日)に更新しているこのnoteですが、この記事の更新日である3月26日は、競走馬のヴィクトワールピサが日本馬としては史上初となるドバイワールドカップを制覇した日でございます(2011年)。当時のドバイワールドカップは、適性的に芝とダートの中間のような要素が問われるとも言われていたオールウェザーの馬場で行われておりまして、それが芝・ダートの両方で活躍馬を排出するネオユニヴァース産駒のヴィクトワールピサにはドンピシャだった印象です。また、2着にも日本馬のトランセンドが入り、東日本大震災直後の世界的なビッグレースで日本馬がワンツーフィニッシュを飾ったことも話題になりました。
では、本題に入りましょう。最終回の今回はエピローグ編をお送りいたします。これまでの記事のことなんかをぼんやりと思い出しながら読んでいただけますとよろしいかなと思います。
これまでの銭湯紹介のまとめ
当連載ではこれまで、銭湯のまち南区にある公衆浴場組合加盟の銭湯を一軒ずつご紹介してきました。まずは簡単な特徴などを振り返ってみましょう。
1. 桜台温泉
・見事なモザイクタイル壁画
・惜しまれつつ2023年9月末廃業
2.名古屋温泉
・レトロ感爆発なネオンサイン
・浴室にテレビ(男湯)
3.山田温泉
・岩のある浴室
・燃料に薪を使用
4. 七福湯
・薬湯充実
・せんとうくん42歳が銭湯に目覚めた
5. 三吉温泉
・銭湯では珍しい炭酸泉
・燃料に薪を使用
6. 柴田温泉
・クソほど熱いサウナ
・銭湯では珍しい飲食コーナー
「簡単に特徴など」と言ってみましたが、各々魅力が多すぎてなかなか書ききれないですね。なので、今一度リンク先から各記事を隅から隅までお読みください。結構時間かかると思いますが(笑)。
私はこれらの銭湯全てに入ったわけですが、どの銭湯も掛け値なしで本当に素晴らしかったです。入り比べて銭湯による違いを感じるのも楽しかったなぁ。
あとちゃんとお伝えしておきたいのは、どの銭湯も清潔に保たれていたということです。何となくイメージで敬遠してしまうのは、あまりにももったいないです。
また、これまでの記事の中にも度々登場していますが、南区には入浴剤メーカーの健美薬湯と電気風呂メーカーの水野通信工業という、銭湯にまつわる重要な企業がふたつもあるという点も改めて記しておきます。
やっぱり南区は銭湯のまちだわ。
あれ、1軒足りてないやんけ
当連載の熱心な読者の方の中には、もしかしたらこんな疑問が湧いている方もいらっしゃるかもしれません。あれ、1軒足りてないやんけ。
第1回の区別公衆浴場加盟銭湯数のグラフを見ると、南区は7軒あることになっています。ところが、これまでに紹介してきた銭湯の数は6軒です。確かに1軒足りていませんね…。何ででしょうかね…。
実は、連載開始当初は存在していたとある銭湯が、2023年11月末をもって廃業していたのです…。その銭湯の名は道徳温泉といいます。
これで、南区では2022年に呼続温泉が、2023年に桜台温泉と道徳温泉が廃業になったことになります。この2年間で3軒も廃業…。銭湯業界を取り巻く現状があまりにもストレートに表出している現実です。
道徳温泉について
当連載の取材が間に合わず、ご紹介することが叶わなかった道徳温泉について、少しばかりではありますが、ご紹介させていただきます。
廃業後の写真ではございますが、ご覧ください。昭和のだいぶ古い時代に建てられた木造建築の銭湯でした。このレトロ感半端ないっすよね。
こちらは2022年に道徳温泉に訪れた際の写真です。夜の時間帯ということもあって、雰囲気が出て素敵でした。結局、私が道徳温泉に行ったのは、この時の一度きりとなってしまいました。
2022年当時に銭湯の記事を書くとは当然想定しておらず、内観の写真というとこれぐらいしかありませんでした。あまりにも元気ハツラツなものがどアップで写っているのでさすがに加工していますが、その奥の方にぼんやり見える感じで雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。
写真をよく見ていただくと、番台が写っています。道徳温泉は廃業時点において南区で唯一の番台形式の銭湯でした。番台形式とは、入口が男女で分かれていて、男女の脱衣所を向いた高いところに銭湯の方が座っている形式です。昔ながらのアレです。
前述のとおり、私は一度しか道徳温泉のお風呂に入ることはできませんでしたが、その印象はとても良いものでした。古い建屋ですがとても清潔に保たれていて、お風呂は銭湯らしいクソ熱いお湯だったなぁ。壁面には熱帯魚が描かれたモザイクタイル壁画があった気がします。
七福湯店主のカイヤさんによれば、銭湯ファンの間では昭和の名古屋銭湯として全国的にも有名だったそうです。古き良き銭湯が、確かにそこに存在していたのです。
あいち銭湯資料館潜入レポート
と、ここで南区の銭湯からは少し離れてしまいますが、ぜひとも皆さんに知っていただきたい施設がございますので、そちらをご紹介いたします。
それがこちら!鶴舞駅から徒歩5分ぐらいのところにある愛知県公衆浴場組合の事務所2階にございます、あいち銭湯資料館です!
あいち銭湯資料館の施設情報はこちらから(【公式】あいち銭湯ホームページ)
あいち銭湯資料館は全国的にも大変珍しい銭湯の資料館とのことで、そのような場所が名古屋にあるのにせんとうくん42歳が行かないわけにはいかない、ということで潜入してまいりました。
入り口を入ると、実際に銭湯で使われていた下駄箱があります。
階段を上がり、暖簾をくぐって、いざ展示スペースへ!愛知県公衆浴場組合の公式キャラクター「おけお」が出迎えてくれています。
あいち銭湯資料館は、日本の伝統的入浴文化である「銭湯」で使われていた備品などを組合員が持ち寄り、銭湯の温かみや懐かしさを多くの方々に感じていただくとともに、さらには銭湯を後世に伝えるため、平成29年12月に開館しました(資料館掲示物より引用)。
なので、展示品は実際に銭湯で使われていたものばかりです。いくつかを写真で見ていただきましょう。
そしてこちら!左側がオカマドライヤーで右側がマッサージ機で、どちらも昭和レトロ感満載すぎるのですが、ただの展示物ではございません!実際に体験できてしまいます!(3分間でオカマドライヤーが20円、マッサージ機が10円)
せっかくなのでマッサージ機の方を体験してみました。古かったので本当にちゃんと動くのかとても心配でしたが、お金を入れると動作開始。そして、意外や意外?に普通に気持ちよくなっちゃいました。
写真でご紹介した展示物以外にも色々と興味深いものがたくさんあって、私は結局1時間ぐらい見入っていました。平日のみの開館のため訪れるのに多少ハードルはありますが、銭湯好きな人にとっては絶対に面白い施設ですし、そうでない方も楽しめるポテンシャルはあると思います。
興味を持った方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。
銭湯の行く末とせんとうくん42歳の思い
さあ、いよいよ当連載の締めのお時間がやってまいりました。何を書こうかな。
取材をしていく中で、元々何となく分かっていたことではありますが、銭湯を取り巻く現状はとても厳しいなと、実際に店主さんからお話をお伺いすることで、より色濃く感じました。後継者がいない中、経営者の高齢化、施設の老朽化、燃料費の高騰などにより、廃業していく銭湯が後を絶たないのが現状です。
そっちはどうだい うまくやってるかい
こっちはこうさ どうにもならんよ
銭湯の店主さんの間では、こんなサニーデイ・サービス「青春狂走曲」のようなやり取りが繰り広げられていそうです。
私は、銭湯はちょっとした非日常を感じながら、同時にとても安らぐ素敵な空間だと思っています。そんな銭湯の魅力をひとりでも多くの人が感じ、思いを寄せてくれることで、素晴らしい銭湯文化が少しでも長く続くことを願っております。
今や、特に若い世代の方にとっては、私が当連載内で散りばめている小ネタのごとく「よく分からないもの」になりつつある銭湯。でも、よく分からないものの中にこそ、ワクワクする何かが埋まっていることも我々は知っているはずです。銭湯になじみのない方も、まずは一度銭湯に足を運んで、ワクワクを探してみるのもいいのではないでしょうか。
おまけ
と、こんな感じで締めようかと思いましたが、ここにきて連載当初は予想だにしなかったことが舞い込んでしまいましたので、おまけということでお知らせいたします。
なんと
この度
せんとうくん42歳がテレビ出演することになりました!
自分でもちょっと意味が分からないですが、当連載きっかけでオファーをいただき、先日撮影をしてまいりました。あんなことや、こんなことをして、とっても楽しい撮影でございました。そして、たぶん一般的にイメージする公務員的な出演とは一線を画す感じになっている気がします。
ただ、情報解禁は放送が近づいてからということですので、現時点で具体的な何かを申し上げることはできません…。
詳しい情報は今後、南区役所の公式Instagramアカウントから発信いたしますので、ぜひフォローしてお待ちください!
南区役所公式Instagramアカウント
ではでは、これにて本当に店じまいさせていただきます。
公衆浴場組合の皆さま、その中でもとりわけ南区内の銭湯の店主の皆さま、毎回長く訳の分からない文章を確認していただいた広報課のご担当者さま、このような文章を綴る企画を温かい目で見守っていただいた南区役所の皆さま、そして何より当連載をお読みいただきました皆さま、
本当にありがとうございました!
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せんとうくん42歳